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成長と体・約9分

サッカーを引退・卒団したあとのごはん:練習がなくなった中3・小6の1日の目安と、3食・間食・受験期の組み方

夏で部活を引退。毎日の練習がなくなったら、ごはんはどう変えればいいのかな?

中学3年の夏、小学6年の卒団。毎日のように走っていた子の生活が、ある日を境にがらりと変わります。知恵袋には、この時期の悩みがいくつも出ています。「中3の息子が部活を引退してから、夕食はごはんを子ども茶碗に1杯ほどしか食べない」という保護者の質問。反対に、「サッカー部を引退してから太ってきた」という中学生・高校生の質問もたくさんあります。元サッカー部の高3からは、「増量のために1食1.5合のごはんを食べていた。引退後に食べる量を大きく変えたのに体重が増える」という相談も出ています。

食べなくなる子と、体重が増える子。向きは反対ですが、原因は同じです。体を動かす量が変わったのに、食べ方の「形」が練習のころのまま、または急に変わったことです。結論から言うと、ポイントは次の3つです。

  • 3食の形(主食・主菜・副菜・牛乳)は、引退後もそのまま続ける
  • 練習前後の「補食」は、練習のある日のもの。引退後は、果物・牛乳・ヨーグルトの「間食」に切り替える
  • 体を動かす習慣は、1日60分を目安に続ける。食べ方より先に、ここを整える

練習がなくなると、1日の目安はどれくらい変わる?

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、1日に必要なエネルギーの目安(推定エネルギー必要量)を、体の動かし方で3段階に分けています。堺市のページから、主な値を抜き出します。

年齢・性別低いふつう高い
10〜11歳 男子1,950kcal2,250kcal2,500kcal
10〜11歳 女子1,850kcal2,100kcal2,350kcal
12〜14歳 男子2,300kcal2,600kcal2,900kcal
12〜14歳 女子2,150kcal2,400kcal2,700kcal
15〜17歳 男子2,500kcal2,850kcal3,150kcal

(堺市「あなたに必要な1日のエネルギー量の目安は?」より。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」)

「高い」は、余暇に活発な運動の習慣がある人。毎日サッカーの練習をしていた子は、ここに入ります。「ふつう」は、座っている時間が中心でも、通学の移動や軽いスポーツをふくむ人です。

引退して「高い」から「ふつう」に移ると、12〜14歳男子は2,900kcalから2,600kcalへ。差は300kcalです。12〜14歳女子も2,700kcalから2,400kcalで、同じく300kcalの差。15〜17歳男子も3,150kcalから2,850kcalで300kcalです。

ここで大事なのは、「ふつう」でも12〜14歳男子は2,600kcalということ。大人の目から見ても、中学生はまだまだしっかり食べる時期です。知恵袋の回答でも、12〜14歳男子の1日の目安として2,600kcalが紹介されていました。

300kcalの差は、「3食のどれか」ではなく「練習のための補食」の分と考えるとわかりやすいよ!

300kcalは、練習の日の補食1回分

練習の前に食べていた補食を、日本食品標準成分表で計算してみます。

練習の日の補食の例エネルギー炭水化物
おにぎり1個(100g)約170kcal約39.4g
バナナ1本(可食部100g)約93kcal約22.5g
合計約263kcal約61.9g

(日本食品標準成分表の100gあたりの値から計算)

おにぎり1個とバナナ1本で約263kcal。「高い」と「ふつう」の差の300kcalに近い量です。つまり、引退後の食べ方は、朝・昼・夜の3食はそのままにして、練習のために足していた補食の形を変えるのがいちばん自然です。

3食のごはんの量をいきなり変えると、知恵袋の高3の相談のように、かえって食べ方が乱れます。3食は、練習のころと同じ時間に、同じ形で出しましょう。

  • おにぎり
  • バナナ
  • ごはん

3食の形は、引退後もそのまま

中学3年は、受験勉強も始まる時期。朝ごはんをぬいたり、夕ごはんがおそくなったりしやすくなります。3食の形を決めておくと、生活のリズムも整います。12〜14歳男子の朝ごはんの例です。

朝ごはんの例エネルギーたんぱく質カルシウム
ごはん200g約312kcal約5.0g約6mg
卵1個(50g)約71kcal約6.1g約23mg
納豆1パック(40g)約74kcal約6.6g約36mg
牛乳200ml約122kcal約6.6g約220mg
合計約579kcal約24.3g約285mg

(日本食品標準成分表の100gあたりの値から計算。牛乳は200gで計算。味つけの分はふくみません)

主食のごはん、主菜の卵と納豆、牛乳。練習があってもなくても、朝ごはんはこの形です。朝にしっかり食べておくと、午前中の授業にも集中できます。

夕ごはんも、主食・肉か魚のおかず・野菜のおかず・汁物の形をそのまま続けます。

夕ごはんの例エネルギーたんぱく質
ごはん250g約390kcal約6.3g
豚もも肉80g(しょうが焼き)約137kcal約16.4g
ほうれんそう60g(おひたし)約11kcal約1.3g
ヨーグルト100g約56kcal約3.6g
合計約594kcal約27.6g

(日本食品標準成分表の100gあたりの値から計算。味つけの分はふくみません)

  • 卵
  • 納豆
  • 牛乳
  • ぶたもも
  • ほうれんそう

補食から「間食」へ切り替える

練習のある日の補食は、動くための燃料でした。おにぎりやパンなど、炭水化物が中心です。引退後は、おやつの時間を「間食」として、3食でとりきれない栄養を足す時間にします。

練習のあったころ(補食)引退後(間食)
ねらい練習で動くための燃料3食で足りない栄養を足す
中心になるものおにぎり・パン・バナナ牛乳・ヨーグルト・果物
タイミング練習の前と後学校から帰ったとき・勉強の合間

牛乳200mlで約220mg、ヨーグルト100gで約120mgのカルシウムがとれます。果物は、季節のものを1つ。勉強の合間に、ヨーグルトにバナナを切ってのせるのもおすすめです。

間食は「我慢の時間」じゃなくて、体づくりの時間。好きな果物をえらんでね!

  • ヨーグルト
  • 牛乳
  • バナナ

食べなくなった子は:形をそろえて、量は子どもに合わせる

知恵袋の中3の子は、引退してから夕ごはんがごはん子ども茶碗1杯ほどになったそうです。練習がなくなると、おなかのすき方も変わります。食べる量が落ちた子には、こんな工夫が向いています。

  • ごはん・おかず・汁物の形は毎回そろえて、品数をなくさない
  • 肉や魚をごはんにのせた丼にして、ひと皿で主食と主菜をとる
  • 朝ごはんに卵か納豆と牛乳をつけて、1日のたんぱく質を朝から積む
  • 学校から帰ったら、牛乳1杯かヨーグルトを1つ

食が細い子の食べる量の増やし方は、食が細い子の記事でくわしく紹介しています。

体重が増えてきた子は:まず体を動かす時間をつくる

「引退してから太ってきた」という悩みには、食べ方より先に、体を動かす時間を見直します。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」のこども版では、こんな目安が示されています。

こどもの身体活動の目安内容
毎日中強度以上(3メッツ以上)の身体活動を1日60分以上
週3日以上高強度の有酸素性の身体活動や、筋肉・骨を強化する身体活動
座りっぱなし座りっぱなしの時間、とくにテレビ・ゲーム・スマートフォンの時間を短くする

(e-ヘルスネット「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨シート:こども版」より)

身体活動には、スポーツだけでなく、通学で歩くことや家事のお手伝いもふくまれます。自転車や歩いての通学、週末のボール遊び、高校のサッカー部に向けた自主練。60分を目安に動いていれば、3食は今までどおりしっかり食べて大丈夫です。

体重の数字の見方は、体重計の数字の読み方の記事も参考にしてください。

受験期の夕ごはんと夜の勉強

塾から帰るのが夜おそくなる日は、夕ごはんを2回に分けます。

時間食べるもの
塾の前(17時ごろ)おにぎり1個と牛乳
塾のあと(21時ごろ)鮭やしょうが焼きなどのおかずと汁物、ごはんは子どもが食べたい量

塾の前におにぎりを食べておくと、夜の勉強でおなかがすきすぎません。塾のあとはおかずと汁物を中心にすると、寝る前でも食べやすくなります。夜おそい日の夕ごはんの組み方は、夜遅い練習の日の夕食の記事とも共通です。

  • おにぎり
  • しろさけ
  • 牛乳

高校でまたサッカーを始めるなら

引退は、サッカーの終わりではありません。高校でサッカー部に入ると、身体活動レベルは再び「高い」になり、15〜17歳男子の目安は3,150kcalです。中学3年の秋から冬に3食の形をくずさずにいると、春からの練習にもすぐ戻れます。高校に入ったら、練習の前後の補食を再開しましょう。補食のとり方は補食ってなに?の記事へ。

よくある質問

Q. 引退したら、ごはんの量はどうすればいい?

A. 3食の量は、子どもがおなかいっぱいになるまででいいです。練習のある日との差は、補食1回分ほど。3食はそのまま、補食を間食に切り替えれば十分です。

Q. 引退したのに、前と同じくらい食べたがります。

A. 12〜14歳男子は、「ふつう」でも1日2,600kcalが目安です。よく食べるのは、成長期の体として自然なことです。3食をしっかり食べさせて、体を動かす時間をつくりましょう。

Q. 小6で卒団して、中学で別の部活に入ります。

A. 文化部なら「ふつう」、運動部なら「高い」で考えます。10〜11歳男子は「ふつう」で2,250kcal、「高い」で2,500kcalです。新しい生活に合わせて、補食か間食かを選びましょう。

Q. 受験勉強で夜食を食べたがります。

A. 夕ごはんを塾の前と後に分けて、夜の分をおかずと汁物中心にすると、夜食を別に用意しなくても足ります。

子どもへの声かけ

  • 「サッカーおつかれさま。朝ごはんは、これからも一緒に食べようね」
  • 「おやつは、ヨーグルトとバナナにしてみる?」
  • 「塾の前に、おにぎりを1個食べていこう」
  • 「週末、ちょっとボールを蹴りに行こうか」
  • 「高校でまたサッカーするなら、今のごはんが体の土台になるよ」

引退しても、3食はチームの練習みたいに毎日の習慣。次のステージに向けて、しっかり食べよう!

まとめ

  • 推定エネルギー必要量は、身体活動レベル「高い」から「ふつう」に移ると、12〜14歳男子で2,900kcalから2,600kcal。差は300kcal
  • 300kcalは、おにぎり1個とバナナ1本(約263kcal)の補食とほぼ同じ。3食はそのまま、補食を間食に切り替える
  • 朝ごはんは、ごはん・卵や納豆・牛乳の形を続ける
  • 間食は、牛乳・ヨーグルト・果物で、3食で足りない栄養を足す
  • 体を動かす習慣は、1日60分以上を目安に続ける
  • 受験期で帰りがおそい日は、夕ごはんを塾の前と後に分ける

出典

  • 堺市「あなたに必要な1日のエネルギー量の目安は?」(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より) https://www.city.sakai.lg.jp/kenko/kenko/kenkozoshin/eiyo/eiyoseibun/ichinichi.html
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨シート:こども版」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-00-003.html
  • 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」 こめ 精白米 めし 01088・おにぎり 01111・鶏卵 全卵 生 12004・糸引き納豆 04046・普通牛乳 13003・バナナ 07107・ヨーグルト 全脂無糖 13025・ぶた もも 脂身つき 生 11130・しろさけ 生 10134・ほうれんそう 生 06267

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)

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