雨・寒い日・暑い日の試合の食事と水分

「真夏の炎天下の試合」「冬の朝、霜の降りたグラウンド」「一日中雨の大会」。サッカーは、天気を選べない競技ですよね。
サッカーは屋外の競技で、多少の雨や寒さでも試合が行われます。天気によって、体の中で起きることが変わるので、食事と水分のとり方も少し変えると、いつも通りに走れます。
この記事では、暑い日・寒い日・雨の日の3つに分けて、試合の日の食べ方と飲み方を紹介します。
どの天気でも変わらない基本
まず、天気に関係なく、試合の日の基本は同じです。
- キックオフの3〜4時間前に、主食を中心にした食事
- キックオフの2〜4時間前に、体重1kgあたり5〜7mlの水分。体重40kgなら200〜280ml
- ウォーミングアップのあとと、ハーフタイムに炭水化物をひと口
- 試合のあとは、なるべく早く炭水化物・たんぱく質・水分
そのうえで、天気に合わせて「ここを足す」というポイントを見ていきましょう。

基本はいつもと同じ。そこに、暑い日は「水と塩」、寒い日は「温かさ」、雨の日は「着がえと温かい補食」を足します!
暑い日の試合
暑さ指数(WBGT)で判断する
暑い日の運動は、気温だけでなく、湿度や日差しも合わせた暑さ指数(WBGT)で判断します。日本スポーツ協会の熱中症予防運動指針では、次のように示されています。
| 暑さ指数(WBGT) | 段階 | 運動のめやす |
|---|---|---|
| 31℃以上 | 運動は原則中止 | 特別の場合以外は中止。特に子どもは中止 |
| 28〜31℃ | 厳重警戒 | 激しい運動は中止。10〜20分おきに休憩をとり、水分・塩分を補給 |
| 25〜28℃ | 警戒 | 積極的に休憩。激しい運動では30分おきくらいに休憩 |
| 21〜25℃ | 注意 | 運動の合間に積極的に水分・塩分を補給 |
| 21℃未満 | ほぼ安全 | 適宜、水分・塩分を補給 |
(出典:日本スポーツ協会 熱中症予防のための運動指針)
暑さ指数は、環境省の熱中症予防情報サイトや天気予報で確かめられます。チームの判断と合わせて、試合の日の朝に確認しておきましょう。
飲み物は「塩分」と「糖質」と「温度」
日本スポーツ協会では、運動中の飲み物について次の目安を示しています。
| ポイント | 目安 |
|---|---|
| 塩分 | 0.1〜0.2%(食塩相当量で100mlあたり0.1〜0.2g) |
| 糖質 | 4〜8%(エネルギーの補給も考えて) |
| 温度 | 5〜15℃ |
(出典:日本スポーツ協会)
スポーツドリンクは、この目安に近いものが多い飲み物です。水筒に氷を入れて冷やしておくと、温度の目安にも合います。
体重の2%を目安に
運動による体重の減少は、2%以内に抑えるのが目安です。体重40kgなら0.8kgです。のどの渇きに合わせて自由に飲めば、体重の減少は2%以内に収まるとされています。UEFAの声明でも、試合中の水分不足を体重の2〜3%を超えないようにすることがすすめられています。
試合の前後に体重を測ると、どれだけ汗をかいたかがわかります。試合のあとは、減った体重の150%の水分を、数時間かけてとりましょう。体重が0.6kg減っていたら、900mlが目安です。
| 体重 | 2%にあたる重さ |
|---|---|
| 30kg | 0.6kg |
| 35kg | 0.7kg |
| 40kg | 0.8kg |
| 45kg | 0.9kg |
(の2%で計算)
急に暑くなった日は特に気をつける
日本スポーツ協会では、急に暑くなったときは、数日間は軽く短い運動から少しずつ体を慣らすことをすすめています。夏の初めや、合宿・遠征の初日は、いつも以上に休憩と水分をこまめにとりましょう。
暑い日の食事
- 朝ごはんをしっかり:朝ごはんは、水分と塩分をとる大事な機会です。みそ汁やスープを添えましょう
- 冷たいめん類もOK:食欲が落ちる日は、冷やしうどんやそうめんに、肉や卵をのせて
- 果物で水分も:オレンジやすいかは、水分と炭水化物を一緒にとれます
- お弁当は冷やす:保冷剤と保冷バッグを使い、作ってから時間のたった料理は避けます
うどん
オレンジ
おにぎり
暑い日の水分のとり方は暑い日の練習と水分やスポーツドリンクの選び方でもくわしく紹介しています。
寒い日の試合
寒い日に体の中で起きること
寒い日は、体温を保つために体がエネルギーを使います。筋肉も冷えると、動き出しが重くなります。また、汗をかいている実感がないので、のどが渇きにくく、水分をとるのを忘れがちです。でも、厚着でウォーミングアップをすると、冬でも汗はしっかりかいています。
寒い日の食べ方・飲み方
- 朝ごはんに温かい料理:みそ汁、スープ、うどん、雑炊などで、体を内側から温めます
- 水筒に温かい飲み物:温かいお茶、白湯、ホットの麦茶など、温かい飲み物を用意すると、寒い日でも飲みやすくなります
- ハーフタイムにも温かいひと口:温かい飲み物と、バナナやカステラなどの炭水化物
- 試合のあとは温かい補食:おにぎりと温かいスープ、温かい牛乳など
かぼちゃ
さつまいも
牛乳
寒い日におすすめの料理
| 場面 | 料理 |
|---|---|
| 朝ごはん | 煮込みうどん、雑炊、豆腐とさつまいものみそ汁、ごはん |
| お弁当 | おにぎりと、保温ポットに入れた具だくさんのスープ |
| 試合のあと | 温かい牛乳、肉まん、おにぎりと豚汁 |
| 夕ごはん | 鍋料理(鶏肉・豆腐・野菜・しめのうどん)、かぼちゃのシチュー |
(このサイトのまとめです)
鍋料理は、主食・主菜・副菜を一度にとれて、体も温まる、冬の大会の日にぴったりの夕食です。

冬の試合の朝は、具だくさんの煮込みうどん。温かくて、炭水化物もたっぷり!
雨の日の試合
雨の日に体の中で起きること
雨にぬれると、体の熱がうばわれて、体が冷えやすくなります。特に、風があると冷えは強くなります。暑い季節の雨は、むし暑さで汗をかきやすくなります。季節に合わせて、暑い日・寒い日のポイントを組み合わせましょう。
雨の日の準備
- 着がえとタオルを多めに:ハーフタイムに着がえられると、体の冷えを防げます
- 補食はぬれない袋に:おにぎりやカステラは、ふた付きの容器やジッパー付きの袋に
- 温かい飲み物も:寒い季節の雨の日は、保温ポットに温かい飲み物を
- 水分も忘れずに:雨の日でも、汗はかいています。のどの渇きに合わせて飲みましょう
雨の日の試合のあと
試合のあとは、まず着がえて体をふき、温かいものを口にしましょう。体が温まると、食欲も戻ってきます。帰ったらすぐにお風呂で体を温め、主食をしっかりとる夕食で、使った燃料を補充します。
天気が急に変わる日の備え
春や秋の大会では、朝は寒く、昼は暑い、という日もよくあります。午後から雨が降り出すこともあります。そんな日は、冷たい飲み物と温かい飲み物の両方を持っていくと安心です。水筒を2本用意して、1本はスポーツドリンクを冷やし、もう1本には温かいお茶を入れておくと、天気がどちらに変わっても対応できます。
補食も、常温で持ち歩けるおにぎり、バナナ、カステラを中心にすると、暑い日にも寒い日にも使えます。上着や着がえは、薄手のものを重ねて持っていくと、気温に合わせて調整しやすくなります。
天気別の持ち物チェック
| 持ち物 | 暑い日 | 寒い日 | 雨の日 |
|---|---|---|---|
| 冷たい飲み物(スポーツドリンク・水・麦茶) | ◎ | ○ | ○ |
| 温かい飲み物(保温ポット) | ― | ◎ | ◎(寒い季節) |
| おにぎり・バナナ・カステラ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 保冷剤・保冷バッグ | ◎ | ― | ○(暑い季節) |
| 着がえ・タオル | ◎ | ○ | ◎ |
| 体重計(試合の前後に測る) | ◎ | ○ | ○ |
(このサイトのまとめです)
バナナ
カステラ
鶏むね肉
よくある質問
Q. 暑い日は、水だけでもいい?
短い練習なら水や麦茶でも大丈夫です。汗をたくさんかく試合や練習では、塩分(0.1〜0.2%)と糖質(4〜8%)が入った飲み物が目安です。お弁当の梅干しやみそ汁でも塩分をとれます。
Q. 寒い日も、スポーツドリンクがいい?
寒い日は、温かいお茶や白湯でも大丈夫です。試合中のエネルギー補給には、バナナやカステラなどの補食を組み合わせましょう。スポーツドリンクを少し温めて飲むのもひとつの方法です。
Q. 暑くて食欲がありません
冷たいめん類、果物、ヨーグルト、冷ややっこなど、のどを通りやすいものから始めましょう。夏の食欲がないときの食事の記事も参考にしてください。
Q. 冬は汗をかかないので、水分はいらない?
冬でも、ウォーミングアップや試合で汗はかいています。試合の前後に体重を測ると、冬でも体重が減っていることがわかります。のどの渇きに合わせて、こまめに飲みましょう。
Q. 雨の日はお弁当が冷えてしまいます
寒い季節は、保温ポットや保温できるお弁当箱を使うと、温かいスープやおかずを持っていけます。おにぎりは常温でもおいしく食べられる、頼れる補食です。
子どもへの声かけ
- 「今日は暑いから、休憩のたびにひと口飲もうね」
- 「寒いね。温かいお茶、ハーフタイムに飲んでね」
- 「雨にぬれたら、まず着がえて、それからおにぎり!」

晴れでも雨でも、暑くても寒くても、準備ができていれば全力で走れるよ!
まとめ
- どの天気でも、主食中心の食事と、試合前の水分・ハーフタイムの炭水化物が基本
- 暑い日は暑さ指数(WBGT)で判断。31℃以上は運動を原則中止
- 暑い日の飲み物は、塩分0.1〜0.2%・糖質4〜8%・5〜15℃が目安
- 寒い日は、温かい料理と温かい飲み物。冬でも汗はかいている
- 雨の日は、着がえと、ぬれない補食、季節に合わせた飲み物
汗の量は汗の量と水分チェックで確かめられます。走りを支えるレシピは走り負けないレシピにまとめています。
出典:UEFA エリートサッカーの栄養に関する専門家声明(2021)、日本スポーツ協会「熱中症予防のための運動指針」、日本サッカー協会「JFA栄養ガイドライン」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)
