鉄と貧血
成長期は、男子も鉄がたくさん必要
鉄は、血液の赤血球の材料になる栄養素です。日本人の食事摂取基準(2025年版)の1日の推奨量を見ると、成長期の子どもは大人より多くの鉄が必要です。たとえば男子の推奨量は、12〜14歳・15〜17歳が9.0mgで、18〜29歳の7.0mgより多くなっています(S04 p345)。
| 年齢 | 男子(mg/日) | 女子・月経なし(mg/日) | 女子・月経あり(mg/日) |
|---|---|---|---|
| 6〜7歳 | 6.0 | 6.0 | — |
| 8〜9歳 | 7.5 | 8.0 | — |
| 10〜11歳 | 9.5 | 9.0 | 12.5 |
| 12〜14歳 | 9.0 | 8.0 | 12.5 |
| 15〜17歳 | 9.0 | 6.5 | 11.0 |
| 18〜29歳 | 7.0 | 6.0 | 10.0 |
(推奨量。出典:日本人の食事摂取基準2025 p345)
月経のある女子は、ない場合より多くの鉄が必要です。UEFAの専門家グループの声明は、思春期以降の女子選手がもっとも鉄が不足しやすいとしています(T063)。JFA栄養ガイドラインは、鉄の必要量が多いアスリートの摂取量として1日20〜30mgを挙げ、食事でとるのが基本としています(T087)。国際オリンピック委員会(IOC)の若い競技者についての合意声明も、健康と成長を支える食事に鉄を挙げています(T066)。
どの食品からとる?
日本食品標準成分表の値から計算した、よく使う量あたりの鉄です。
| 食品と量 | 鉄 |
|---|---|
| あさり(缶詰・水煮)30g | 9.0mg |
| 豚レバー(生)50g | 6.5mg |
| 鶏レバー(生)50g | 4.5mg |
| 生揚げ(厚揚げ)100g | 2.6mg |
| 牛もも肉(赤肉・生)80g | 2.2mg |
| かつお(秋獲り・生)80g | 1.5mg |
| こまつな(ゆで)70g | 1.5mg |
| 糸引き納豆 40g(1パックくらい) | 1.3mg |
| 鶏卵(全卵・生)50g(1個くらい) | 0.8mg |
(100gあたりの値:あさり缶詰水煮30.0mg、豚レバー生13.0mg、鶏レバー生9.0mg、生揚げ2.6mg、牛もも赤肉生2.7mg、かつお秋獲り生1.9mg、こまつなゆで2.1mg、糸引き納豆3.3mg、全卵生1.5mg。量は「このサイトの解釈」で、よく使う量の例です)
たとえば、牛もも肉80g・納豆40g・こまつな(ゆで)70g・卵50gで、合わせて5.7mgです。12〜14歳の男子の推奨量9.0mgのおよそ3分の2になります。汁物をあさりのみそ汁にするなど、主菜だけでなく副菜・汁物でも少しずつ足すと、とりやすくなります(このサイトの解釈)。
ひじきは、作るときの釜で値が大きく変わります。ほしひじき(乾)100gあたり、ステンレス釜は6.2mg、鉄釜は58.0mgです(成分表)。このサイトの計算では、商品の表示がない限り、ステンレス釜の値を使います(このサイトの解釈)。
果物も毎食そろえる
JFA栄養ガイドラインの基本の食事の形は、主食・主菜・副菜・牛乳・乳製品・果物を毎食そろえることです(T080)。このサイトの献立では、鉄の多い主菜・副菜の日も、果物をいつもどおり合わせます(このサイトの解釈)。果物や野菜にはビタミンCが含まれます。キウイフルーツ(緑肉種・生)100gで71mg、いちご(生)100gで62mg、うんしゅうみかん(普通・生)100gで32mg、ブロッコリー(ゆで)60gで33mgです(成分表:100gあたり ブロッコリーゆで55mg)。
気になるときは血液検査を
疲れやすい・息が上がりやすいなど、気になることが続くときは、食事だけで判断せず、医療機関に相談してください。鉄が足りているかは、血液検査で調べます。JFA栄養ガイドラインは、トップアスリートの貧血の基準として、ヘモグロビン値が男性13.5g/dL未満・女性11.5g/dL未満という報告を紹介しています(T088)。UEFAの声明は、ヘモグロビンは正常でも、血清フェリチンが35μg/L未満の状態を鉄欠乏としています(T063)。これらの数値の読み方は、医療機関で確かめてください。このサイトでは診断はしません。
鉄の錠剤などをとるかどうかも、自分で決めずに医療機関に相談してください。JFA栄養ガイドラインは、サプリメントのとりすぎに注意するよう書いています(T087)。
このサイトでできること
「栄養チェック」で、献立の鉄が推奨量に届いているかを見られます。女子は、月経の有無を選ぶと鉄の目安が切り替わります(答えなくても使えます。10歳以上で答えないときは「月経あり」の値で計算します)。足りないときだけ、家庭でよく使う食品(納豆・こまつな・あさりなど)から足す候補を出します。多い分は知らせません。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、日本サッカー協会「JFA栄養ガイドライン」、Collins J ほか「UEFA expert group statement on nutrition in elite football」(2021)、International Olympic Committee consensus statement on youth athletic development(2015)、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
出典:日本人の食事摂取基準2025(S04:鉄 p345)、T087・T088(JFA S15)、T063(UEFA S03)、T066(IOC S09)、T080(JFA S15)、日本食品標準成分表(01_foods_nutrients.csv)(出典の一覧は「出典」のページを参照)
