女子サッカー選手の食事:鉄とエネルギーをしっかりとる

鉄のとり方と、食べる量が足りているかの見分け方を、献立の例と一緒に紹介します。
思春期の女子選手には、男子とは違う気をつけたい点があります。体の変化が大きい時期だからこそ、毎日の食事で支えてあげましょう。
鉄が不足しやすい
サッカーの専門家グループ(UEFA)の声明は、思春期以降の女子選手が最も鉄欠乏になりやすいとしています。月経で鉄を失うことに加え、成長と練習で鉄の必要量が増えるためです。
日本人の食事摂取基準(2025年版)の鉄の推奨量(ほとんどの人が足りる量)は、次のとおりです。
| 年齢 | 月経あり | 月経なし |
|---|---|---|
| 10〜11歳 | 12.5mg/日 | 9.0mg/日 |
| 12〜14歳 | 12.5mg/日 | 8.0mg/日 |
| 15〜17歳 | 11.0mg/日 | 6.5mg/日 |
月経のある10〜17歳の女子では1日11.0〜12.5mgで、月経のない場合より多い値です。日本サッカー協会(JFA)は、鉄の必要量が多いアスリートでは1日20〜30mgとしています。
鉄をとる工夫
- 赤身の肉・魚、レバー、あさり、小松菜、大豆製品を毎日の献立に
- ビタミンCの多い野菜・果物を一緒に(鉄の吸収を助けます)
- サプリメントは自己判断で使わず、医療機関で相談を(とりすぎに注意)
こまつな
あさり
納豆
ブロッコリー
日本食品標準成分表で計算すると、鉄は次のくらいです。
| 食べ物 | 鉄 |
|---|---|
| 小松菜(生)80g | 約2.2mg |
| ほうれんそう(生)80g | 約1.6mg |
| 木綿豆腐100g | 約1.5mg |
| 納豆1パック(40g) | 約1.3mg |
| あさり(生)可食部50g | 約1.1mg |
1つの食品でたくさんとるのは難しいので、毎食に1つずつ入れるのが続けやすい方法です。ビタミンCはブロッコリー(生)50gで約70mgと多く(日本食品標準成分表で計算)、一緒に食べやすい野菜です。

鉄は「毎食ちょっとずつ」がコツ。朝の納豆、昼の青菜、夜の赤身の肉や魚、のように分けてみましょう。
鉄を意識した1日の献立の例(このサイトの例)
- 朝:ごはん・納豆・小松菜のみそ汁・牛乳・みかん
- 昼:給食やお弁当(青菜のおかずがあれば◎)
- 練習のあと:おにぎりと飲むヨーグルト
- 夜:ごはん・牛肉と野菜の炒め物・あさりのみそ汁・ブロッコリー・果物
食べる量が足りているか
体重を気にして食べる量が減ると、練習に必要なエネルギーが足りなくなります。成長期の女子選手では、標準体重の90%以上がひとつの目安とされています。
体重が減ってきた、月経が止まった・不規則になったときは、エネルギー不足のサインのことがあります。練習量が変わらないなら、今の食事に1日300〜600kcalを足すことがすすめられています。
よくある失敗と直し方
- 「やせたほうが速く走れる」と思いこむ:エネルギーが足りないと、けがや体調不良のもとになることがあります。体型ではなく、元気に動けるかを大事に。
- ごはんを少なくしておかずだけ:主食は練習の燃料です。毎食しっかり食べましょう。
- 鉄のサプリメントを自己判断で飲む:とりすぎにも注意が必要です。気になるときは医療機関で相談を。
子どもへの声かけ
- 体型や体重についての言葉は、できるだけ使わないようにしましょう
- 「しっかり食べているから、最後まで走れたね」と、食べることと動けることを結びつけてほめる
- 月経のことは話しにくいもの。「何かあったら教えてね」と、話せる雰囲気をつくっておくと安心です
豚レバー
まあじ
キウイフルーツ

鉄は毎日の食事でこつこつと。レバーや魚に、果物を合わせましょう。
気になるときは早めに相談を
貧血やエネルギー不足は、血液検査などで医療機関が判断します。疲れやすい、息切れがする、月経が止まった・不規則になった、といったときは早めに医療機関に相談してください。相談メモには、体重の推移と食事の目安をまとめられます。

しっかり食べることが、強くて元気な体をつくります。親子で一緒に、楽しく食べていきましょう!
あわせて読みたい:鉄をとる食事、エネルギー不足のサイン
出典:UEFA専門家グループの声明(Collins ほか)、日本サッカー協会「JFA栄養ガイドライン」、国立スポーツ科学センター「女性アスリートのための栄養ガイドブック」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
出典:UEFA エリートサッカーの栄養に関する専門家声明(2021)、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、国立スポーツ科学センター「女性アスリートのための栄養ガイドブック」(2022)、日本サッカー協会「JFA栄養ガイドライン」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)
