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偏食の子の献立:苦手な食材の置きかえ方と、食べられる幅の広げ方

野菜はほとんど食べない、魚もいや、決まったものしか食べない…。毎日の献立づくりが本当に大変ですよね。

子どもの偏食は、多くの家庭が抱えている悩みです。サッカーをがんばっている子ならなおさら、「ちゃんと栄養がとれているのかな」と心配になります。

この記事では、苦手な食材を無理に食べさせるのではなく、同じ栄養がとれる別の食材に置きかえる考え方と、少しずつ食べられる幅を広げていく工夫を紹介します。

まず知っておきたいこと:栄養は「食材」より「グループ」で考える

日本サッカー協会の栄養ガイドラインでは、アスリートの基本的な食事の形として、主食・主菜・副菜・牛乳・乳製品・果物の5つをそろえることをすすめています。

ここで大切なのは、5つの中身は1つの食材に決まっていない、ということです。たとえば「主菜」は、肉でも魚でも卵でも大豆製品でもかまいません。「副菜」の野菜も、ほうれんそうが苦手ならブロッコリーやかぼちゃでもよいのです。

グループおもな役割置きかえの例
主食体を動かすエネルギーごはん・パン・めん・もち・いも
主菜筋肉や血の材料(たんぱく質)肉・魚・卵・豆腐・納豆
副菜体の調子を整える(ビタミン・ミネラル・食物繊維)緑の野菜・きのこ・海藻・いも
牛乳・乳製品骨の材料(カルシウム)牛乳・ヨーグルト・チーズ
果物ビタミンC・水分・エネルギーみかん・オレンジ・キウイ・バナナ

(置きかえの例はこのサイトのまとめです)

グループの中で1つでも食べられるものがあれば、その枠は埋められます。 苦手な食材が多くても、まずは「食べられるもの」を書き出してみると、意外と献立が組めることに気づくはずです。

「にんじんを食べない」ではなく「副菜の中で、何なら食べられる?」と考えるのがコツです。

苦手なものごとの置きかえ方

よくある「苦手」ごとに、同じ栄養がとれる食材を整理しました。

野菜が苦手

野菜からとりたいおもな栄養は、ビタミンC・カロテン・食物繊維・カリウムなどです。

  • 果物で補う:ビタミンCは果物からもとれます。日本食品標準成分表で、100gあたりのビタミンCは、みかん(砂じょう)33mg、オレンジ(ネーブル)60mg、キウイフルーツ(緑肉種)71mgです
  • 食べられる野菜を見つける:ブロッコリー(100gあたりビタミンC 140mg、生の値)やコーン、かぼちゃ、トマトなど、甘みや食感で食べやすいものから
  • 形を変える:みじん切りにしてハンバーグやカレー、スープに入れる。ポタージュにする
  • みかん
  • オレンジ
  • キウイフルーツ

ただし、果物は野菜の代わりの「すべて」にはなりません。少しずつでも食べられる野菜を増やしていけると理想的です。

魚が苦手

魚からとりたいおもな栄養は、たんぱく質・ビタミンD・脂質(DHA・EPAなど)です。

  • 食べやすい魚から:鮭(しろさけ)は骨が取りやすく、くせの少ない魚です。100gあたりたんぱく質22.3g・ビタミンD 32μgと、栄養も豊富です(日本食品標準成分表)
  • 形を変える:ほぐしてふりかけやおにぎりの具に。フライやムニエルにすると食べやすくなる子も
  • ツナやさば缶:缶詰は骨が気にならず、調理も簡単
  • しろさけ
  • まあじ
  • 鮭のおにぎり

肉が苦手

肉からとりたいおもな栄養は、たんぱく質・鉄・ビタミンB群です。卵・魚・大豆製品・乳製品で置きかえられます。詳しくは肉が苦手な子のたんぱく質の記事で紹介しています。

牛乳が苦手

カルシウムはヨーグルト・チーズ・豆腐・こまつななどでとれます。詳しくは牛乳が飲めない子のカルシウムの記事を参考にしてください。

  • 飲むヨーグルト
  • プロセスチーズ
  • 木綿豆腐

食べられる幅を広げる7つの工夫

置きかえで栄養をカバーしながら、少しずつ食べられるものを増やしていく工夫です。

1. 「ひと口だけ」を強制しない

「ひと口は食べなさい」と言われ続けると、食事の時間そのものがいやになってしまうことがあります。食卓に並べておくだけでOK、食べたら「食べられたね」とほめる、くらいの気持ちで。

2. 何度も食卓に出す

子どもは、同じ食材に何度も出会ううちに慣れていくことがよくあります。一度食べなかったからといってあきらめず、少しずつ、形を変えて出してみましょう。

3. 好きなものと組み合わせる

カレー、ハンバーグ、オムライス、ラーメンなど、子どもが好きな料理に苦手な食材を少し混ぜると、食べてくれることがあります。

4. 一緒に作る・選ぶ

買い物で野菜を選ばせる、料理を手伝ってもらう、などで食材に興味がわくことがあります。自分で作ったものは食べてみたくなるものです。

5. 切り方・調理法を変える

「ゆでたにんじんはいやだけど、生のスティックなら食べる」「煮魚はいやだけどフライなら食べる」など、調理法で好みが分かれることはよくあります。

6. サッカーと結びつける

「鉄は走るときに酸素を運ぶ」「カルシウムは骨を強くする」など、サッカーにつながる話をすると、興味を持つ子もいます。

7. 大人がおいしそうに食べる

家族が楽しそうに食べている姿は、何よりの声かけになります。

苦手なものも、仲間と一緒だと食べられることがあります。合宿や遠征で急に食べられるようになる子も!

偏食の子の1日の献立例

「野菜と魚が苦手、肉と卵とごはんは好き」という子を想定した1日の例です。

食事献立グループ
朝ごはん・卵焼き・コーンスープ・ヨーグルト・みかん主食・主菜・副菜・乳製品・果物
昼学校の給食―
補食鮭おにぎり・飲むヨーグルト主食・主菜・乳製品
夕ごはん・野菜入りハンバーグ(玉ねぎ・にんじんをみじん切り)・ブロッコリーのチーズ焼き・豆腐のみそ汁・キウイ主食・主菜・副菜・乳製品・果物

(このサイトの献立の例です)

ポイントは、苦手な野菜を「好きな料理の中に入れる」こと、ビタミンCを果物でも補うこと、魚はおにぎりの具など食べやすい形で取り入れることです。

  • 卵
  • ブロッコリー
  • きな粉

栄養が足りているか、どう確かめる?

偏食があると「本当に足りているの?」と不安になりますが、毎日完璧である必要はありません。1週間くらいの中で、5つのグループがそろっている日が多ければ大丈夫です。

確認のめやすとして、次のようなことも見てみてください。

  • 身長と体重が、成長に合わせて増えているか
  • 練習のあと、極端に疲れていないか
  • 元気に学校と練習に行けているか

体重が増えない・減ってきた、すぐに疲れる、顔色が悪いなどが続く場合は、医療機関に相談しましょう。体重の記録は体重の記録で、全国平均と重ねて見ることもできます。

「食べる量」そのものを大切に

偏食の子は、食べられるものが限られるぶん、食事の量そのものが足りなくなりがちです。サッカーをしている子は、たくさんのエネルギーを使っています。

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、子どもには成長のための分のエネルギーも加えて必要量を考えます。好きなものでいいので、主食をしっかり食べることをまず大切にしましょう。ごはんやパン、めんが食べられていれば、体を動かすエネルギーは確保しやすくなります。

サプリメントで補えばいい?

「食べない分はサプリメントで」と考えたくなるかもしれません。でも、国際オリンピック委員会(IOC)の若い競技者についての合意声明では、運動能力の向上を目的として若い選手に栄養補助食品をすすめることは適切ではない、とされています。

偏食がひどく、食べられるものがごくわずかな場合や、体の成長に心配がある場合は、医療機関や管理栄養士に相談してください。

よくある質問

Q. 好きなものばかり食べさせていいの?

好きなものは、食事の量を確保する大切な手段です。好きなものをベースにしながら、5つのグループがそろうように少しずつ足していきましょう。

Q. お菓子ならたくさん食べるのですが…

お菓子でおなかがいっぱいになると、食事が入らなくなります。おやつを補食に変えて、おにぎり・カステラ・果物・乳製品などにしてみてください。

Q. 年齢が上がれば、偏食は治りますか?

成長とともに食べられるものが増えていく子は多いです。焦らず、食卓に出し続けることが大切です。

子どもへの声かけ

  • 「今日はこれ、ひと口だけ挑戦してみる? いやならいいよ」
  • 「この野菜、どう切ったら食べやすい?」
  • 「にんじんは、目と体の調子を整えてくれるんだって」
  • 「食べられたね! すごい!」

苦手なものがあっても大丈夫。食べられるものから、少しずつ世界を広げていこう!

まとめ

  • 栄養は「食材」より「5つのグループ」で考える
  • 苦手な食材は、同じグループの別の食材に置きかえる
  • 強制しない・何度も出す・形を変える、で少しずつ幅を広げる
  • 好きなものでいいので、主食をしっかり食べることが大前提
  • 心配なときは医療機関や管理栄養士に相談する

苦手な食材を除いて献立を考えたいときは、レシピを探すから食材でしぼりこめます。家にある食材から作れる料理は冷蔵庫の中身から探すも使ってみてください。

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、IOC 若年競技者に関する合意声明(2015)、日本サッカー協会「JFA栄養ガイドライン」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)

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