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スポーツドリンクの選び方と飲み方:水・お茶との使い分けと、練習中に飲む量

水筒の中身、何を入れていますか? 水・お茶・スポーツドリンク、それぞれに向いている場面があります。

サッカーの練習や試合には、水分補給が欠かせません。でも「スポーツドリンクは甘すぎるのでは?」「水とお茶だけで大丈夫?」「どのくらい飲めばいいの?」と迷うことも多いと思います。

この記事では、スポーツドリンクの成分の見方、水やお茶との使い分け、練習の前・中・後の飲み方を、公的な指針の数値をもとに紹介します。

なぜ水分補給が大切なの?

運動をすると、体温が上がり、汗をかいて体温を下げようとします。汗にはたくさんの水分と塩分(ナトリウム)が含まれています。汗で失った水分と塩分を補わないと、体の動きが落ちたり、熱中症になったりする危険があります。

日本スポーツ協会の熱中症予防の指針では、運動による体重の減少を2%以内に抑えることがすすめられています。体重40kgの子なら、0.8kgまでです。共同声明では、体重1kgの減少はおよそ汗1Lにあたるとされています。

また、汗の量は人によって、また気温や運動の強さによって大きく変わります。共同声明では、汗の量は1時間あたり0.3〜2.4Lと幅があるとされています(成人の競技者の値)。

練習の前と後に体重を測ると、どのくらい汗をかいたかがわかります。日本スポーツ協会も、運動の前後と毎朝の体重測定をすすめています。

スポーツドリンクの成分の見方

日本スポーツ協会のガイドブックでは、運動中におすすめの飲み物として、次のような目安が示されています。

成分目安出典
塩分(食塩相当量)100mlあたり0.1〜0.2g(濃度0.1〜0.2%)
糖質濃度4〜8%(100mlあたり4〜8g)
温度5〜15℃

(出典:日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」)

この目安で500mlのペットボトルを考えると、塩分は0.5〜1.0g、糖質は20〜40gくらいになります(目安の濃度から計算)。

市販のスポーツドリンクを選ぶときは、ラベルの栄養成分表示で「食塩相当量」と「炭水化物(糖質)」を見てみましょう。100mlあたりの値が書かれていることが多いので、上の目安と比べると選びやすくなります。

「塩分」が入っていることが大切

汗には塩分が含まれているので、汗をたくさんかく日は、水だけでなく塩分も一緒に補給することが大切です。日本スポーツ協会の指針でも、運動中は塩分を含む飲み物を利用することがすすめられています。

「糖質」はエネルギーの補給にもなる

糖質は、運動中のエネルギー源にもなります。サッカーのように止まったり走ったりを繰り返す1〜2.5時間の運動では、1時間あたり30〜60gの炭水化物をとることが目安とされています(成人の競技者の目安)。スポーツドリンクは、水分・塩分・糖質を一度に補給できる飲み物です。

一方、45分未満の運動では運動中の炭水化物は必要ないとされています。短い練習なら、水やお茶でも十分なことがあります。

水・お茶・スポーツドリンクの使い分け

練習の長さや暑さによって、飲み物を使い分けるのがおすすめです。

場面向いている飲み物
ふだんの生活・食事のとき水・麦茶
涼しい日の1時間以内の練習水・麦茶
暑い日の練習・汗をたくさんかく日スポーツドリンク(塩分・糖質入り)
1時間を超える練習・試合スポーツドリンク
練習のあと水・麦茶・牛乳・飲むヨーグルト・スポーツドリンク(汗の量による)

(の目安をもとにした、このサイトのまとめです)

水筒を2本持っていけるなら、1本は水か麦茶、もう1本はスポーツドリンクにしておくと、場面に合わせて使い分けられます。

スポーツドリンクを水で薄めるご家庭もあると思います。薄めると塩分も薄まるので、汗をたくさんかく日は、目安の濃度(塩分100mlあたり0.1〜0.2g)に近いものを選ぶと安心です。

お茶は麦茶がおすすめ

緑茶やウーロン茶、紅茶にはカフェインが含まれています。子どもの水分補給には、カフェインを含まない麦茶や水がおすすめです。

エナジードリンクは使わない

国際オリンピック委員会(IOC)の若い競技者についての合意声明では、運動能力の向上を目的として若い選手に栄養補助食品をすすめることは適切ではない、としています。エナジードリンクもここに含まれます。名前が似ていますが、スポーツドリンクとエナジードリンクはまったく別のものです。

練習の前・中・後の飲み方

練習の前

練習が始まる前から、水分をとっておくことが大切です。UEFAの声明では、キックオフの2〜4時間前に体重1kgあたり5〜7mlの水分をとることが目安とされています(サッカーのトップ選手の目安)。体重40kgなら200〜280mlです。尿の色が薄い黄色になっていれば、水分が足りている目安になります。

  • おにぎり
  • バナナ
  • みかん

練習前の補食と一緒に、コップ1〜2杯の水分をとっておきましょう。練習前の補食については練習前の補食で紹介しています。

練習中

練習中は、のどが渇く前に、こまめに飲むのが基本です。日本スポーツ協会のガイドブックでは、のどの渇きに応じて自由に飲むことで、体重の減少を2%以内に収めることができるとされています。

  • 休憩のたびに、ひと口ずつでも飲む
  • 暑い日は10〜20分おきに休憩をとり、水分・塩分を補給する(暑さ指数28〜31℃の目安)
  • 一度にたくさん飲むより、少しずつ回数を多く

共同声明では、運動中の飲む量の目安として1時間あたり0.4〜0.8Lが示されています(成人の競技者の目安)。子どもは体が小さいので、体格や汗の量に合わせて調整しましょう。

UEFAの声明では、運動前の体重に対する水分の不足が2〜3%を超えないようにすることがすすめられています。あわせて、運動のあとに体重が運動前より増えるほどの飲みすぎにも注意とされています。

水筒はいつも手の届くところに! 休憩の合図があったら、まずひと口飲む習慣をつけよう。

ハーフタイム・試合の合間

試合では、ハーフタイムにも水分と炭水化物を補給します。UEFAの声明では、ウォーミングアップのあとと、ハーフタイムにそれぞれ30〜60gの炭水化物をとることが目安とされています(サッカーのトップ選手の目安)。スポーツドリンクに加えて、バナナやようかんなども役に立ちます。

  • 練りようかん
  • オレンジ
  • バナナ

ハーフタイムの補給について詳しくはハーフタイムの補給の記事を参考にしてください。

練習のあと

練習のあとは、失った水分をしっかり取り戻します。日本サッカー協会のガイドラインでは、失った水分量の150%を数時間かけて補給することがすすめられています。共同声明でも、運動後は失った水分の125〜150%を補給し、運動後は塩分を制限しないとされています(成人の競技者の目安)。

たとえば、練習の前後で体重が0.5kg減っていたら、0.75Lくらいを数時間かけて飲む計算です。

練習のあとは、水分だけでなく、エネルギーとたんぱく質の補給も大切です。牛乳や飲むヨーグルトは、水分・炭水化物・たんぱく質・カルシウムを一度にとれる飲み物です。日本サッカー協会のガイドラインでも、日本代表で用意している補食の例として、飲むヨーグルトやオレンジジュース、経口補水液ゼリーなどが挙げられています。

  • 飲むヨーグルト
  • オレンジ

汗の量を測ってみよう

自分の子どもがどのくらい汗をかくのかを知っておくと、飲む量の目安がわかります。

  1. 練習の前に、トイレに行ってから体重を測る
  2. 練習中に飲んだ量を記録しておく
  3. 練習のあと、汗をふいてから体重を測る
  4. 「練習前の体重−練習後の体重+飲んだ量」が、汗の量のめやす

このサイトの汗の量と水分チェックでは、体重と飲んだ量を入れると、汗の量と練習後に飲む量の目安を計算できます。

よくある質問

Q. スポーツドリンクは虫歯になりませんか?

スポーツドリンクには糖質が含まれているので、ふだんの生活でだらだら飲み続けると、虫歯の原因になることがあります。ふだんは水や麦茶、運動のときはスポーツドリンク、と使い分けましょう。飲んだあとに水で口をすすぐのもおすすめです。

Q. 経口補水液とスポーツドリンクの違いは?

経口補水液は、脱水のときの水分・塩分補給を目的にした飲み物で、スポーツドリンクより塩分が多く、糖質の濃度は低めのものが一般的です。熱中症が疑われるときや体調が悪いときに使われます。ふだんの練習では、スポーツドリンクで十分です。症状があるときは、医療機関に相談してください。

Q. 粉末のスポーツドリンクを作るときは?

袋に書いてある水の量を守って作りましょう。濃さが変わると、塩分や糖質の濃度も変わります。

Q. 冷たい飲み物はおなかを壊しませんか?

日本スポーツ協会のガイドブックでは、運動中の飲み物の温度は5〜15℃がすすめられています。冷たすぎない、ほどよく冷えた飲み物が、体を冷やすのにも役立ちます。

子どもへの声かけ

  • 「休憩のたびに、ひと口飲もうね」
  • 「今日は暑いから、スポーツドリンクも持っていこう」
  • 「練習のあと、体重どのくらい減ってた?」
  • 「おしっこの色、見てみてね」

上手な水分補給で、最後まで元気に走りきろう!

まとめ

  • スポーツドリンクは、塩分100mlあたり0.1〜0.2g・糖質4〜8%が目安
  • 短い練習は水や麦茶、暑い日や長い練習はスポーツドリンク
  • 練習の前から飲み、練習中はこまめに、練習後は失った分の125〜150%を
  • エナジードリンクは使わない
  • 体重を測って、汗の量を知っておく

暑い日の注意点は暑い日の食事と水分の記事も参考にしてください。

出典:米国栄養士会・カナダ栄養士会・米国スポーツ医学会「Nutrition and Athletic Performance」(2016)、UEFA エリートサッカーの栄養に関する専門家声明(2021)、IOC 若年競技者に関する合意声明(2015)、日本スポーツ協会「熱中症予防のための運動指針」、日本サッカー協会「JFA栄養ガイドライン」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)

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