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まずは基本・約9分

子どもとカフェイン:エナジードリンク・コーヒー・お茶は飲んでいい? 年齢別の目安と、試合の日の飲み物

「試合の前にエナジードリンクを飲みたいって言うんです」「コンビニのモンスター、中学生が飲んでも平気?」

知恵袋には、こんな質問がたくさん並んでいます。「サッカーの試合前にエナジードリンクを飲むとパフォーマンスは上がる?」「小6の子どもがレッドブルを飲むのはいけない?」「未成年の子どもにエナジードリンクを飲ませますか?」。部活を始めた中学生や、高学年の子がいる家では、気になるテーマです。

答えはシンプルです。試合の日の飲み物は、水・麦茶・スポーツドリンク。エネルギーは、おにぎりやバナナで入れる。 この記事では、カフェインの年齢別の目安と、ふだん家で飲んでいるお茶やココアのカフェインの量、試合の日の飲み物の決め方を紹介します。

カフェインってなに?

食品安全委員会の子ども向け資料では、カフェインは食品の成分のひとつで、コーヒーやお茶に含まれ、チョコレートやココアにも少しだけ含まれていると説明しています。頭がスッキリしたり、眠気が覚めたりする働きがあります。

消費者庁のページでは、カフェインをとりすぎたときの体の変化として、めまい、心拍数の増加(どきどき)、興奮、不安、ふるえ、不眠、下痢、吐き気があげられています。そのうえで、子どもはカフェインの影響を受けやすい人のなかに入っています。

カフェインは、眠気を覚ます成分。子どもの体は小さいので、大人と同じ1本でも、体重あたりではずっと多くなります。

年齢別の目安(カナダ保健省)

日本には、カフェインをとる量の基準はありません。農林水産省・消費者庁・食品安全委員会のページでは、海外の例としてカナダ保健省の目安を紹介しています。

年齢1日の目安(これ以下)
4〜6歳45mg
7〜9歳62.5mg
10〜12歳85mg
13歳以上の青少年体重1kgあたり2.5mg
大人400mg

(出典:消費者庁「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」、食品安全委員会「キッズボックス」2018年12月)

中学生は体重1kgあたり2.5mg。体重40kgの子なら100mg、50kgの子なら125mgです。農林水産省のページでは、欧州食品安全機関(EFSA)が子どもで1日体重1kgあたり3mg程度を、オーストラリア・ニュージーランドが18歳未満で1回体重1kgあたり3mgを目安としていることも紹介されています。

家の飲み物のカフェインはどれくらい?

日本食品標準成分表には、いれたお茶やコーヒーのカフェインの量が載っています。100mlあたりの量と、10〜12歳の目安(85mg)になる量を計算しました。

飲み物100mlあたり85mgになる量
コーヒー60mg約140ml(マグカップ1杯弱)
紅茶30mg約280ml
せん茶20mg約430ml
ほうじ茶20mg約430ml
ウーロン茶20mg約430ml
玄米茶10mg約850ml
ミルクココア(粉)ごくわずか(Tr)―
麦茶カフェインの記載なし―

(日本食品標準成分表の浸出液の値。入れ方で変わります。食品安全委員会の資料では、マグカップ1杯は約200ml)

  • 麦茶
  • スポーツドリンク
  • 牛乳
  • ミルクココア

コーヒーはマグカップ1杯(200ml)で120mg。小学生の目安をこえます。いっぽうで、麦茶にはカフェインの値がなく、ミルクココアもごくわずか。水筒や食卓のお茶を麦茶にすれば、量を気にせずたっぷり飲めます。

練習の水筒は麦茶かスポーツドリンク。夕ごはんのお茶も麦茶にすれば、ぐっすり眠れて明日も元気です!

エナジードリンクは1本でいっぱい

農林水産省のページによると、エナジードリンクや眠気覚まし用の飲料のカフェインは100mlあたり28〜300mg、1本あたり50〜170mg。製品によって大きくちがいます。

年齢1日の目安エナジードリンク1本(50〜170mg)
7〜9歳62.5mg1本で目安に届く・こえる
10〜12歳85mg1本で目安に届く・こえる
中学生 体重40kg100mg1本で目安に届く・こえる

1本で1日の目安をうめてしまうので、子どもの飲み物の候補には入れません。消費者庁のページでも、エナジードリンクにはコーヒー2〜3杯分のカフェインを含むものがあり、1日に何本も飲まないよう呼びかけています。

農林水産省のページでは、イギリス(イングランド)が2027年4月から、カフェインが1Lあたり150mgをこえる飲み物を16歳未満に売ることを禁止する予定だと紹介しています(コーヒーと紅茶は除く)。

知恵袋の「試合前に飲むとパフォーマンスは上がる?」という質問には、「エナジードリンクの中身は糖質とカフェインで、エナドリならではの効果はない」という回答がついていました。走るための燃料(糖質)なら、おにぎりやバナナで入れられます。

試合の日の飲み物と燃料

場面飲み物燃料(食べ物)
朝ごはん牛乳・麦茶ごはん・おにぎり
試合の2〜3時間前麦茶・水おにぎり1個(100gで170kcal)
試合の1時間前麦茶・水バナナ1本(100gで93kcal)
試合中・ハーフタイム水・麦茶・スポーツドリンク小さいおにぎり・ゼリーなど
試合のあとスポーツドリンク・牛乳おにぎり・バナナ
  • おにぎり
  • バナナ

食べる時刻の決め方は試合当日の食事:何時間前に何を食べる?に、ハーフタイムはハーフタイムに何を食べる? 飲む?に、スポーツドリンクの使い分けはスポーツドリンクの選び方と飲み方にまとめています。

夜は「カフェインなし」で、ぐっすり眠る

消費者庁のページでは、カフェインのとりすぎで起こることのひとつに不眠があげられています。食品安全委員会の資料にも「眠りたいのに眠れない」と書かれています。

サッカーをする子は、寝ているあいだに体をつくり、疲れをとります。夕方以降の飲み物は、麦茶・牛乳・ミルクココアなど、カフェインのない・ごくわずかなものに決めておくと安心です。睡眠時間の目安はサッカーする子どもの睡眠時間で紹介しています。

夕方以降のおすすめの飲み物

飲み物よいところ
麦茶カフェインの記載なし。たっぷり飲める
牛乳コップ1杯(200g)でカルシウム220mg
ホットミルクココアカフェインはごくわずか。寒い日にも
白湯・水いつでも

「カフェインが重なる」に気をつける

食品安全委員会の資料では、カフェインを含む食品をいくつか同時にとるときは、カフェインの量が足し算になることに気をつけるよう書かれています。

たとえば10〜12歳の子が、ペットボトルの緑茶(せん茶の値で500ml=100mg)を1本飲めば、それだけで目安の85mgをこえます。紅茶味のお菓子やコーヒー牛乳が重なると、さらに増えます。水筒と食卓は麦茶、と決めておくと、足し算を気にしなくてすみます。

  • せん茶
  • 紅茶
  • コーヒー
  • ピュアココア

ピュアココア(砂糖の入っていない純ココア)は、100gあたりカフェイン0.2g。ミルクココア(調整ココア)はごくわずかです。子どもが毎日飲むなら、ミルクココアを牛乳でとかすのがおすすめ。牛乳のおいしい飲み方は牛乳がもっとおいしくなる! 飲み方・料理の工夫にまとめています。

練習の日の1日の飲み物の例(小学校高学年)

カフェインを気にせず、たっぷり飲める組み合わせの例です。

時刻飲み物ポイント
7時 朝ごはん牛乳コップ1杯(200g)カルシウム220mg。ミルクココアにしてもOK
学校水筒の麦茶休み時間にこまめに
16時 おやつ牛乳・麦茶おにぎりと一緒に
17時〜19時 練習水筒の麦茶・スポーツドリンク汗をかく日はスポーツドリンクも
19時半 夕ごはん麦茶・具だくさんのみそ汁汁物も水分になる
寝る前水・白湯ぐっすり眠る準備

この組み合わせなら、1日のカフェインはほとんどゼロ。量を気にしないで、のどがかわいたらいつでも飲めます。水筒の容量の決め方はサッカーの水筒は何リットル?で紹介しています。

子どもが「飲みたい」と言ったら

友だちが飲んでいたり、コンビニで目立つ場所に並んでいたりすると、子どもは飲んでみたくなります。そんなときは「だめ」だけで終わらせず、数字で一緒に確かめるのがおすすめです。

  • 缶のうしろの表示で、カフェインの量を一緒に見る
  • この記事の表で、自分の年齢の目安と比べる
  • 「1本で今日のぶんがいっぱいになるね」と、子ども自身に気づいてもらう

食品安全委員会の子ども向け資料も、自分がとっているカフェインの量を表で確かめよう、と呼びかけています。数字で納得すると、子どもは自分で飲み物を選べるようになります。補食を自分で選ぶ力は補食を自分で選び、作れる子ににまとめています。

「なんで飲んじゃだめなの?」には、表を見せて一緒に計算。理由がわかると、子どもは自分で選べます!

よくある質問

Q. 中学生がエナジードリンクを1本だけ飲むのは?

エナジードリンクは1本50〜170mg。体重40kgの中学生の目安は100mgなので、1本で目安に届くことがあります。試合や練習の日の燃料は、おにぎりやバナナで入れましょう。

Q. 試合前のコーラはどう?

コーラにもカフェインが入っています。農林水産省のページでは、カナダはコーラのカフェインの上限を200ppmから150ppmに下げたと紹介されています。炭酸でおなかがふくらむこともあるので、試合前は麦茶や水にしましょう。

Q. 家の緑茶やウーロン茶は飲んでいい?

飲めます。せん茶・ウーロン茶は100mlあたり20mg。湯のみ1杯なら目安の範囲です。量を気にせず飲むなら麦茶、と使い分けましょう。

Q. ほうじ茶と麦茶は同じなかま?

色が似ていますが、別のお茶です。ほうじ茶は緑茶の葉をいったお茶で、成分表では100mlあたりカフェイン20mg。せん茶と同じ量です。麦茶は麦をいったお茶で、カフェインの記載はありません。水筒に入れるなら麦茶がぴったりです。

Q. 眠気覚ましに飲みたいと言います

眠いのは、体が休みたいサイン。夜の睡眠時間をしっかりとるのがいちばんの近道です。

Q. 「エナジー」と「スポーツドリンク」はちがうの?

まったく別の飲み物です。スポーツドリンクは汗で出た水分と塩分をおぎなう飲み物で、エナジードリンクはカフェインの入った飲み物です。

子どもへの声かけ

  • 「試合の燃料はおにぎり。飲み物は麦茶とスポーツドリンクで準備OK!」
  • 「エナジードリンクは大人の飲み物。大きくなるまでとっておこう」
  • 「夜は麦茶か牛乳にして、ぐっすり寝て明日も走ろう」
  • 「コーヒーの代わりに、ミルクココアを作ろうか」

麦茶とおにぎりは、いちばん頼れる試合の相棒。しっかり飲んで、しっかり食べて、元気に走りましょう!

まとめ

  • カフェインは眠気を覚ます成分。とりすぎると、めまい・どきどき・不眠・吐き気などが起こる
  • カナダ保健省の目安:4〜6歳45mg、7〜9歳62.5mg、10〜12歳85mg、13歳以上は体重1kgあたり2.5mg
  • コーヒーは100mlあたり60mg、紅茶30mg、せん茶・ほうじ茶・ウーロン茶20mg。麦茶はカフェインの記載なし
  • エナジードリンクは1本50〜170mg。子どもは1本で目安に届くので、飲み物の候補に入れない
  • 試合の日は、水・麦茶・スポーツドリンク。エネルギーはおにぎりやバナナで
  • 夕方以降と水筒は麦茶に。カフェインの足し算を気にせず、ぐっすり眠れる

試合の日の補食はレシピ一覧からも探せます。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)

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