サッカーを引退・卒団したあとのごはん:練習がなくなった中3・小6の1日の目安と、3食・間食・受験期の組み方

夏で部活を引退。毎日の練習がなくなったら、ごはんはどう変えればいいのかな?
中学3年の夏、小学6年の卒団。毎日のように走っていた子の生活が、ある日を境にがらりと変わります。知恵袋には、この時期の悩みがいくつも出ています。「中3の息子が部活を引退してから、夕食はごはんを子ども茶碗に1杯ほどしか食べない」という保護者の質問。反対に、「サッカー部を引退してから太ってきた」という中学生・高校生の質問もたくさんあります。元サッカー部の高3からは、「増量のために1食1.5合のごはんを食べていた。引退後に食べる量を大きく変えたのに体重が増える」という相談も出ています。
食べなくなる子と、体重が増える子。向きは反対ですが、原因は同じです。体を動かす量が変わったのに、食べ方の「形」が練習のころのまま、または急に変わったことです。結論から言うと、ポイントは次の3つです。
- 3食の形(主食・主菜・副菜・牛乳)は、引退後もそのまま続ける
- 練習前後の「補食」は、練習のある日のもの。引退後は、果物・牛乳・ヨーグルトの「間食」に切り替える
- 体を動かす習慣は、1日60分を目安に続ける。食べ方より先に、ここを整える
練習がなくなると、1日の目安はどれくらい変わる?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、1日に必要なエネルギーの目安(推定エネルギー必要量)を、体の動かし方で3段階に分けています。堺市のページから、主な値を抜き出します。
| 年齢・性別 | 低い | ふつう | 高い |
|---|---|---|---|
| 10〜11歳 男子 | 1,950kcal | 2,250kcal | 2,500kcal |
| 10〜11歳 女子 | 1,850kcal | 2,100kcal | 2,350kcal |
| 12〜14歳 男子 | 2,300kcal | 2,600kcal | 2,900kcal |
| 12〜14歳 女子 | 2,150kcal | 2,400kcal | 2,700kcal |
| 15〜17歳 男子 | 2,500kcal | 2,850kcal | 3,150kcal |
(堺市「あなたに必要な1日のエネルギー量の目安は?」より。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」)
「高い」は、余暇に活発な運動の習慣がある人。毎日サッカーの練習をしていた子は、ここに入ります。「ふつう」は、座っている時間が中心でも、通学の移動や軽いスポーツをふくむ人です。
引退して「高い」から「ふつう」に移ると、12〜14歳男子は2,900kcalから2,600kcalへ。差は300kcalです。12〜14歳女子も2,700kcalから2,400kcalで、同じく300kcalの差。15〜17歳男子も3,150kcalから2,850kcalで300kcalです。
ここで大事なのは、「ふつう」でも12〜14歳男子は2,600kcalということ。大人の目から見ても、中学生はまだまだしっかり食べる時期です。知恵袋の回答でも、12〜14歳男子の1日の目安として2,600kcalが紹介されていました。

300kcalの差は、「3食のどれか」ではなく「練習のための補食」の分と考えるとわかりやすいよ!
300kcalは、練習の日の補食1回分
練習の前に食べていた補食を、日本食品標準成分表で計算してみます。
| 練習の日の補食の例 | エネルギー | 炭水化物 |
|---|---|---|
| おにぎり1個(100g) | 約170kcal | 約39.4g |
| バナナ1本(可食部100g) | 約93kcal | 約22.5g |
| 合計 | 約263kcal | 約61.9g |
(日本食品標準成分表の100gあたりの値から計算)
おにぎり1個とバナナ1本で約263kcal。「高い」と「ふつう」の差の300kcalに近い量です。つまり、引退後の食べ方は、朝・昼・夜の3食はそのままにして、練習のために足していた補食の形を変えるのがいちばん自然です。
3食のごはんの量をいきなり変えると、知恵袋の高3の相談のように、かえって食べ方が乱れます。3食は、練習のころと同じ時間に、同じ形で出しましょう。
おにぎり
バナナ
ごはん
3食の形は、引退後もそのまま
中学3年は、受験勉強も始まる時期。朝ごはんをぬいたり、夕ごはんがおそくなったりしやすくなります。3食の形を決めておくと、生活のリズムも整います。12〜14歳男子の朝ごはんの例です。
| 朝ごはんの例 | エネルギー | たんぱく質 | カルシウム |
|---|---|---|---|
| ごはん200g | 約312kcal | 約5.0g | 約6mg |
| 卵1個(50g) | 約71kcal | 約6.1g | 約23mg |
| 納豆1パック(40g) | 約74kcal | 約6.6g | 約36mg |
| 牛乳200ml | 約122kcal | 約6.6g | 約220mg |
| 合計 | 約579kcal | 約24.3g | 約285mg |
(日本食品標準成分表の100gあたりの値から計算。牛乳は200gで計算。味つけの分はふくみません)
主食のごはん、主菜の卵と納豆、牛乳。練習があってもなくても、朝ごはんはこの形です。朝にしっかり食べておくと、午前中の授業にも集中できます。
夕ごはんも、主食・肉か魚のおかず・野菜のおかず・汁物の形をそのまま続けます。
| 夕ごはんの例 | エネルギー | たんぱく質 |
|---|---|---|
| ごはん250g | 約390kcal | 約6.3g |
| 豚もも肉80g(しょうが焼き) | 約137kcal | 約16.4g |
| ほうれんそう60g(おひたし) | 約11kcal | 約1.3g |
| ヨーグルト100g | 約56kcal | 約3.6g |
| 合計 | 約594kcal | 約27.6g |
(日本食品標準成分表の100gあたりの値から計算。味つけの分はふくみません)
卵
納豆
牛乳
ぶたもも
ほうれんそう
補食から「間食」へ切り替える
練習のある日の補食は、動くための燃料でした。おにぎりやパンなど、炭水化物が中心です。引退後は、おやつの時間を「間食」として、3食でとりきれない栄養を足す時間にします。
| 練習のあったころ(補食) | 引退後(間食) | |
|---|---|---|
| ねらい | 練習で動くための燃料 | 3食で足りない栄養を足す |
| 中心になるもの | おにぎり・パン・バナナ | 牛乳・ヨーグルト・果物 |
| タイミング | 練習の前と後 | 学校から帰ったとき・勉強の合間 |
牛乳200mlで約220mg、ヨーグルト100gで約120mgのカルシウムがとれます。果物は、季節のものを1つ。勉強の合間に、ヨーグルトにバナナを切ってのせるのもおすすめです。

間食は「我慢の時間」じゃなくて、体づくりの時間。好きな果物をえらんでね!
ヨーグルト
牛乳
バナナ
食べなくなった子は:形をそろえて、量は子どもに合わせる
知恵袋の中3の子は、引退してから夕ごはんがごはん子ども茶碗1杯ほどになったそうです。練習がなくなると、おなかのすき方も変わります。食べる量が落ちた子には、こんな工夫が向いています。
- ごはん・おかず・汁物の形は毎回そろえて、品数をなくさない
- 肉や魚をごはんにのせた丼にして、ひと皿で主食と主菜をとる
- 朝ごはんに卵か納豆と牛乳をつけて、1日のたんぱく質を朝から積む
- 学校から帰ったら、牛乳1杯かヨーグルトを1つ
食が細い子の食べる量の増やし方は、食が細い子の記事でくわしく紹介しています。
体重が増えてきた子は:まず体を動かす時間をつくる
「引退してから太ってきた」という悩みには、食べ方より先に、体を動かす時間を見直します。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」のこども版では、こんな目安が示されています。
| こどもの身体活動の目安 | 内容 |
|---|---|
| 毎日 | 中強度以上(3メッツ以上)の身体活動を1日60分以上 |
| 週3日以上 | 高強度の有酸素性の身体活動や、筋肉・骨を強化する身体活動 |
| 座りっぱなし | 座りっぱなしの時間、とくにテレビ・ゲーム・スマートフォンの時間を短くする |
(e-ヘルスネット「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨シート:こども版」より)
身体活動には、スポーツだけでなく、通学で歩くことや家事のお手伝いもふくまれます。自転車や歩いての通学、週末のボール遊び、高校のサッカー部に向けた自主練。60分を目安に動いていれば、3食は今までどおりしっかり食べて大丈夫です。
体重の数字の見方は、体重計の数字の読み方の記事も参考にしてください。
受験期の夕ごはんと夜の勉強
塾から帰るのが夜おそくなる日は、夕ごはんを2回に分けます。
| 時間 | 食べるもの |
|---|---|
| 塾の前(17時ごろ) | おにぎり1個と牛乳 |
| 塾のあと(21時ごろ) | 鮭やしょうが焼きなどのおかずと汁物、ごはんは子どもが食べたい量 |
塾の前におにぎりを食べておくと、夜の勉強でおなかがすきすぎません。塾のあとはおかずと汁物を中心にすると、寝る前でも食べやすくなります。夜おそい日の夕ごはんの組み方は、夜遅い練習の日の夕食の記事とも共通です。
おにぎり
しろさけ
牛乳
高校でまたサッカーを始めるなら
引退は、サッカーの終わりではありません。高校でサッカー部に入ると、身体活動レベルは再び「高い」になり、15〜17歳男子の目安は3,150kcalです。中学3年の秋から冬に3食の形をくずさずにいると、春からの練習にもすぐ戻れます。高校に入ったら、練習の前後の補食を再開しましょう。補食のとり方は補食ってなに?の記事へ。
よくある質問
Q. 引退したら、ごはんの量はどうすればいい?
A. 3食の量は、子どもがおなかいっぱいになるまででいいです。練習のある日との差は、補食1回分ほど。3食はそのまま、補食を間食に切り替えれば十分です。
Q. 引退したのに、前と同じくらい食べたがります。
A. 12〜14歳男子は、「ふつう」でも1日2,600kcalが目安です。よく食べるのは、成長期の体として自然なことです。3食をしっかり食べさせて、体を動かす時間をつくりましょう。
Q. 小6で卒団して、中学で別の部活に入ります。
A. 文化部なら「ふつう」、運動部なら「高い」で考えます。10〜11歳男子は「ふつう」で2,250kcal、「高い」で2,500kcalです。新しい生活に合わせて、補食か間食かを選びましょう。
Q. 受験勉強で夜食を食べたがります。
A. 夕ごはんを塾の前と後に分けて、夜の分をおかずと汁物中心にすると、夜食を別に用意しなくても足ります。
子どもへの声かけ
- 「サッカーおつかれさま。朝ごはんは、これからも一緒に食べようね」
- 「おやつは、ヨーグルトとバナナにしてみる?」
- 「塾の前に、おにぎりを1個食べていこう」
- 「週末、ちょっとボールを蹴りに行こうか」
- 「高校でまたサッカーするなら、今のごはんが体の土台になるよ」

引退しても、3食はチームの練習みたいに毎日の習慣。次のステージに向けて、しっかり食べよう!
まとめ
- 推定エネルギー必要量は、身体活動レベル「高い」から「ふつう」に移ると、12〜14歳男子で2,900kcalから2,600kcal。差は300kcal
- 300kcalは、おにぎり1個とバナナ1本(約263kcal)の補食とほぼ同じ。3食はそのまま、補食を間食に切り替える
- 朝ごはんは、ごはん・卵や納豆・牛乳の形を続ける
- 間食は、牛乳・ヨーグルト・果物で、3食で足りない栄養を足す
- 体を動かす習慣は、1日60分以上を目安に続ける
- 受験期で帰りがおそい日は、夕ごはんを塾の前と後に分ける
出典
- 堺市「あなたに必要な1日のエネルギー量の目安は?」(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より) https://www.city.sakai.lg.jp/kenko/kenko/kenkozoshin/eiyo/eiyoseibun/ichinichi.html
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨シート:こども版」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-00-003.html
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」 こめ 精白米 めし 01088・おにぎり 01111・鶏卵 全卵 生 12004・糸引き納豆 04046・普通牛乳 13003・バナナ 07107・ヨーグルト 全脂無糖 13025・ぶた もも 脂身つき 生 11130・しろさけ 生 10134・ほうれんそう 生 06267
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)
