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家庭の段取り・約9分

牛乳アレルギーの子のサッカーごはん:乳なしでカルシウムをとる食べ方と、試合の日の補食・お弁当の選び方

うちの子は牛乳アレルギー。牛乳もヨーグルトもチーズもだめだけど、サッカーで体を作るのに大丈夫かな?

知恵袋に、こんな質問があります。「乳製品アレルギーの息子が3歳からサッカーを続けていて、いま小学4年生。強いクラブチームに入りたくて体験に行ったら、合宿や遠征が多いので、アレルギーの子は受け入れられないと言われた」。ほかにも、「乳製品アレルギーの子がいる家に遊びに行くとき、どんなおやつを持っていけばいい?」「乳アレルギーの子のおやつ、カルシウムせんべい以外に何がある?」という質問が並びます。

牛乳・乳製品が食べられなくても、サッカーに必要な栄養はきちんとそろえられます。この記事では、医師から牛乳の除去を指示されている子のために、毎日のごはんと試合の日の食べ方をまとめました。結論は次の3つです。

  • 主食・主菜・副菜をそろえれば、乳なしでも栄養はそろう。カルシウムだけは、ほかの食品で毎日足す
  • 補食は「原材料欄に乳の表記がないか」を見て選ぶ。パン・チョコ・ハムやウインナーには乳が入っていることが多い
  • 合宿・遠征・差し入れは、表示のない料理があることを前提に、家から持たせるものを決めておく

除去の範囲(どこまで食べてよいか)は、子どもによって違います。この記事は「主治医から指示された範囲で乳を除く」ときの食べ方の話です。

乳なしでも、栄養はそろう

「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2022」には、こう書かれています。除去する食べ物があっても、主食(ごはん・パン・麺)、主菜(肉・魚・大豆製品)、副菜(野菜・いも・きのこ・果物)のバランスを考えて、いろいろな食品を取り入れた食事をすれば、栄養状態の悪化は防げる。

そのうえで、牛乳アレルギーではカルシウムが不足しがちになるので、牛乳以外のカルシウムの多い食品から補うことがすすめられています。つまり、気をつけるのは「カルシウム」の1点です。

ほかにも、手引きにはこんなことが書かれています。

手引きに書かれていることポイント
牛肉は、牛乳とアレルゲンが違う基本的に除去する必要はない。焼肉や牛丼もメニューに入れられる
やぎ乳・羊乳は、牛乳と強い交差抗原性がある牛乳の代わりには使えない
豆乳は、牛乳と比べてカルシウムが少なめ牛乳の代わりに飲むなら、カルシウムはほかの食品でも足す
豆乳で作ったヨーグルトやアイス、ホイップクリームが市販されている乳製品の代わりのおやつに使える

牛乳がだめでも、牛肉は基本的にOK。主菜のレパートリーは、ほかの子と同じように広げられるよ!

カルシウム「牛乳コップ半分」分を、ほかの食品で

手引きでは、普通牛乳100mL(コップ半分)に入っているカルシウム110mgと同じくらいをとれる食品の目安が紹介されています。

食品牛乳100mL分(カルシウム110mg)の目安(手引きより)
木綿豆腐1/3丁(120g)
しらす干し(半乾燥)大さじ4(20g)
干しひじき大さじ1〜2(10g)
切干大根(乾)小鉢1/2皿(20g)
ごま大さじ1(10g)
小松菜(ゆで)2株(75g)
調整豆乳コップ2杯弱(360mL)
さくらえび(素干し)大さじ1〜2(5g)

日本食品標準成分表で計算すると、木綿豆腐120gでカルシウム約112mg、しらす干し20gで約104mg、ごま10gで約120mg、切干大根20gで約100mg。手引きの目安どおりです。

1日のどこかで、この表から2〜3品を入れるのがコツです。たとえば「朝は豆腐の味噌汁、お弁当にしらすの卵焼き、夜はひじきの煮物とごまあえ」。1品ずつなら、むずかしくありません。

  • 木綿豆腐
  • しらす干し
  • ひじき
  • ごま
  • 切干大根
  • 小松菜
  • さくらえび
  • 調製豆乳

牛乳以外でカルシウムをとるおかずは、牛乳以外でカルシウムをとる記事でもくわしく紹介しています。骨づくり全体の話は成長期の骨づくりの記事へ。

乳なしの「試合の日の朝ごはん」

牛乳を使わない、試合の日の朝ごはんの例を、日本食品標準成分表で計算しました。

乳なしの朝ごはんエネルギーたんぱく質炭水化物カルシウム
ごはん200g・しろさけ60g・卵50g・木綿豆腐100g(味噌汁)・小松菜 ゆで75g・バナナ1本(100g)約634kcal約33.8g約100.7g約249mg

(日本食品標準成分表の100gあたりの値から計算。味つけの分はふくみません)

牛乳がなくても、豆腐の味噌汁と小松菜のおひたしで、カルシウムは約249mg。ごはん200gとバナナで、炭水化物もしっかりとれます。味噌汁にしらすを足したり、おひたしにごまをふったりすれば、さらにカルシウムが増えます。

  • ごはん
  • しろさけ
  • 卵
  • バナナ

試合の日の朝ごはんを何時に食べるかは、試合当日の食事の記事を見てください。

補食は「原材料欄」で選ぶ

練習前や試合の合間の補食で、いちばん気をつけたいのが市販のパン・お菓子です。手引きでは、牛乳を含む加工食品の例として、次のものがあげられています。

牛乳を含むことが多い食品(手引きの例)
ヨーグルト、チーズ、バター、生クリーム、脱脂粉乳、乳酸菌飲料、アイスクリーム
パン、カレーやシチューのルウ
ハム、ウインナーなどの肉の加工品
チョコレートなどの洋菓子、調味料の一部

「補食にパン」は定番ですが、牛乳アレルギーの子は原材料欄を見てから選びます。手引きによると、容器包装された加工食品は、牛乳が微量でも入っていれば必ず表示する義務があるので、原材料欄に乳の表記がなければ食べられます。

乳なしで選びやすい補食を、量で見てみましょう。

乳なしの補食エネルギー炭水化物
おにぎり1個(100g)約170kcal約39.4g
バナナ1本(100g)約93kcal約22.5g
さつまいも 蒸し(100g)約131kcal約31.9g
干しいも(50g)約138kcal約36.0g

(日本食品標準成分表の100gあたりの値から計算)

おにぎりの具をしらすにすれば(しらす干し10gでカルシウム約52mg)、補食でカルシウムも足せます。干しいもやさつまいもは、袋のまま持ち運べて、合宿や遠征の日にも便利です。補食のタイミングは練習前の補食の記事で紹介しています。

  • おにぎり
  • さつまいも
  • 干しいも

「乳」の文字があっても、食べられるもの

原材料欄には、「乳」の字が入っていてまぎらわしい表記がたくさんあります。手引きでは、こう分けています。

区分表記の例(手引きより)
乳と同じ意味(食べられない)ミルク、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム、生乳、濃縮乳、乳糖、乳たんぱく、調製粉乳 など
牛乳とは関係なく、食べられる乳酸菌、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、乳化剤、カカオバター、ココナッツミルク など

「乳化剤」と書いてあっても牛乳とは関係ない、と覚えておくと、選べる補食がぐっと広がります。表示の読み方のくわしい手順は、食物アレルギーの表示の見方の記事にまとめています。

合宿・遠征・差し入れのときは

知恵袋のクラブチームの話のように、牛乳アレルギーの子にとっていちばん気になるのが、家の外で食べる日です。手引きには、容器包装されていない料理や惣菜(飲食店など)には、どんな原材料でも表示の義務がないと書かれています。宿の食事、お店のお弁当、手作りの差し入れは、表示がないものとして準備します。

場面家でしておくこと
合宿・遠征宿やチームに、乳を除く必要があることを早めに伝える。乳なしのおにぎり・干しいもなど、補食を多めに持たせる
大会のお弁当家で作ったお弁当を持たせる。おかずは肉・魚・卵・大豆製品で組む
チームの差し入れ原材料表示のある個包装のものなら、本人がその場で確かめられる
友だちの家・打ち上げ「乳なしで食べられるもの」を1つ持たせておく

お弁当のおかずは、唐揚げ(衣に乳を使わずに作れば)、鮭の塩焼き、卵焼き、肉じゃが、ひじきの煮物など、乳を使わない和食のおかずが組みやすいです。合宿の食事全体の考え方は合宿・遠征の記事でも紹介しています。

乳なしで作りやすい、練習の日の夕ごはん

練習のあとの夕ごはんも、和食なら乳を使わずに組めます。

乳なしの夕ごはんの例エネルギーたんぱく質炭水化物カルシウム
肉うどん風:うどん ゆで250g・木綿豆腐100g・鶏むね肉 皮なし50g約363kcal約25.1g約55.5g約110mg

(日本食品標準成分表の100gあたりの値から計算。つゆの分はふくみません)

これにおにぎり1個を足せば、炭水化物は約95gになります。シチューやグラタンが食べたい日は、手引きにあるように、じゃがいものすりおろしやコーンクリーム缶、植物油・小麦粉や米粉・豆乳でルウを作る、または乳不使用の市販のルウを使うと、乳なしで作れます。

  • うどん
  • 鶏むね

よくある質問

Q. 牛乳が飲めないと、背が伸びない?

A. 手引きでは、牛乳アレルギーでも主食・主菜・副菜をそろえた食事で栄養状態の悪化は防げる、カルシウムはほかの食品から補う、とされています。豆腐・しらす・ひじき・ごま・小松菜を毎日の献立に入れていきましょう。

Q. 豆乳を牛乳の代わりに飲めば十分?

A. 手引きでは、豆乳は牛乳と比べてカルシウムが少なめとされています。牛乳コップ半分(100mL)のカルシウムをとるには、調整豆乳でコップ2杯弱(360mL)。豆乳はたんぱく質の飲み物として楽しみながら、カルシウムはおかずでも足しましょう。

Q. 焼肉や牛丼は食べてもいい?

A. 手引きでは、牛肉は牛乳とアレルゲンが違うため、基本的に除去する必要はないとされています。試合のあとの焼肉も楽しめます。

Q. チームに伝えるのが気まずいです。

A. 宿や会場の食事は、表示がないことが多いので、伝えておくと安心です。「乳を除いています。補食はこちらで持たせます」と短く伝え、家から持たせるものを決めておくと、チームも本人も準備しやすくなります。

子どもへの声かけ

  • 「パンやお菓子は、袋のうしろの『原材料』を見てから食べようね」
  • 「『乳化剤』は牛乳じゃないから大丈夫だよ」
  • 「今日のおにぎりはしらす入り。骨のもとになるよ」
  • 「合宿の補食は、干しいもとおにぎりを入れておいたよ」
  • 「焼肉は牛乳と関係ないから、いっぱい食べよう!」

牛乳がなくても、豆腐・しらす・ごま・ひじきで、骨も体もしっかり作れる! 自分で表示を読める選手を目指そう!

まとめ

  • 「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2022」では、除去食物があっても主食・主菜・副菜をそろえれば栄養状態の悪化は防げる。牛乳アレルギーはカルシウムをほかの食品から補う
  • 牛乳100mL分(カルシウム110mg)の目安は、木綿豆腐120g・しらす干し20g・干しひじき10g・切干大根20g・ごま10g・小松菜 ゆで75g
  • 乳なしの朝ごはん(ごはん・鮭・卵・豆腐の味噌汁・小松菜・バナナ)で、約634kcal・カルシウム約249mg
  • パン・チョコ・ハムやウインナー・ルウには乳が入っていることが多い。容器包装された食品は原材料欄で確かめる
  • 乳酸菌・乳酸カルシウム・乳化剤・カカオバターは牛乳とは関係なく食べられる。牛肉も基本的に除去しなくてよい
  • 合宿・遠征・差し入れは、表示のない料理があることを前提に、乳なしの補食を家から持たせる

出典

  • 「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2022」(厚生労働科学研究班による食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2022) https://www.foodallergy.jp/wp-content/themes/foodallergy/pdf/nutritionalmanual2022.pdf
  • 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」 ごはん 01088・おにぎり 01111・しろさけ 生 10134・鶏卵 全卵 生 12004・木綿豆腐 04032・こまつな ゆで 06087・バナナ 07107・しらす干し 半乾燥品 10056・ほしひじき 乾 09050・ごま いり 05018・切干しだいこん 乾 06136・調製豆乳 04053・さつまいも 蒸し 02007・蒸し切干(干しいも)02009・うどん ゆで 01039・にわとり むね 皮なし 11220

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)

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