たんぱく質は夕ごはんに集まりがち:朝ごはんと補食に「たんぱく質を1品」足して、1日4回に分けてとる

夕ごはんには肉も魚も出しているのに、「たんぱく質が足りない」って言われるのはどうして?
知恵袋に、運動部の高校生の女の子から、こんな質問が出ていました。「朝はパン、登校するときにおにぎり、2時間目のあとにパン、昼は二段弁当、部活のあとにおにぎり、そして夕食。食が細くて一度にたくさん食べられない。でも、たんぱく質が足りないと言われた」。
1日に6回も食べています。回数は十分です。よく見ると、夕食と弁当以外は、パンとおにぎりばかり。主食だけの回が4回あります。朝練のある別の学生の質問でも、朝ごはんは豆乳とゼリーとドーナツで、回答には「ゆで卵やヨーグルトを」という声がありました。
じつは、この「たんぱく質が昼と夜に集まる」形は、海外のサッカー選手の研究でもはっきり出ています。結論から言うと、ポイントは次の3つです。
- たんぱく質は、昼ごはんと夕ごはんに集まり、朝ごはんと補食で低くなりやすい
- 朝ごはんは「主食+たんぱく質1品+牛乳」で、昼や夜に近い量になる
- 補食は「おにぎり+たんぱく質1品」にして、1日4回以上に分けてとる
15歳のサッカー選手、たんぱく質は朝が昼の3分の1
ポルトガルのサッカークラブに所属する、平均15.3歳の男子サッカー選手25人の食事を、連続5日間記録した研究があります(Martinho ほか、2023年)。練習の日4日と試合の日1日です。選手は週に4回の練習と、3回の筋力トレーニングをしていました。
1日のたんぱく質は114g、体重1kgあたり1.9gで、1日の合計はしっかり食べていました。ところが、食事ごとに分けてみると、量に大きな差がありました。
| 食べた時間 | たんぱく質 |
|---|---|
| 朝食 | 12.6g |
| 午前の間食 | 9.1g |
| 昼食 | 38.6g |
| 午後の間食 | 19.0g |
| 夕食 | 34.2g |
(Martinho ほか Front Nutr 2023 より。平均体重は62.0kg)
朝食は12.6gで、昼食の38.6gの約3分の1です。昼食と夕食は、体重1kgあたり0.6gでした。寝る前の間食は、1日に0〜4人しか食べていなかったため、分析から外されています。
研究のまとめでは、たんぱく質のとり方は1日の中で「かたよっていた」と書かれ、朝食・午前の間食・寝る前の間食のたんぱく質を見直すことがすすめられています。

1日の合計が足りていても、朝と補食はたんぱく質が手薄になりがち。合計と「分け方」の両方を見よう!
1回の目安は「体重1kgあたり約0.4g」を4回
この研究の序論では、たんぱく質を1食あたり体重1kgあたり0.40〜0.55gを、4回以上に分けてとることがすすめられています。下限の0.40gで計算すると、1回の目安は次のとおりです。
| 体重 | 1回の目安(0.40g/kg) | 4回で |
|---|---|---|
| 30kg | 12g | 48g |
| 40kg | 16g | 64g |
| 50kg | 20g | 80g |
(研究の序論の値をもとに計算)
体重40kgの子なら、1回16gが目安です。昼の給食や弁当、夕ごはんの肉や魚のおかずは、この量にすぐ届きます。足りなくなりやすいのは、朝ごはんと補食です。
主食だけだと、たんぱく質は何gになる?
朝ごはんや補食によく出る主食のたんぱく質を、日本食品標準成分表で計算しました。
| 食べもの | 量 | たんぱく質 |
|---|---|---|
| ごはん | 茶わん1杯 150g | 3.8g |
| おにぎり | 1個 100g | 2.7g |
| 食パン | 6枚切り1枚 60g | 5.3g |
| バナナ | 1本 100g | 1.1g |
(日本食品標準成分表より計算)
おにぎりやパンは、練習のエネルギーになる大切な主食です。ただ、たんぱく質は1個で3〜5gほど。主食だけの朝ごはんや補食だと、1回の目安の16gには届きません。そこで、主食はそのままに、たんぱく質を1品足すのがいちばん手軽です。
足しやすい「たんぱく質1品」
朝ごはんや補食に足しやすい食べものを、日本食品標準成分表で計算しました。
| たんぱく質1品 | 量 | たんぱく質 | エネルギー |
|---|---|---|---|
| 卵 | 1個 50g | 6.1g | 71kcal |
| 納豆 | 1パック 40g | 6.6g | 74kcal |
| 牛乳 | コップ1杯 200g | 6.6g | 122kcal |
| 豆乳 | コップ1杯 200g | 7.2g | 86kcal |
| ヨーグルト(無糖) | 1カップ 100g | 3.6g | 56kcal |
| プロセスチーズ | 1切れ 20g | 4.5g | 63kcal |
| ちくわ | 1本 30g | 4.0g | 32kcal |
| 鮭 | 1切れ 80g | 17.8g | 99kcal |
| ツナ缶(油漬・ライト) | 1缶 70g | 12.4g | 186kcal |
| 木綿豆腐 | 100g | 7.0g | 73kcal |
(日本食品標準成分表より計算。鮭は生の値)
卵
納豆
牛乳
チーズ
ちくわ
鮭
卵・納豆・牛乳は、どれも1品で6g以上。冷蔵庫にいつもある食べものばかりです。
朝ごはん:主食+たんぱく質1品+牛乳で、昼に近い量に
朝ごはんは、主食にたんぱく質を1品と、牛乳1杯を合わせると、1回の目安に届きます。
| 朝ごはんの組み合わせ | たんぱく質 |
|---|---|
| ごはん150g+卵1個(卵焼き・目玉焼き)+牛乳200g | 16.5g |
| ごはん150g+納豆1パック+牛乳200g | 17.0g |
| 食パン60g+チーズ1切れ(チーズトースト)+牛乳200g | 16.5g |
| 食パン60g+卵1個+ヨーグルト100g | 15.0g |
(日本食品標準成分表より計算)
研究の選手の朝食は12.6gでした。どの組み合わせも、それより多くなります。牛乳が苦手な子は、豆乳やヨーグルトに置きかえましょう。牛乳にきな粉を5g入れると、たんぱく質が1.8g増えます。
ごはん
食パン
ヨーグルト
豆乳
きな粉
忙しい朝は、前の晩にゆで卵を作っておくのがおすすめです。殻をむいて冷蔵庫に入れておけば、朝は出すだけ。卵焼きも、夕ごはんの支度のついでに多めに焼いておけば、朝のおかずになります。朝ごはんの形は、サッカー少年・少女の朝ごはんの記事でも紹介しています。
補食:おにぎりに「たんぱく質1品」を組み合わせる
補食は、練習の前のエネルギーと、練習のあとの回復の両方を受けもちます。主食のおにぎりをしっかり食べたうえで、たんぱく質を1品組み合わせましょう。
| 補食の組み合わせ | たんぱく質 | エネルギー |
|---|---|---|
| おにぎり1個+牛乳200g | 9.3g | 292kcal |
| おにぎり1個+ちくわ1本 | 6.7g | 202kcal |
| おにぎり1個+チーズ1切れ | 7.2g | 233kcal |
| 鮭おにぎり(おにぎり100g+鮭20g) | 7.2g | 195kcal |
| バナナ1本+ヨーグルト100g | 4.7g | 149kcal |
(日本食品標準成分表より計算。鮭は生の値)
研究の選手の午前の間食は9.1gでした。おにぎりと牛乳の組み合わせで、ほぼ同じ量になります。
練習の前の補食は、消化のよいおにぎりやバナナを中心にします。練習のあと、夕ごはんまで時間があく日は、おにぎりに牛乳やちくわ、チーズを足すと、たんぱく質も一緒にとれます。補食の基本は、補食ってなに?の記事へ。練習の前に何時間前に食べるかは、練習前の補食の記事で紹介しています。
おにぎり
バナナ
ツナ缶

おにぎりの具を鮭やツナにするだけでも、たんぱく質1品分のプラスになるよ!
1日の例(体重40kg・平日に練習がある日)
1日のたんぱく質を、4回以上に分けた例です。
| 時間 | 食べるもの | たんぱく質 |
|---|---|---|
| 朝 | ごはん150g・納豆1パック・牛乳200g・みそ汁 | 約17g(みそ汁を除く) |
| 昼 | 給食(または弁当) | 肉や魚のおかずで目安に届く |
| 練習の前 | おにぎり1個 | 約3g |
| 練習のあと | 牛乳200g・チーズ1切れ | 約11g |
| 夕 | ごはん・焼き鮭1切れ・豆腐のみそ汁・野菜のおかず | 約25g |
(朝・補食・夕は日本食品標準成分表より計算。夕はごはん150g・鮭80g・木綿豆腐50gで計算)
夕ごはんの量はいつもどおり。朝と練習のあとに1品ずつ足すだけで、たんぱく質が1日の中で4回以上に分かれます。

寝る前の牛乳1杯もひとつの方法
研究では、寝る前の間食を食べていた選手は1日に0〜4人だけでした。著者は、寝る前にたんぱく質をとる間食をすすめています。夕ごはんが早い日や、夜にお腹がすく子には、牛乳1杯(6.6g)やヨーグルトがちょうどよい1品です。夜遅い練習の日の食べ方は、夜遅い練習の日の夕食の記事で紹介しています。
よくある質問
Q. 夕ごはんにたっぷり肉を出せば、朝はパンだけでも同じでは?
A. 研究の選手も、1日の合計は1.9g/kgとしっかり食べていました。それでも著者は、朝食と間食のたんぱく質を見直すようにすすめています。夕ごはんの量はそのままに、朝に卵か納豆を1品足しましょう。
Q. 食が細くて、朝にたくさん食べられません。
A. 牛乳や豆乳なら、飲むだけで6〜7gとれます。ゆで卵1個を手に持たせる、チーズを1切れつまむ、のように、かさの小さい1品から始めましょう。食が細い子の工夫は、食が細い子の食べる量を増やすコツの記事でも紹介しています。
Q. プロテインを飲ませたほうが早いですか?
A. 卵・納豆・牛乳の1品で、朝も補食も目安に近づきます。食事でとる方法は、子どもにプロテインは必要?の記事へ。
Q. 補食にチーズやちくわを持たせて大丈夫?
A. 暑い時期は、保冷剤と保冷バッグに入れて持たせましょう。夏の持たせ方は、夏の補食の記事で紹介しています。
Q. 小学生でも同じ考え方でいい?
A. 同じです。体重30kgの子なら1回12gが目安。ごはん150gに卵1個と牛乳200gで16.5gなので、小学生の朝ごはんにも十分です。
子どもへの声かけ
- 「おにぎりと一緒に、牛乳も飲んでいこうか」
- 「ゆで卵、作っておいたよ。朝ごはんにどうぞ」
- 「今日の補食はおにぎりとチーズ。どっちから食べる?」
- 「おにぎりの具、鮭とツナならどっちがいい?」
- 「朝ごはん、しっかり食べられたね」

主食はそのまま、たんぱく質を1品プラス。朝も補食も、おいしく食べて練習に行こう!
まとめ
- 平均15.3歳のサッカー選手の研究では、たんぱく質は朝食12.6g・午前の間食9.1g、昼食38.6g・夕食34.2gで、昼と夜に集まっていた
- 研究の序論では、1食あたり体重1kgあたり0.40〜0.55gを4回以上、がすすめられている(体重40kgなら1回16g)
- おにぎりやパンは1個で3〜5g。主食はそのままに、たんぱく質を1品足す
- 朝ごはんは「主食+卵か納豆+牛乳」で約16〜17g
- 補食は「おにぎり+牛乳・チーズ・ちくわ」、具を鮭やツナにするのも手軽
- 寝る前の牛乳1杯も、たんぱく質をとるひとつの機会
出典
- Martinho DV ほか. Dietary intakes and daily distribution patterns of macronutrients in youth soccer players. Frontiers in Nutrition. 2023;10. doi:10.3389/fnut.2023.1134845 https://www.frontiersin.org/journals/nutrition/articles/10.3389/fnut.2023.1134845/full
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」 こめ 精白米 めし 01088・おにぎり 01111・角形食パン 01026・鶏卵 全卵 生 12004・糸引き納豆 04046・普通牛乳 13003・ヨーグルト 全脂無糖 13025・プロセスチーズ 13040・しろさけ 生 10134・焼き竹輪 10381・まぐろ缶詰 油漬 フレーク ライト 10263・豆乳 04052・木綿豆腐 04032・きな粉 黄大豆 全粒大豆 04029・バナナ 生 07107
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)
