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苦手・食が細い・約9分

食べるのが遅い子のごはん:時間内にしっかり食べきる、献立と段取りの工夫

「練習から帰って夕ごはん。でも、1時間たってもまだお茶碗にごはんが残っていて、寝る時間がどんどん遅くなる…」

サッカーをしている子の家では、夕食の時間がただでさえ短くなりがちです。そこに「食べるのが遅い」が重なると、食べきれないまま寝る時間になったり、給食を残して帰ってきたりします。

この記事では、食べるのが遅い子が、決まった時間の中でしっかり食べきるための献立と段取りを紹介します。先に答えを言います。食べる時間を「早く食べさせる」ことで縮めるのではなく、「食べやすい形」と「分けて食べる段取り」で、食べる量をそのままに時間を短くする。これがいちばんうまくいきます。

食べる時間が短いと、食べる量はどうなる?

アメリカの小・中学生(3〜8年生)1001人の給食を調べた研究があります(Cohen ほか、J Acad Nutr Diet 2016)。給食の時間は学校によって20〜30分でした。

座って食べられた時間わかったこと
20分未満の子25分以上の子より、主菜を13%、牛乳を10%、野菜を12%多く残した
果物を取った子の割合20分未満で44%、25分以上で57%

(出典:Cohen ほか 2016)

研究者は「座って食べる時間を少なくとも25分とること」で、食べ残しが減り、食べる量がふえるとまとめています。

つまり、時間が足りないと、子どもは食べたくても食べきれないのです。食べるのが遅い子ならなおさらです。日本の学校でも、準備に時間がかかって食べる時間が20分ほどになる日がある、という声がよく聞かれます。

遅いのは「やる気」の問題ではなく、時間と食べやすさの問題。だから、家で工夫できることがたくさんあります!

食べるのが遅くなる、よくある理由

理由がわかると、打つ手が決まります。

よくある理由家でできる工夫
練習のあとで疲れて、手が止まる帰ってすぐ食べられるように、先に準備しておく
かみにくい食材が多い(大きな肉・かたい野菜)ひき肉・薄切り肉、やわらかく煮た野菜にする
おかずの皿が多くて、迷う・目移りする丼・麺・ワンプレートにまとめる
テレビ・ゲーム・タブレットに目がいく食事中は消して、テーブルの上に置かない
話に夢中になる話は食べ終わってからのデザートタイムに
帰宅前の補食で、おなかがいっぱい補食を食べる時間と量を、夕食から逆算する

(このサイトのまとめです)

全部を一度に変えなくて大丈夫です。わが家に当てはまりそうなものを1つか2つ選んで、1週間続けてみましょう。

工夫1:食べやすい形にする

同じ量でも、形を変えるだけで食べる時間が短くなります。ポイントは「かむ回数を減らす」ことではなく、ひと口が作りやすく、手が止まらない形にすること。

いつもの形食べやすい形ポイント
ごはん+焼き肉+サラダ+汁物牛丼・親子丼・そぼろ丼+具だくさん汁1つの器で主食と主菜がそろう
大きな鶏もも肉のソテー鶏ももの一口大の照り焼き・つくね切る手間がない
生野菜のサラダ野菜を汁物やスープに入れるやわらかく、かさが減る
焼き魚鮭フレークの混ぜごはん・魚のそぼろ骨を取る時間がいらない
ごはんと別々のおかず具を混ぜこんだおにぎり手で持ってどんどん食べられる

(このサイトのまとめです)

食べやすい1食の例

料理と量エネルギーたんぱく質
ごはん 丼1杯(150g)234kcal3.8g
鶏もも肉(皮つき)100g190kcal16.6g
卵 1個(ゆで卵で計算 50g)67kcal6.3g
木綿豆腐(汁の具)100g73kcal7.0g
牛乳 コップ1杯(200g)122kcal6.6g
合計686kcal40.3g

(日本食品標準成分表で計算。調味料・野菜・油は含みません)

親子丼1杯と豆腐のみそ汁、牛乳。器は3つだけなのに、主食・主菜・汁物・乳製品がそろいます。野菜は玉ねぎを親子丼に、青菜やにんじんをみそ汁に入れましょう。

食べやすい形の献立アイデア

料理作り方のポイント合わせる汁物・飲み物
鶏そぼろ丼鶏ひき肉と卵をそぼろにして、ごはんにのせるわかめと豆腐のみそ汁
肉うどんゆでうどん1玉(200g・190kcal)に、薄切り肉と青菜をのせる牛乳
鮭の混ぜごはんおにぎり鮭フレークと枝豆をごはんに混ぜてにぎる野菜たっぷりのスープ
ミートソースパスタひき肉と細かく切った野菜のソース。麺は短めに折ってゆでるヨーグルト
カレーライス肉は一口大、野菜はやわらかく煮る牛乳
豆腐ハンバーグ丼小さめに丸めて焼き、ごはんにのせる具だくさんのみそ汁

(ゆでうどんは日本食品標準成分表で計算)

どれも、ひと皿で主食と主菜がそろい、手が止まりにくい料理です。曜日ごとに「月曜は丼、水曜は麺」と決めておくと、献立を考える時間も短くなります。

  • ごはん
  • 鶏もも肉
  • 卵
  • 豆腐
  • うどん
  • 牛乳

丼と汁物の「2つの器」作戦。洗い物も減って、おうちの人もラクになります!

工夫2:夕食を「2回に分ける」

食べるのが遅い子に、夕食を1回でぜんぶ食べさせようとすると、時間がかかります。そこで、1日に食べる量はそのままに、食べるタイミングを分けます。

タイミング食べるもの量の例
学校から帰って、練習へ行く前おにぎり・食パン・バナナごはん100g(156kcal)、食パン6枚切り1枚60g(149kcal)、バナナ1本100g(93kcal)
練習から帰ってすぐ夕食の主食と主菜(丼など)上の親子丼1杯
お風呂のあと汁物の残り・牛乳・ヨーグルト・果物牛乳200g(122kcal)、ヨーグルト100g(56kcal)

(日本食品標準成分表で計算)

練習前におにぎりを食べておくと、練習中のエネルギーにもなり、帰ってからの夕食は「メインを食べきる」ことに集中できます。お風呂のあとの牛乳やヨーグルトは、残った分の「穴うめ」です。夜遅い日の分け方は夜遅い練習の日の夕食、補食の考え方は補食ってなに?でくわしく紹介しています。

  • 食パン
  • バナナ
  • ヨーグルト
  • さつまいも

工夫3:帰ってから食べ始めるまでを短くする

食べるのが遅い子ほど、「食べ始めるまで」の時間が勝負です。席についたときに、すぐ食べられる状態にしておきましょう。

段取りやること
朝のうちに丼の具(そぼろ・親子丼の具・カレー)を作っておく
帰宅の30分前ごはんが炊けるように予約。汁物を温めるだけにしておく
帰宅したら手を洗う→すぐ席へ。着替え・お風呂は食べたあとでもよい
テーブルテレビは消す。タブレットは別の部屋。器は2〜3個にする
盛りつけ「食べきれる量」を盛り、食べきったらおかわり

(このサイトのまとめです)

最初から大盛りにすると、見ただけで手が止まる子もいます。茶碗1杯を食べきって「おかわり!」と言えるほうが、結果としてたくさん食べられます。

忙しい週の作り置きのコツは忙しい週も回るサッカーごはんで紹介しています。

工夫4:よくかんで、テンポよく

「早く食べなさい」と急かすと、よくかまずに飲みこむくせがつきます。食べる時間を短くするのは、形と段取りの役目。口の中では、しっかりかんで大丈夫です。

厚生労働省は「噛ミング30(カミングサンマル)」として、ひとくち30回以上よくかむことをすすめています(横浜市神奈川区のページより)。よくかむことは、歯と口の健康や、のどに詰まらせないことにもつながります。

テンポよく食べるためのコツは、かむことと、次のひと口を準備することを分けないことです。

  • ひと口の量を決めて、お箸で次のひと口をつまんでおく
  • 汁物は最初にひと口。口の中がうるおうと、ごはんが進む
  • 飲み物で流しこまず、かんで飲みこんでから飲む

よくかんで、次のひと口をスタンバイ。リズムよく食べると、時間もグッと縮まります!

給食を時間内に食べきれない子へ

給食の時間は、学校で決まっています。家でできるのは、給食をしっかり食べられる体と習慣づくりです。

家でできることねらい
朝ごはんをしっかり食べ、朝に排便の時間をとる午前中に体のリズムが整い、昼にしっかりおなかがすく
家でも、ひと口の量と箸の使い方を練習する給食でも手が止まらない
苦手な食材を、家で少しずつ食べ慣れておく給食で苦手なものに時間をとられない
給食を残した日は、練習前の補食を1つ足す練習のエネルギーを補える

(このサイトのまとめです)

給食を残した日の補い方は食が進まない日にでも紹介しています。

合宿・遠征・試合の日

外では、食べる時間がもっと決まっています。

場面工夫
合宿の朝食・夕食最初に主食と主菜を取る。おかわりは食べきってから
遠征のお弁当おにぎり・ロールサンドなど手で持てる形に。おかずは一口大
試合の合間バナナ・おにぎり・カステラなど、すぐ食べられる補食
ビュッフェ皿を1枚にまとめ、丼のように主食とおかずをのせる

(このサイトのまとめです)

お弁当の詰め方は大会の日のお弁当、ビュッフェの取り方は遠征・合宿のビュッフェの選び方で紹介しています。

よくある質問

Q. 食べ終わるまで何分くらいを目安にすればいい?

給食の研究では、座って食べる時間を25分以上とると、食べる量がふえていました(Cohen ほか 2016)。家の夕食でも、席についてから25〜30分をひとつの区切りにすると、親子で目安が共有できます。時間で量を減らすのではなく、時間内に食べきれる形と段取りを考えるのがポイントです。

Q. 時間を過ぎたら、片づけてもいい?

食べきれなかった分は、お風呂のあとの「2回目」に回しましょう。おにぎりにしておけば、寝る前でもさっと食べられます。1日の合計でしっかり食べられれば大丈夫です。

Q. 早食い競争をさせてもいい?

急いで飲みこむくせがつくので、競争より「よくかんで、最後まで食べきれたね」とほめるほうがうまくいきます。ひとくち30回、を親子でやってみるのも楽しいですよ。

Q. 兄弟の中で、いつも最後になります

1人だけ残されると、さびしくて手が止まる子もいます。おうちの人が最後まで一緒に座る、先に食べ始めさせる、器を2〜3個にまとめる、などを試してみましょう。

Q. 好きなものは早いのに、野菜になると止まります

野菜は汁物・スープ・丼の具に入れると、やわらかく食べやすくなります。野菜の工夫は野菜が嫌いな子も安心!で紹介しています。

Q. 食べるのが遅くて、体が大きくなりません

1回の量をふやすより、回数をふやすのが近道です。補食と2回目の夕食で、1日の合計をふやしましょう。くわしくは体重が増えない子どもの食事と食が細い子の食べる量を増やすコツで紹介しています。

子どもへの声かけ

  • 「よくかんで食べてるね。そのペースで最後まで行こう」
  • 「まず丼を食べきろう。牛乳はお風呂のあとでいいよ」
  • 「1杯食べきったね!おかわりする?」

早く食べるより、しっかり食べきる。その積み重ねが、走りきれる体をつくります!

まとめ

  • 給食の研究では、座って食べる時間が20分未満の子は、25分以上の子より主菜を13%、牛乳を10%、野菜を12%多く残した(Cohen ほか 2016)
  • 急かさずに、丼・麺・一口大・混ぜごはんなど「食べやすい形」で時間を短くする
  • 夕食は練習前・帰宅後・お風呂のあとに分けて、1日の量はそのまま
  • 帰ってすぐ食べられる段取りと、テレビを消したテーブルで食べ始めを早く
  • ひとくち30回以上よくかむ「噛ミング30」で、テンポよく食べる

食べやすい丼や麺のレシピはレシピ一覧、1週間の流れは1週間の献立から探せます。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)

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