食が細い子の食べる量を増やすコツ(食トレとの付き合い方)

「お茶わん1杯でもう終わり」「チームの子に比べて体が細い」「食トレって、やらせたほうがいいの?」…。食が細い子の保護者の悩みは尽きませんよね。
食が細い子は、一度にたくさん食べるのが苦手なだけ。食べる力が弱いわけではありません。回数を増やす、少量でエネルギーの多い食品を足す、飲めるもので足す。この3つで、1日に食べる量は無理なく増やせます。
この記事では、食が細い子の食べる量を増やす具体的なコツと、サッカーチームでよく聞く「食トレ」との上手な付き合い方を紹介します。
まず知っておきたいこと:エネルギーの量は人それぞれ
国際オリンピック委員会(IOC)の声明では、若い選手のエネルギー必要量を正確に決めるのは難しいとされています。成長のスピードや練習の量、体の大きさで、必要な量は一人ひとり変わるからです。
だから、「ごはん何杯」という数字より、体重が順調に増えているか、元気に練習できているかを見るのがいちばんです。体重の見方は体重の読み方の記事で紹介しています。

目標は「たくさん食べること」より「1日に必要な分を、食べやすい形でとること」。発想を変えると、ぐっと楽になります!
コツ1:食べる回数を増やす
一度にたくさん食べられない子は、1日3食+補食2回の5回食を目安にしましょう。1回の量はそのままでも、回数が増えれば1日の量は自然と増えます。
| タイミング | 補食の例 |
|---|---|
| 朝ごはんと昼ごはんの間(休日) | おにぎり、バナナ |
| 学校から帰って練習の前 | おにぎり、カステラ、バナナ |
| 練習のあと | おにぎり+牛乳、飲むヨーグルト |
| 夕ごはんのあと(足りなかった日) | ヨーグルト、果物、チーズ |
(このサイトのまとめです)
日本サッカー協会のガイドラインでは、練習の前は開始の2〜3時間前に食事をとり、練習のあとは2時間以内に食事をとることが基本とされています。この間をつなぐのが補食です。
おにぎり
バナナ
飲むヨーグルト
コツ2:エネルギーの多い食品を「ちょい足し」する
同じひと口でも、エネルギーの多い食品を足せば、食べる量を増やさずにエネルギーが増えます。
| ちょい足しする食品と量 | エネルギー |
|---|---|
| 調合油 小さじ1(4g) | 35kcal |
| 有塩バター 10g | 70kcal |
| いりごま 小さじ2(約6g) | 36kcal |
| きな粉(青大豆)大さじ2(約12g) | 51kcal |
| プロセスチーズ 1個(20g) | 63kcal |
| ピーナッツバター 大さじ1(約15g) | 90kcal |
| アボカド 1/2個(可食部70g) | 123kcal |
(日本食品標準成分表で計算)
きな粉
ごま
チーズ
使い方の例です。
- ごはん:ごま・しらす・チーズをのせる、バターしょうゆごはん、炒飯にする
- おかず:炒め物や焼き物に油を使う、チーズ焼きにする、ごま和えにする
- パン:バターやピーナッツバターをぬる、チーズトーストにする
- ヨーグルト・牛乳:きな粉やバナナ、はちみつを加える
- スープ:牛乳や豆乳を入れたポタージュ、ごま油をひとたらし
ちょい足しで300kcal増やす例
たとえば、次のように1日の中でちょい足しすると、お皿の大きさはそのままで約300kcal増えます。
- 牛乳にきな粉大さじ2を混ぜる(きな粉の分 51kcal)
- 牛乳1杯を補食にプラス(122kcal)
- ごはんにいりごま小さじ2(36kcal)
- 炒め物に油小さじ1(35kcal)
- チーズ1個をお弁当や補食に(63kcal)
(合計約307kcal。日本食品標準成分表で計算)
油
バター
アボカド

炒め物やソテーは、ゆでる・蒸すよりエネルギーが増えます。食が細い子には「油を上手に使う料理」がおすすめ!
コツ3:「飲めるエネルギー」を使う
食べるのはつらくても、飲むのは平気、という子はたくさんいます。牛乳や飲むヨーグルトは、エネルギーとたんぱく質が一緒にとれる心強い味方です。
| 飲み物と量 | エネルギー | たんぱく質 |
|---|---|---|
| 牛乳 コップ1杯(200g) | 122kcal | 6.6g |
| きな粉牛乳(牛乳200g+きな粉大さじ2) | 173kcal | 11.0g |
| 飲むヨーグルト 1本(200g) | 128kcal | 5.8g |
| 調製豆乳 コップ1杯(200g) | 122kcal | 6.4g |
(日本食品標準成分表で計算)
牛乳
豆乳
飲むヨーグルト
バナナと牛乳をミキサーにかけたバナナミルクも、練習後にさっと飲めておすすめです。スープやポタージュも「飲めるおかず」として使えます。
コツ4:食べる環境を整える
食べる量は、食卓の雰囲気でも変わります。
- 家族で一緒に食べる:楽しく会話しながらだと、自然と箸がすすみます
- お皿は小さめ、おかわり式に:大盛りを見るとそれだけでおなかいっぱいに感じる子もいます。小さめの器で「完食!」を重ねて、おかわりで増やしましょう
- 好きなものを1品入れる:好物があると、食卓に向かう気持ちが高まります
- テレビやゲームは消す:食べることに集中できます
- 一緒に料理する:自分で作ったものは、よく食べてくれます
ごはん
卵
コツ5:練習のあとのタイミングを逃さない
練習のあとはおなかがすいている、食べるチャンスの時間です。練習が終わったら、まずおにぎりや牛乳などの補食をとり、帰宅後の夕ごはんにつなげましょう。
反対に、練習の直前にたくさん食べると、走るときにおなかが重くなります。練習前の食事は2〜3時間前に。その間に軽い補食をはさむとちょうどいい流れになります。
また、日本サッカー協会のガイドラインでは、育成年代の睡眠時間は9時間以上が目安とされています。よく眠ると、朝ごはんの時間におなかがすきやすくなります。
食トレとの上手な付き合い方
サッカーチームでは、「ごはん◯杯」「お弁当は大盛りで」など、たくさん食べることを練習のように取り組む「食トレ」を聞くことがあります。体をつくるために食べる量を意識するのは、とてもいいことです。
ただ、無理やり食べさせるのは逆効果になりやすいので、付き合い方にはコツがあります。
無理に食べさせると逆効果になる理由
- 食事がつらい時間になる:「食べなきゃ」というプレッシャーで、食卓に向かう気持ちがしぼんでしまいます
- おなかを壊したり、気持ち悪くなったりする:一度にたくさん食べると、かえって次の食事が食べられなくなります
- 食べることが嫌いになる:長い目で見ると、いちばん避けたいことです
小さな目標を立てよう
食トレは「今より少しだけ増やす」くらいがちょうどいいです。
| 小さな目標の例 | ポイント |
|---|---|
| 朝ごはんに牛乳1杯を足す | 飲み物なら負担が軽い |
| 練習後のおにぎりを1個習慣にする | タイミングが決まると続けやすい |
| ごはんにふりかけ・ごまをのせる | 量はそのままでエネルギーアップ |
| 夕ごはんのおかずに1品、油を使う料理を入れる | 炒め物・揚げ物でエネルギーアップ |
| 週末だけおかわり1回にチャレンジ | できる日から始める |
(このサイトのまとめです)
1つできたら、たくさんほめてあげましょう。できた日をカレンダーに丸をつけるなど、目に見える形にすると、子ども自身も楽しく続けられます。

食トレは「楽しく、少しずつ」がいちばん長続きします!
1日の献立例(ちょい足し版)
| 食事 | 献立 | ちょい足しのポイント |
|---|---|---|
| 朝 | チーズトースト・バナナ・きな粉牛乳 | パンにチーズ、牛乳にきな粉 |
| 昼 | 学校の給食 | 牛乳も残さず |
| 補食(練習前) | おにぎり | 具はツナマヨや鮭 |
| 補食(練習後) | 飲むヨーグルト | すぐ飲めるもの |
| 夕 | ごまふりかけごはん・豚肉と野菜の炒め物・豆腐とわかめのみそ汁・果物 | ごはんにごま、炒め物に油 |
(このサイトのまとめです)
日本サッカー協会のガイドラインにある「主食・主菜・副菜・牛乳・乳製品・果物」の5つの形を土台に、ちょい足しを重ねていくイメージです。
よくある質問
Q. お菓子ばかり食べたがります
お菓子しか食べられないなら、まずはエネルギーをとることを優先して大丈夫です。少しずつ、おにぎりやバナナ、ヨーグルト、カステラなど、補食向きのものに置きかえていきましょう。
Q. 朝ごはんが食べられません
朝はおなかが目覚めていない子も多いもの。まずは牛乳やバナナ、ヨーグルトなど、のどを通りやすいものから始めましょう。少し早く起きて体を動かすと、おなかがすきやすくなります。
Q. 夏は特に食べなくなります
暑い時期は、冷たいめん類やおにぎり、冷やしたスープ、牛乳やヨーグルトなど、のどを通りやすいものを活用しましょう。夏に食欲がないときの記事も参考にしてください。
Q. 体重がなかなか増えません
成長期は身長が伸びる時期でもあり、体重の増え方にも波があります。数か月単位で記録して、増えているかを見ていきましょう。体重を増やしたいときの具体的な工夫は体重を増やしたいときの食事の記事で紹介しています。
Q. チームで「ごはん◯杯」と言われています
チームの目標は、子どもの励みにもなります。ただ、いきなり同じ量を目指すより、「今より1口多く」「補食を1回足す」など、わが子に合った小さな目標から始めましょう。体重が順調に増えていれば、それが何よりの成果です。
子どもへの声かけ
- 「おかわりはできたらでいいよ。今日もよく食べたね」
- 「練習のあとのおにぎり、えらい!」
- 「きな粉牛乳、作ってみる?」
- 「一緒に食べるとおいしいね」

食が細くても大丈夫。回数・ちょい足し・飲み物で、食べる量はちゃんと増やせるよ!
まとめ
- 食が細い子は「回数を増やす・ちょい足し・飲めるエネルギー」の3つが基本
- 油・バター・ごま・きな粉・チーズのちょい足しで、お皿の大きさはそのままにエネルギーアップ
- 牛乳・飲むヨーグルト・きな粉牛乳は、エネルギーとたんぱく質が一緒にとれる
- 練習の前後は補食でつなぐ
- 食トレは無理やりではなく、小さな目標を1つずつ
体重を増やす工夫は体重を増やしたいときの食事、体重の記録の見方は体重の読み方の記事で紹介しています。
出典:IOC 若年競技者に関する合意声明(2015)、日本サッカー協会「JFA栄養ガイドライン」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)
