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成長と体・約9分

牛乳でお腹がゴロゴロする子のサッカーごはん:乳糖の量で選ぶ、ヨーグルト・チーズ・飲む時刻の工夫でカルシウムをしっかりとる

練習のあとに牛乳をゴクゴク……のはずが、うちの子は飲むとお腹がゴロゴロ。骨のために牛乳を飲ませたいのに、どうしよう?

知恵袋には、「骨を太くしたいけれど、牛乳を飲むとお腹が痛くなる。サッカーを毎日していた」という質問があります。ほかにも、サッカーをしている中学生の「最近よくお腹をこわす。牛乳のアレルギー?」という質問や、「牛乳でお腹をこわしやすいので、サッカーの前後に飲むものを変えたい」という質問が出ています。

牛乳でお腹がゴロゴロするのは、多くの場合、牛乳に入っている乳糖(にゅうとう)という糖が原因です。ここがわかると、やることはとてもシンプルになります。

  • 乳糖がほとんどないチーズ、乳糖の消化を助ける菌が入ったヨーグルトで、乳製品のカルシウムをしっかりとる
  • 牛乳は1回に飲む量を分けて、1日の乳糖の合計で考える
  • 試合や練習の直前は牛乳を避け、運動のあとや夕ごはんにまわす

お腹がゴロゴロするのは「乳糖」のせい

MSDマニュアル家庭版では、乳糖不耐症を「消化酵素のラクターゼの欠乏により乳糖が消化できない状態」と説明しています。

項目MSDマニュアル家庭版の説明(要約)
起こること下痢、腹部のけいれん痛
出るまでの時間乳糖を含む食事のあと30分から2時間で、急な便意
どれくらいで出るか大人では、ふつう250〜375ml以上の牛乳を飲んだとき
牛乳アレルギーとのちがい牛乳アレルギーは免疫の反応で、乳糖不耐症とは別のもの

(MSDマニュアル家庭版「乳糖不耐症」より)

ここで大事なのは、牛乳アレルギーとは別ものだということです。牛乳アレルギーの子は、乳の成分そのものを食べられません。乳糖不耐症は、乳糖の量しだい。乳糖がほとんど入っていない乳製品なら、おいしく食べられます。牛乳アレルギーの子のごはんは、牛乳アレルギーの子のサッカーごはんの記事で紹介しています。

国際酪農連盟(IDF)のファクトシートでは、乳糖不耐症の人が1日15gをこえて乳糖をとると症状が出る可能性があるとされています。目安は「1日の乳糖の合計」です。

カギは「乳糖の量」! 乳糖がほとんどない乳製品なら、カルシウムはしっかりとれるよ!

乳製品の「乳糖」をくらべてみよう

日本食品標準成分表には、食品ごとの乳糖の量がのっています。カルシウムといっしょに見てみましょう。

食品量乳糖カルシウム
牛乳コップ1杯 200g約8.8g約220mg
牛乳コップ半分 100g約4.4g約110mg
ヨーグルト(無糖)100g約2.9g約120mg
プロセスチーズ20g0g約126mg
チェダーチーズ20g約0.02g約148mg

(日本食品標準成分表の100gあたりの値から計算)

プロセスチーズは乳糖が0g。それでいて、20gでカルシウムが約126mg、牛乳コップ半分より多いくらいです。IDFのファクトシートでも、チーズを作るときに牛乳の乳糖のほとんどがホエイ(乳清)といっしょに取りのぞかれると説明されています。MSDマニュアル家庭版にも、チーズの乳糖は牛乳とくらべてわずかで、多くの場合は食べられるとあります。

ヨーグルトはどうでしょう。IDFのファクトシートによると、ヨーグルトを作る菌は乳糖を分解する酵素(βガラクトシダーゼ)を作り、この酵素が食べたあとも働いて、乳糖の消化を助けます。MSDマニュアル家庭版にも、ヨーグルトは多くの場合食べられるとあります。

  • プロセスチーズ
  • チェダーチーズ
  • ヨーグルト
  • 牛乳

1日の組み合わせ例:乳糖はほどほど、カルシウムはたっぷり

同じ「乳製品」でも、組み合わせを変えると、乳糖の合計がぐっと変わります。

組み合わせ乳糖の合計カルシウムの合計
牛乳コップ2杯(400g)約17.6g約440mg
牛乳コップ1杯(200g)+プロセスチーズ20g+ヨーグルト100g約11.7g約466mg
牛乳コップ半分(100g)+プロセスチーズ20g+ヨーグルト100g約7.3g約356mg

(日本食品標準成分表の100gあたりの値から計算)

牛乳コップ2杯だと、乳糖はIDFの「1日15g」をこえます。ところが、牛乳1杯をチーズとヨーグルトに置きかえると、乳糖は約11.7gに、カルシウムは約466mgに。牛乳2杯よりカルシウムが多くなります。

時間帯おすすめの乳製品
朝ごはんチーズトースト、オムレツにチーズ
お弁当・補食個包装のプロセスチーズ
練習のあとヨーグルト+バナナ
夕ごはん牛乳コップ半分、グラタンやシチューにチーズ

チーズとヨーグルトのくわしい食べ方は、チーズは毎日食べていい?の記事とヨーグルトは毎日食べていい?の記事で紹介しています。

練習から帰ってきたサッカー少年が、ヨーグルトにバナナをのせたカップと、個包装のチーズを手に、にっこり笑っている!
練習から帰ってきたサッカー少年が、ヨーグルトにバナナをのせたカップと、個包装のチーズを手に、にっこり笑っている!

試合の日は「牛乳はあとで」

MSDマニュアル家庭版では、乳糖を含む食事のあと30分から2時間で急な便意が出ることがあるとされています。ちょうど、試合前の補食を食べる時間帯と重なります。

そこで、牛乳でお腹がゴロゴロする子は、試合の日は次の順番にしましょう。

タイミング食べるもの
朝ごはんごはん・卵・みそ汁。乳製品はチーズで
試合の2〜3時間前おにぎり・バナナ・うどん
ハーフタイム水・お茶・スポーツドリンク
試合のあとヨーグルト、チーズ、おにぎり
夕ごはん牛乳、シチュー、主食・主菜・副菜のそろった献立

牛乳は、試合が終わって家に帰ってからの「ごほうびの1杯」に。お腹を気にせずに試合に集中できます。試合当日の時間の組み方は、試合当日の食事:何時間前に何を食べる?の記事で紹介しています。

試合の前はチーズとおにぎり! 牛乳は帰ってからのお楽しみにしよう!

牛乳以外のカルシウムも、毎日のおかずに

乳製品にくわえて、ふだんのおかずからもカルシウムがとれます。

食品量カルシウム
煮干し5g約110mg
こまつな(生)70g約119mg
木綿豆腐100g約93mg
しらす干し10g約28mg
豆乳200g約30mg

(日本食品標準成分表の100gあたりの値から計算)

知恵袋の回答にも「小魚」「ヨーグルト」がありました。煮干し5gで約110mg、牛乳コップ半分と同じくらいです。みそ汁のだしに使った煮干しをそのまま食べたり、ふりかけにしたりすると、手軽にとれます。こまつなは、みそ汁やおひたしで。

豆乳は乳糖が0gですが、カルシウムは200gで約30mg。牛乳コップ1杯の約220mgとはずいぶん差があります。豆乳を飲むなら、カルシウムはチーズや小魚、こまつなでたっぷり足しましょう。乳製品以外でのカルシウムのとり方は、牛乳が嫌いな子も安心!牛乳以外でカルシウムをとる記事でくわしく紹介しています。

  • 煮干し
  • こまつな
  • 木綿豆腐
  • しらす干し
  • 豆乳

乳糖を分解した牛乳もある

IDFのファクトシートでは、乳糖を分解して「乳糖フリー」(乳糖0.1%未満)にした乳製品が作られていると説明されています。MSDマニュアル家庭版にも、乳糖を抑えた牛乳などの製品が多くのスーパーで手に入るとあります。

牛乳の味が大好きな子は、こうした牛乳をえらぶと、コップ1杯をゴクゴク飲めます。スーパーの牛乳売り場で、パッケージに「乳糖」と書かれたものを探してみましょう。

よくある質問

Q. 牛乳アレルギーなのか、乳糖のせいなのか、わかりません。

A. MSDマニュアル家庭版では、牛乳アレルギーは免疫の反応で、乳糖不耐症とは別のものとされています。アレルギーの判定は正確さが大事なので、小児科で受けましょう。お腹のゴロゴロだけなら、まずはチーズとヨーグルトに置きかえて、様子を見てみましょう。

Q. 給食の牛乳はどうしたらいい?

A. 給食の牛乳が200gなら、乳糖は約8.8gです。その日の朝と夕ごはんの乳製品をチーズやヨーグルトにすると、1日の合計がIDFの15gをこえません。

Q. 牛乳の味が好きで、たくさん飲みたがります。

A. 1日の乳糖の合計で考えましょう。朝・夕ごはんにコップ半分ずつ(合わせて乳糖約8.8g)にして、ほかの乳製品をチーズにすれば、IDFの15gをこえません。乳糖を抑えた牛乳なら、コップ1杯をそのまま楽しめます。

Q. シチューやグラタンの牛乳も気にしたほうがいい?

A. 料理に使う牛乳は、家族で分けるので1人分はぐっと小さくなります。たとえば4人分のシチューに牛乳200gを使うと、1人分は50g、乳糖は約2.2gです。チーズをのせたグラタンやシチューは、カルシウムもとれる冬の練習の日のおすすめメニュー。具に鶏肉やじゃがいも、にんじん、ブロッコリーを入れると、主菜と副菜がいっぺんにそろいます。

Q. 練習のあとの補食は何がいい?

A. ヨーグルト+バナナ、チーズ+おにぎりがおすすめです。どちらも、エネルギーとたんぱく質、カルシウムがいっしょにとれます。

Q. カルシウムのサプリメントは必要?

A. 必要ありません。チーズ20gで約126mg、ヨーグルト100gで約120mg、煮干し5gで約110mg。食事でしっかりとれます。骨づくりのくわしい話は、成長期の骨づくりの記事へ。

子どもへの声かけ

  • 「お腹がゴロゴロするのは乳糖のせい。チーズなら乳糖ゼロだよ」
  • 「ヨーグルトの菌が、乳糖を分解するのを手伝ってくれるんだって」
  • 「試合の前はおにぎりとチーズ。牛乳は帰ってからね」
  • 「煮干しをポリポリ。牛乳コップ半分と同じカルシウム!」
  • 「骨はちゃんと育つよ。食べ方を変えるだけ」
  • 「シチューやグラタンなら、牛乳もチーズもいっしょに食べられるね」
  • 「練習のあとは、ヨーグルトにバナナをのせて、がんばった体にごほうび」

まとめ

  • 牛乳でお腹がゴロゴロするのは、多くの場合、乳糖が消化しきれないため。牛乳アレルギーとは別もの
  • IDFのファクトシートでは、乳糖不耐症の人は1日15gをこえると症状が出る可能性
  • 牛乳200gの乳糖は約8.8g。プロセスチーズは0g、ヨーグルト100gは約2.9g
  • 牛乳1杯+チーズ20g+ヨーグルト100gで、乳糖約11.7g、カルシウム約466mg。牛乳2杯よりカルシウムが多い
  • 試合の日は、牛乳を試合のあとや夕ごはんにまわす(食後30分から2時間で便意が出ることがあるため)
  • 煮干し・こまつな・豆腐でもカルシウムを足す。乳糖を分解した牛乳もスーパーで手に入る

出典

  • MSDマニュアル家庭版「乳糖不耐症」(執筆 Zubair Malik, MD、2025年3月、最終更新2025年4月) https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/03-消化器系の病気/吸収不良/乳糖不耐症
  • IDFファクトシート 010/2019「乳糖:その技術的側面と利用」(Jミルク訳) https://www.j-milk.jp/jidf/wp-content/uploads/2020/07/J-Factsheet-010_2019-Lactose.pdf
  • 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」および炭水化物成分表 普通牛乳 13003・ヨーグルト 全脂無糖 13025・プロセスチーズ 13040・チェダー 13037・木綿豆腐 04032・こまつな 生 06086・しらす干し 微乾燥品 10055・かたくちいわし 煮干し 10045・豆乳 04052

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)

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