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遠征・合宿のビュッフェの選び方:お皿の組み立て方と、試合前・試合後の取り方

遠征や合宿のホテルでよくあるのが、好きなものを自分で取る「ビュッフェ(バイキング)」形式の食事。選び方しだいで、体づくりにも試合にも大きな差が出ます。

ビュッフェは、たくさんの料理から好きなものを選べるのが魅力です。でも、子どもだけで選ぶと、好きなものばかりになったり、デザートでおなかがいっぱいになったりしがちです。

この記事では、ビュッフェで「何を、どの順番で、どのくらい取ればいいか」を、子どもが自分で判断できるように整理しました。出発前に、家族やチームで一緒に読んでおくのもおすすめです。

基本は「5つのグループをそろえる」

日本サッカー協会のガイドラインでは、アスリートの基本的な食事の形として、主食・主菜・副菜・牛乳・乳製品・果物の5つをそろえることをすすめています。ビュッフェでも、この形を意識してお皿を組み立てるのが基本です。

グループビュッフェで探すもの
主食ごはん・おにぎり・パン・うどん・パスタ・いも
主菜焼き魚・煮魚・卵料理・鶏肉の料理・豆腐・納豆
副菜サラダ・野菜の煮物・おひたし・野菜スープ・きのこや海藻の料理
牛乳・乳製品牛乳・ヨーグルト・チーズ
果物オレンジ・みかん・キウイ・バナナ・パイナップル

(例はこのサイトのまとめです)

  • ごはん
  • しろさけ
  • 卵

お皿に乗せる前に、まず会場をぐるっと一周。どこに何があるかを見てから取ると、5つをそろえやすくなります!

お皿の組み立て方:3ステップ

ビュッフェで迷わないための、お皿の組み立て方です。

ステップ1:主食を決める

まず、ごはん・パン・めんなど主食を取ります。サッカー選手にとって、主食は体を動かすエネルギーの中心です。

UEFA専門家グループの声明では、試合の前日・当日・翌日は、1日に体重1kgあたり6〜8gの炭水化物をとることが目安とされています(サッカーのトップ選手の目安)。体重40kgなら1日240〜320gになります。日本食品標準成分表で計算すると、ごはん1杯(150g)の炭水化物は約56gなので、主食をしっかり食べることが大切です。

ステップ2:主菜を1〜2品

次に、たんぱく質のおかずを1〜2品取ります。焼き魚、卵料理、鶏肉の料理、豆腐などから選びます。揚げ物を取るなら1品にして、もう1品は焼き物や煮物にすると、バランスがとりやすくなります。

ステップ3:副菜・乳製品・果物で仕上げ

サラダや野菜の料理を1〜2品、牛乳やヨーグルト、果物を取って完成です。

  • ヨーグルト
  • オレンジ
  • キウイフルーツ

お皿は1枚に全部のせるより、「主食」「おかず」「サラダ・果物」と分けると、食べた量がわかりやすくなります。 1回目で足りなければ、主食とおかずをおかわりしましょう。

試合前のビュッフェ:おなかにやさしいものを

試合の日の朝食や、試合の前の昼食がビュッフェの場合は、選び方を少し変えます。

UEFAの声明では、キックオフの3〜4時間前に、炭水化物の多い食事をとることが目安とされています。共同声明でも、運動の1〜4時間前に炭水化物をとることが目安とされ、脂質・たんぱく質・食物繊維の多いものは、胃腸の不調を避けるために直前には向かないことがあるとされています(成人の競技者の目安)。

試合前に選びやすいもの試合のあとに回したいもの
ごはん・おにぎり・うどん・パン揚げ物(フライ・からあげ・天ぷら)
卵焼き・焼き魚・ハムベーコン・ソーセージなど脂の多い肉加工品
みそ汁・スープ生野菜を大量に(おなかが張りやすい子は)
バナナ・オレンジ・ヨーグルト生クリームのケーキ・菓子パン
カステラ食べ慣れない料理・辛い料理

(の考え方をもとにした、このサイトのまとめです、右側も悪い食べ物ではなく、タイミングを試合のあとにずらすのがおすすめです)

  • おにぎり
  • うどん
  • バナナ

食べ物の安全にも注意

日本サッカー協会のガイドラインでは、試合前の食事では、刺身・生卵などの生もの、生焼けの肉、調理後に時間がたった料理を避け、ふだん食べ慣れた食事をとることがすすめられています。

ビュッフェでは、料理が長い時間並べられていることもあります。試合前は特に、温かい料理は温かいうちに、冷たい料理は冷えているものを選びましょう。

試合前に、ふだん食べない料理に挑戦するのはちょっと心配。新しい料理は、試合が終わってからのお楽しみにしましょう。

試合のあとのビュッフェ:回復を意識して

試合のあとは、エネルギーとたんぱく質をしっかり補給して、翌日に向けて回復させます。

UEFAの声明では、試合後の4時間は、1時間あたり体重1kgにつき1gの炭水化物をとることが目安とされています。共同声明では、運動後の早い時間(0〜2時間)に体重1kgあたり0.25〜0.3gのたんぱく質をとることが目安とされています(成人の競技者の目安)。日本サッカー協会のガイドラインでも、練習や試合が終わったらなるべく早く、2時間以内に食事をとることが基本とされています。

試合のあとは、主食をおかわりして、主菜も2品くらい取りましょう。揚げ物も、試合のあとなら楽しんでかまいません。

  • まあじ
  • 木綿豆腐
  • 納豆

朝食ビュッフェの選び方

朝食ビュッフェは、和食と洋食の両方が並んでいることが多いです。どちらを選んでも、5つのグループがそろうように意識しましょう。

和食の例

  • ごはん・焼き魚・卵焼き・納豆・みそ汁・おひたし・ヨーグルト・果物

洋食の例

  • パン(2個くらい)・スクランブルエッグ・ハム・サラダ・スープ・牛乳・果物
  • 飲むヨーグルト
  • プロセスチーズ
  • みかん

朝は食欲がない子もいますが、パンやおにぎり、果物、ヨーグルトなど、食べられるものから取りましょう。朝ごはんについては朝ごはんの記事も参考にしてください。

ビュッフェでよくある失敗と直し方

  • 好きなものばかり取ってしまう:お皿に乗せる前に「5つそろってる?」と確認する
  • デザートやジュースでおなかがいっぱいになる:デザートは食事のあとに。ジュースより水・お茶・牛乳を
  • 揚げ物ばかりになる:揚げ物は1品まで、もう1品は焼き物や煮物に
  • 一度にたくさん取って残してしまう:まず1回分を取って、足りなければおかわりする
  • 主食が足りない:主食は必ずおかわりする、と決めておく
  • 野菜をまったく取らない:スープや煮物など、食べやすい形の野菜から1品

合宿の何日も続くビュッフェ

合宿では、何日もビュッフェが続くことがあります。毎日同じものばかりにならないように、日によって主菜を変える(魚の日・肉の日・卵の日など)と、栄養の幅が広がります。

日本スポーツ協会の熱中症予防の指針では、夏の初めや合宿の初日に事故が多いとされ、急に暑くなったときは数日間かけて体を慣らすことがすすめられています。夏の合宿では、食事のときに汁物や果物、牛乳で水分もしっかりとりましょう。

また、日本サッカー協会のガイドラインでは、育成年代の睡眠時間は9時間以上が目安とされています。夜おそくまでおやつを食べて、朝食が入らない、ということがないようにしましょう。

  • 豚レバー
  • カステラ

レバーや赤身の肉、魚、貝など、鉄の多い料理があれば、ときどき取ってみましょう。豚レバー100gの鉄は13.0mgです(日本食品標準成分表)。練習の合間の補食には、日本サッカー協会のガイドラインで日本代表の補食の例として挙げられているカステラや羊羹、おにぎりなども役に立ちます。

合宿全体の食事については合宿・遠征の食事の記事を参考にしてください。

指導者・保護者ができること

子どもだけでビュッフェを選ぶのは、慣れていないと難しいものです。

  • 出発前に、この記事のような「お皿の組み立て方」を子どもと一緒に確認しておく
  • 最初の食事のときに、指導者や保護者が一度お皿を見て声をかける
  • 「主食はおかわりした?」「果物は取った?」など、具体的に声をかける
  • 食べた量を、指導者同士で共有しておく

自分で選ぶ力は、サッカーの判断力と同じ。ビュッフェで上手に選べるようになったら、立派なアスリートです!

よくある質問

Q. ビュッフェで食べすぎることはありますか?

成長期でたくさん練習しているサッカー選手は、多くのエネルギーを必要としています。主食・主菜・副菜・乳製品・果物をそろえて、おなかいっぱい食べることが基本です。ただし、試合の直前は胃が重くならないように、試合前の選び方を参考にしてください。

Q. 食物アレルギーがある場合は?

ビュッフェでは、料理にどんな食材が使われているかわかりにくいことがあります。事前にホテルや施設に伝えておき、表示を確認してから取るようにしましょう。表示の見方はアレルギー表示の見方を参考にしてください。

Q. 苦手なものしかないときは?

ごはんやパンなどの主食をしっかり食べて、食べられるおかずを探しましょう。牛乳やヨーグルト、果物でも栄養を補えます。

子どもへの声かけ

  • 「まず会場を一周してから取ろう」
  • 「5つそろってる? 主食・おかず・野菜・牛乳・果物」
  • 「試合の前は揚げ物より、ごはんとうどん。揚げ物は試合のあとのお楽しみ」
  • 「ごはん、おかわりした?」

まとめ

  • ビュッフェでも、主食・主菜・副菜・牛乳・乳製品・果物の5つをそろえる
  • 主食→主菜→副菜・乳製品・果物の順で、お皿を組み立てる
  • 試合前は炭水化物中心で、おなかにやさしいもの・食べ慣れたものを
  • 試合後は主食と主菜をしっかり、早めに
  • 合宿では主菜を日替わりにして、水分と睡眠も大切に

チーム全体の量の目安は合宿・遠征の目安で計算できます。試合の日の流れは試合の日の準備で確認してください。

出典:米国栄養士会・カナダ栄養士会・米国スポーツ医学会「Nutrition and Athletic Performance」(2016)、UEFA エリートサッカーの栄養に関する専門家声明(2021)、日本スポーツ協会「熱中症予防のための運動指針」、日本サッカー協会「JFA栄養ガイドライン」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)

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