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家庭の段取り・約9分

サッカーの水筒は何リットル? 練習時間で決める容量と、中身・塩分・補充の段取り

「休日は半日サッカー。1リットルの水筒だと足りないみたい。2リットル? 2.5リットル?」「夏休みの試合、水筒は何本持たせればいいの?」

知恵袋には、こんな相談が並んでいます。低学年で休日に半日サッカーをしている子の親が「1リットルでは足りない。2リットルか2.5リットルか迷う」と書き、小学2年生でサッカー少年団に入った子の親は「夏休みの試合の水筒」を相談しています。

答えはシンプルです。水筒の容量は「練習の時間 × 1時間に飲む量」で決まります。 この記事では、サッカーをする子が1時間にどれだけ汗をかくのかを研究の数字で確かめ、練習時間ごとの容量の表、中身の選び方、補充と塩分のとり方まで、家の段取りとしてまとめます。

サッカーをする子は、1時間にどれだけ汗をかく?

アメリカンフットボールの5日間の合宿に参加した12歳前後の男の子33人を調べた研究があります。走って止まってをくり返す、サッカーに近い運動の汗の量です。5日間、1日3回、1回およそ2時間の練習と試合をして、汗の量を測りました。暑さ指数(WBGT)は平均25.6℃です。

場面1時間の汗の量
練習約0.65L
試合約1.30L
サッカー中に飲んだ量約0.76L

試合では、練習のおよそ2倍の汗をかいていました。サッカー中に飲んだ量は汗とほぼ同じでしたが、子どもたちは朝の時点ですでに水分が足りない状態で合宿に来ていて、自由時間にも水分が足りなくなっていました。練習中だけでなく、練習の前とあとにも飲むことが大事だとわかります。

アメリカンフットボールの夏の練習で中高生を調べた研究(Yeargin ほか 2010)でも、14〜15歳の汗の量は1時間に約0.6L、16〜17歳は約0.8Lでした。1回の練習で飲んだ量は、14〜15歳で約1.3L、16〜17歳で約1.7Lです。学年が上がるほど汗の量も、飲む量も増えていきます。

スポーツ栄養の共同声明でも、運動中に飲む量は多くの選手で1時間に0.4〜0.8Lが目安とされ、汗の量は1時間に0.3〜2.4Lと人によって大きく違うことが書かれています。

練習なら1時間に約0.65L、試合なら約1.3L。これをもとに水筒の大きさを決めましょう!

練習時間で決める、水筒の容量の表

合宿の研究の「練習1時間に約0.65L」で計算した表です。

練習の時間練習中に必要な量(0.65L×時間)持たせる水筒の例
1時間約0.65L800ml〜1L 1本
2時間約1.3L1.5L 1本、または1L+500ml
3時間約1.95L2L 1本、または1L 2本
4時間(休日の半日)約2.6L1L 2本+補充、または2.5〜3Lのジャグ
試合1試合(40分のプレー)約0.87L(1.30L×40分)アップと待ち時間の分を足して1.5L〜

知恵袋の「半日サッカーで1リットルでは足りない」は、表のとおりです。4時間の練習なら、2.6Lほど飲む計算になります。

小学生が大きなジャグを持つのが重いときは、「1L 2本」がおすすめです。1本は首からかけて手もとに、もう1本はバッグの中で冷やしておきます。1本目が空になったら2本目と入れかえるだけなので、低学年でも自分で回せます。

迷ったら「大きいほう」。余った分は帰り道に飲めばいいので、足りなくなるより安心です!

体重で確かめる:飲む量が合っているか

飲む量がちょうどいいかは、練習の前とあとの体重で確かめられます。日本スポーツ協会は、運動による体重のへりを2%以内に収めることを目安にしています。共同声明では、体重1kgのへりはおよそ汗1Lです。

体重2%(ここまでに収める)
25kg0.5kg(約0.5L)
30kg0.6kg(約0.6L)
40kg0.8kg(約0.8L)
50kg1.0kg(約1L)

練習のあとに体重が2%以上へっていたら、次の練習から水筒を一回り大きくします。夏休みに一度、家の体重計で練習の前後を測ってみると、わが子に合った水筒の大きさがはっきりします。体重計の数字の読み方は体重計の数字の読み方にまとめています。

水筒の中身:水・麦茶・スポーツドリンク

日本スポーツ協会は、運動中の飲み物に食塩0.1〜0.2%(100mlあたり0.1〜0.2g)と、糖質4〜8%をすすめています。温度は5〜15℃が目安です。

飲み物100mlあたり向いている場面
スポーツドリンク21kcal・食塩0.1g1時間をこえる練習、暑い日、試合
麦茶1kcal・食塩0g短い練習、食事と一緒に
水0kcal短い練習、口をすすぐ

(日本食品標準成分表:スポーツドリンク 16057・麦茶 16055)

スポーツドリンクは、塩分も糖質も、日本スポーツ協会の目安に合う飲み物です。2本持たせるなら、1本はスポーツドリンク、もう1本は麦茶か水にすると、汗をたくさんかいたときも、ごくごく飲みたいときも使い分けられます。氷を入れておけば、温度の目安にも合います。飲み物ごとの使い分けはスポーツドリンクの選び方と飲み方でくわしく紹介しています。

  • スポーツドリンク
  • 麦茶
  • 牛乳

練習の前とあとに飲む量

合宿の研究では、子どもたちは朝から水分が足りない状態でした。水筒の中身だけでなく、練習の前とあとの家での一杯も段取りに入れます。

タイミング目安(出典)体重30kgの子なら
練習の2〜4時間前体重1kgあたり5〜10ml150〜300ml(コップ1〜2杯)
練習中1時間に0.4〜0.8L休憩のたびにひと口〜数口
練習のあとへった体重の125〜150%0.5kgへったら625〜750ml

練習のあとは、夕ごはんまでの数時間で、牛乳・麦茶・汁物も合わせて飲めば十分届きます。共同声明では、運動のあとは塩分を制限しないとされています。夕ごはんのみそ汁やスープは、そのまま水分と塩分の補給になります。

塩分は「おにぎりと梅干し」でも足せる

長い練習の日は、補食で塩分も一緒に入れます。食品の数字は日本食品標準成分表から計算しました。

補食量エネルギー食塩
おにぎり1個(100g)170kcal0.5g
梅干し中1個(食べる部分9g)3kcal約1.6g
バナナ1本(食べる部分90g)84kcal0g
すいか1/8個(食べる部分360g)148kcal0g
スポーツドリンク500ml105kcal0.5g

梅干し入りのおにぎりは、炭水化物と塩分が一度にとれる、半日練習のお昼や休憩の補食にぴったりです。すいかは水分が約90%(100gあたり水分89.6g)で、夏の練習のあとの補食にもなります。

  • おにぎり
  • 梅干し
  • バナナ
  • すいか

家の段取り:前の晩・朝・帰ってから

前の晩

  • 水筒を洗って乾かしておく
  • スポーツドリンクを水筒に半分入れて冷凍庫へ(朝に冷たい飲み物を足すと、昼まで冷たい)
  • 練習の時間を確認して、表で本数を決める

朝

  • 起きたらコップ1杯。朝ごはんにみそ汁や牛乳
  • 冷凍しておいた水筒に飲み物を足す。2本目は麦茶か水
  • 梅干しおにぎりとバナナを保冷バッグへ

帰ってから

  • 水筒の残りを見る。空なら次は一回り大きく、たくさん残っていたら休憩で飲めていたか子どもに聞く
  • 麦茶か牛乳をコップ1杯、夕ごはんは汁物つきで
  • 水筒をすぐ流しに出して洗う

「水筒の残りを見る」が、いちばん手軽なチェック。毎回見ていると、わが子に合う大きさがすぐにわかります!

よくある質問

Q. 低学年でも2リットルの水筒を持たせていい?

いいんです。半日の練習なら、表のとおり2L以上を飲む計算です。重さが気になるときは、1L 2本に分けると持ち運びが楽になります。

Q. 水筒が空になったら、水道の水を足してもいい?

足して大丈夫です。合宿の研究でも、サッカー中に汗とほぼ同じ量を飲めていた子どもたちが、練習以外の時間に水分が足りなくなっていました。空になったら補充して、休憩のたびに飲めるようにします。

Q. スポーツドリンクだけでいい?

1時間をこえる練習や暑い日はスポーツドリンクが役に立ちます。2本持たせるなら、もう1本を麦茶か水にして、口をすすいだり、ごくごく飲んだりするのに使います。

Q. 冬も同じ大きさ?

冬も汗はかきます。寒い日は温かい麦茶を保温の水筒に入れると飲みやすくなります。寒い日の飲み方は雨・寒い日・暑い日の試合の食事と水分にまとめています。

Q. 試合の日はどうする?

試合は練習の約2倍の汗をかきます。1日2試合なら、アップと待ち時間も合わせて2L以上を用意して、試合と試合の間に補充します。試合の日の食べ方は試合当日の食事と一日練習の日のお弁当と補食を参考にしてください。

Q. 中学生になったら、どのくらい?

汗の量も飲む量も、学年とともに増えます。アメリカンフットボールの夏の練習の研究では、14〜15歳が1回の練習で約1.3L、16〜17歳で約1.7Lを飲んでいました。中学生の部活なら、2L以上の水筒か、1L 2本を基本にして、長い練習の日は補充の段取りもつけておきます。中学生の食事は中学生サッカー選手の食事と献立にまとめています。

子どもへの声かけ

  • 「休憩の笛が鳴ったら、まずひと口飲もう」
  • 「1本目が空になったら、2本目と入れかえてね」
  • 「帰ってきたら水筒を見せて。どれだけ飲めたかな?」
  • 「今日はたくさん汗をかいたね。梅干しおにぎり、どうぞ」
  • 「夕ごはんのみそ汁も、汗のぶんの補給だよ」

水筒の大きさが合えば、最後まで元気に走れます。飲んで、食べて、思いきりボールを追いかけよう!

まとめ

  • 水筒の容量は「練習の時間 × 1時間に飲む量」で決める
  • 12歳前後のサッカー選手の汗は、練習で1時間に約0.65L、試合で約1.30L
  • 2時間なら1.5L、3時間なら2L、半日なら1L 2本+補充が目安
  • 練習の前後の体重のへりは2%以内に。へりが大きければ水筒を一回り大きく
  • 中身は食塩0.1〜0.2%・糖質4〜8%・5〜15℃が目安。スポーツドリンクと麦茶の2本立てが便利
  • 練習の前にコップ1〜2杯、あとはへった体重の125〜150%。梅干しおにぎりと汁物で塩分も補給

暑い日の水分と塩分は暑い日の水分と塩分、補食に使えるおにぎりはレシピ一覧から探せます。

出典

  • 「Hydration Status, Sweat Rates, and Rehydration Education of Youth Football Campers」https://cieah.ulpgc.es/?p=4609
  • Yeargin SWほか(2010)「Thermoregulatory Responses and Hydration Practices in Heat-Acclimatized Adolescents During Preseason High School Football」Journal of Athletic Training 45(2):136-146 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2838465
  • Thomas DT, Erdman KA, Burke LM(2016)Nutrition and Athletic Performance(米国栄養士会・カナダ栄養士会・米国スポーツ医学会の共同声明)
  • 日本スポーツ協会「熱中症予防5ヶ条」「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid922.html
  • 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

出典:米国栄養士会・カナダ栄養士会・米国スポーツ医学会「Nutrition and Athletic Performance」(2016)、日本スポーツ協会「熱中症予防のための運動指針」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)

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