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成長と体・約9分

すぐ疲れる子とビタミンB1:ごはんを走る力に変える豚肉の食べ方と、1日にとれる量

「ごはんはしっかり食べているのに、練習のあとはぐったり」「体力をつけるには、何を食べさせたらいいの?」

知恵袋には、「小4の息子がスタミナ切れで練習を抜けてしまう。体力をつけるには何に気をつけたらいい?」「毎日練習と試合が続く息子に、疲れのとれる食べ物を教えてほしい」といった質問が並んでいます。サッカーを始めたばかりの小1の子が、練習のあとに車の中で寝てしまう、という相談もあります。

走る燃料は、ごはん・パン・めんの糖質です。そして、その糖質を体の中でエネルギーに変えるときに必要なのが、ビタミンB1。この記事では、ビタミンB1の働きと、子どもが1日にとりたい量、そしてB1がたっぷりの豚肉を中心にした献立を紹介します。

ビタミンB1は「ごはんを力に変える」ビタミン

健康長寿ネット(長寿科学振興財団)では、ビタミンB1をブドウ糖をエネルギーに変えるときに必要な栄養素と説明しています。水にとける、水溶性のビタミンです。

足りなくなると、ブドウ糖から十分にエネルギーをつくれず、食欲がない、疲れる、だるいといったことが起こる、とも書かれています。

そして大切なのがこの一文の内容です。糖質をたくさんとる人や、よく体を動かす人は、エネルギーをさかんにつくるので、ビタミンB1をより多く必要とする。サッカーをする子は、ごはんをしっかり食べて、たくさん走ります。まさに、B1をしっかりとりたい子です。

ごはんがガソリンなら、ビタミンB1はエンジンに火をつける役。ごはんとB1がそろうと、走る力になります!

サッカーの燃料の話はサッカーはどんな競技? 止まっては走る運動と、ごはんの関係にまとめています。

子どもが1日にとりたい量(食事摂取基準2025年版)

健康長寿ネットに載っている、日本人の食事摂取基準2025年版の推奨量です。

年齢男子女子
6〜7歳0.7mg0.6mg
8〜9歳0.8mg0.7mg
10〜11歳0.9mg0.9mg
12〜14歳1.1mg1.0mg
15〜17歳1.2mg1.0mg

(出典:健康長寿ネット「ビタミンB1の働きと1日の摂取量」、日本人の食事摂取基準2025年版)

高学年で0.9mg、中学生の男子で1.1mg。数字だけだとピンときませんが、食べ物に置きかえると、すぐにイメージできます。

B1が多い食べ物は「豚肉」がいちばん

健康長寿ネットでは、ビタミンB1は肉類・魚類・豆類・穀類・種実類に多いとしています。日本食品標準成分表で、1回に食べる量あたりのB1を計算しました。

食べ物1回の量ビタミンB1
豚ヒレ2cm厚2切れ(80g)1.06mg
豚ロースとんかつ用1枚(120g)0.83mg
豚もも薄切り4枚(80g)0.72mg
豚ひき肉50g0.35mg
焼き豚30g0.26mg
玄米ごはん茶碗1杯(150g)0.24mg
たらこ(焼き)20g0.15mg
ロースハム薄切り2枚(20g)0.14mg
ウインナー2本(40g)0.14mg
えだまめ(ゆで)50g0.12mg
牛乳コップ1杯(200ml)0.08mg
挽きわり納豆1パック(45g)0.06mg
いりごま大さじ1(9g)0.04mg
ごはん(白米)茶碗1杯(150g)0.03mg
糸引き納豆1パック(45g)0.03mg
卵M1個0.03mg

(日本食品標準成分表の値から計算。肉は生の重さ)

  • 豚ヒレ
  • 豚もも
  • 豚ロース
  • 豚ひき肉
  • ロースハム
  • 玄米ごはん

ひと目でわかるのが、豚肉の強さです。豚もも80gで0.72mg。高学年の1日の推奨量0.9mgの8割が、しょうが焼き1皿でとれます。豚ヒレなら2切れで1.06mg。1日分をこえます。

ごはんは、白米より玄米のほうがB1が多く、茶碗1杯で0.24mgと白米の8倍です。健康長寿ネットでも、穀類は精白するとB1が下がると説明しています。

豚肉は、たんぱく質もB1もとれる二刀流。サッカーする子の夕ごはんの主役にぴったりです!

豚肉をおいしく食べる献立

夕ごはんの主菜

  • 豚のしょうが焼き(豚ロース・豚もも):ごはんがすすむ定番。キャベツのせん切りを添えて
  • ヒレカツ・とんかつ:ヒレはあっさりやわらかく、B1がいちばん多い部位
  • 豚肉と野菜の炒め物:豚もも・こま切れとキャベツ・にんじん・ピーマンで
  • 豚しゃぶ:ゆでた豚肉にごまだれ。いりごまを大さじ1ふると香ばしさアップ
  • 肉じゃが・カレーを豚肉で:じゃがいもとごはんの糖質と、豚肉のB1が1皿にそろう

汁ごと食べる「豚汁」

ビタミンB1は水にとけるビタミンです。ゆでたり煮たりすると、汁に出ていきます。だから、汁ごと食べる豚汁は、B1をむだなくとれる料理。豚こま、大根、にんじん、ごぼう、里いも、豆腐をたっぷり入れて、具だくさんにしましょう。

豚汁は大きな鍋で作り置き。次の日の朝に温めれば、朝ごはんのおかずが1品増えます!

補食・お弁当・朝ごはん

  • 焼き豚やハムのおにぎり:細かく切って、ごはんに混ぜこむ
  • ハムエッグ・ウインナー:朝ごはんにB1をプラス
  • えだまめ:冷凍を解凍すれば、補食や夕ごはんの1品に
  • たらこおにぎり:焼きたらこ20gで0.15mg
  • ごはんを玄米や、白米に玄米を混ぜたものに:毎日のごはんでB1が上乗せ

肉以外のたんぱく質のとり方は肉が嫌いな子も安心!肉以外でたんぱく質をとる方法にまとめています。

1日の例(小学校高学年・休日練習の日)

推奨量0.9mgを目標に、ふだんの献立で組んだ例です。

食事献立ビタミンB1
朝ごはん茶碗1杯、ハムエッグ(ロースハム2枚・卵1個)、牛乳コップ1杯0.28mg
昼ざるそば1玉、えだまめ50g0.21mg
練習後の補食おにぎり、牛乳―
夜豚もものしょうが焼き80g、ごはん茶碗1杯、ほうれん草のごまあえ(いりごま大さじ1)0.79mg
合計約1.28mg

(日本食品標準成分表の値から計算。補食は数えずに合計)

夕ごはんに豚肉を1皿入れるだけで、1日の推奨量をこえます。「1日1回は豚肉」を家のルールにすると、献立を考えるのもかんたんです。

ごはんをしっかり、豚肉もしっかり。燃料とエンジンがそろって、後半まで走れる体になります!

中学生の1日の例(男子・平日練習の日)

中学生の男子は推奨量が1.1mgに上がります。給食のない日のお弁当の日で組んだ例です。

食事献立ビタミンB1
朝ごはん茶碗1杯、ウインナー2本、卵焼き(卵1個)、牛乳コップ1杯0.28mg
お弁当ごはん、豚ひき肉50gのそぼろ、焼きたらこ20g、えだまめ50g0.65mg
練習後の補食焼き豚30gを混ぜたおにぎり0.28mg
夜ヒレカツ(豚ヒレ2切れ80g)、ごはん、豚汁1.09mg以上
合計約2.3mg

(日本食品標準成分表の値から計算。ごはんは各茶碗1杯150gで、豚汁の具は数えずに合計)

お弁当とおにぎりにも豚肉をちょこちょこ入れると、1日の推奨量の2倍がとれます。部活でたくさん食べる中学生は、そのぶんごはんの量も多いので、B1もたっぷりあると安心です。中学生の献立の全体は中学生サッカー選手の食事と献立で紹介しています。

1週間の豚肉ローテーション

「毎日しょうが焼き」では飽きてしまいます。部位と料理を変えて回すと、1週間ずっとおいしく食べられます。

曜日豚肉の料理使う部位・食品
月しょうが焼き豚ロース・豚もも
火具だくさん豚汁と焼き魚豚こま
水ハンバーグ・餃子豚ひき肉
木鶏肉や魚の日(朝にハムエッグ)ロースハム
金ポークカレー豚もも角切り
土(試合・練習)お弁当にそぼろ、補食に焼き豚おにぎり豚ひき肉・焼き豚
日ヒレカツ・豚しゃぶ豚ヒレ・豚もも

暑い日は、ゆでた豚もも肉を冷やした冷しゃぶにすると、食欲がない日でも食べやすくなります。ゆでたお湯にもB1が出ているので、スープにして一緒に飲めばむだがありません。

主菜を回すと、たんぱく質・鉄・カルシウムもそろいます。豚の日をしっかり入れて、ぐんぐん走ろう!

作り置きと時短のコツ

  • 豚こまは買ってすぐ小分け冷凍:1回分80〜100gずつラップに包めば、炒め物・豚汁にそのまま使える
  • しょうが焼きのたれに漬けて冷凍:解凍して焼くだけで、練習の日の夕ごはんがすぐできる
  • そぼろは多めに作る:お弁当・おにぎり・丼に3日間使い回せる
  • 玄米は白米に混ぜて炊く:炊飯器でいつも通り炊くだけ。家族みんなのごはんで、毎日B1が上乗せされる

「疲れやすい」は、まず量もチェック

B1は、ごはんをエネルギーに変える役。だから、変える元のごはんがしっかり入っていることが前提です。練習量が多い子は、エネルギーそのものが足りていないこともあります。食べる量のサインは食べる量が足りないとどうなる?で、練習後の回復の食べ方は子どもの疲労回復:食事・睡眠・お風呂で紹介しています。

よくある質問

Q. 鶏肉や牛肉ではだめ?

もちろん食べてOKです。たんぱく質や鉄がとれます。ただ、ビタミンB1を多くとりたい日は豚肉が頼りになります。主菜を「豚・鶏・魚・牛」と回すときに、豚の日をしっかり入れましょう。

Q. 豚肉が苦手です

ハム・ウインナー・焼き豚なら食べられる子も多いです。ほかに、たらこ、えだまめ、玄米ごはんでもB1がとれます。ひき肉にしてハンバーグや餃子、ミートソースにすると、豚肉と気づかずに食べられます。

Q. 納豆はB1が多いと聞きました

成分表では、糸引き納豆1パックで0.03mg、挽きわり納豆で0.06mg。納豆はたんぱく質やカルシウムがとれる大事な食べ物です。B1をしっかりとるなら、豚肉と組み合わせましょう。

Q. 玄米が食べにくいと言います

白米に玄米を混ぜて炊くと、食べやすくなります。玄米がむずかしい日は、おかずの豚肉でB1をとれば十分です。

Q. 毎日とらないといけない?

サッカーをする子は毎日ごはんを食べて、毎日走ります。B1も毎日の食事でとるのがいちばんです。豚肉の日、ハムの日、たらこの日、と気軽に回しましょう。

Q. サプリメントは?

必要ありません。豚もも80gで1日の8割がとれます。毎日のごはんで十分にとれる栄養です。

子どもへの声かけ

  • 「今日はしょうが焼き。ごはんを走る力に変えるビタミンがたっぷりだよ」
  • 「豚汁は汁まで飲むと、ビタミンもぜんぶ入るよ」
  • 「ごはんと豚肉がそろうと、後半もばてないよ」
  • 「明日の朝はハムエッグにしようか」

「おかわり!」の声が聞こえたら大成功。しっかり食べて、明日の練習も元気いっぱい!

まとめ

  • ビタミンB1は、ブドウ糖をエネルギーに変えるときに必要なビタミン。足りないと、疲れ・だるさ・食欲がないといったことが起こる
  • よく体を動かす人、糖質をたくさんとる人ほど、B1を多く必要とする
  • 推奨量(食事摂取基準2025年版)は、10〜11歳0.9mg、12〜14歳男子1.1mg・女子1.0mg
  • 豚もも80gで0.72mg、豚ヒレ80gで1.06mg。豚肉1皿で1日の大部分がとれる
  • 玄米ごはんは白米の8倍。ハム・ウインナー・焼き豚・たらこ・えだまめでもB1がとれる
  • B1は水にとけるので、豚汁など汁ごと食べる料理がおすすめ
  • 「1日1回は豚肉」で、ごはんをしっかり走る力に

豚肉のおかずや豚汁はレシピ一覧から探せます。

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)

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