当たり負けない体は、食事と睡眠でつくる

「体が小さくて、競り合いですぐ倒される」「相手に当たられると、ボールを取られてしまう」。体の大きさの差が気になる時期がありますよね。
サッカーは、ボールを奪い合う競技です。肩と肩でぶつかる競り合い、ヘディングの空中戦、背中で相手を押さえるキープ。当たり負けない体は、プレーの自信にもつながります。
当たり負けない体をつくるのは、特別な食品ではありません。しっかり食べる、毎食たんぱく質、よく眠る。この3つです。
成長期の体は「材料」と「エネルギー」と「時間」でできる
| 必要なもの | 何のため? | どこからとる? |
|---|---|---|
| エネルギー | 運動の分、体を大きくする分 | 主食を中心にした毎日の食事 |
| たんぱく質 | 筋肉・骨・血液の材料 | 肉・魚・卵・大豆製品・乳製品 |
| カルシウム・ビタミンD | 骨を太く、強くする | 牛乳・乳製品、小魚、青菜、魚、きのこ |
| 睡眠 | 体をつくる時間 | 毎晩9時間以上 |
(このサイトのまとめです)
IOCの声明でも、若い選手の健康と正常な成長のために、栄養素の豊富な炭水化物、良質なたんぱく質、十分なカルシウム・ビタミンD・鉄をとることが大切とされています。

筋肉の材料(たんぱく質)だけでは、体は大きくなりません。材料を組み立てるエネルギーと、組み立てる時間(睡眠)もセットです!
まずはエネルギー。しっかり食べることが土台
成長期の子は、たくさんのエネルギーが必要
日本人の食事摂取基準では、1日に必要なエネルギーを、基礎代謝量と身体活動レベルから計算します。子どもは、これに体を大きくする分のエネルギーを加えます。スポーツの習慣がある子は、身体活動レベルが「高い」にあたります。
| 年齢 | 男子 | 女子 |
|---|---|---|
| 10〜11歳 | 約2,500kcal | 約2,350kcal |
| 12〜14歳 | 約2,900kcal | 約2,700kcal |
(日本人の食事摂取基準2025の参照体重、基礎代謝量、身体活動レベル「高い」、エネルギー蓄積量で計算、〜p71)
大人とほとんど変わらない、またはそれ以上の量です。若い選手のエネルギー必要量を正確に決めるのは難しいとされているので、数字はあくまで目安です。いちばんわかりやすいものさしは、身長と体重が順調に伸びているかどうかです。
エネルギーが足りないと、たんぱく質も筋肉にならない
エネルギーが足りないと、体は食べたたんぱく質をエネルギーとして使ってしまいます。そうなると、筋肉の材料が回ってきません。主食をしっかり食べることが、たんぱく質を体づくりに回すことにつながるのです。
体重を落とす必要はありません。成長期は、体重が増えていくのがふつうです。体が大きくなる時期に、食べる量をしっかり保つことが、当たり負けない体への近道です。体重の変化の見方は体重の読み方を参考にしてください。
ごはん
おにぎり
バナナ
たんぱく質は「毎食」とる
成長期のたんぱく質の推奨量
| 年齢 | 男子(g/日) | 女子(g/日) |
|---|---|---|
| 8〜9歳 | 40 | 40 |
| 10〜11歳 | 45 | 50 |
| 12〜14歳 | 60 | 55 |
| 15〜17歳 | 65 | 55 |
(推奨量。出典:日本人の食事摂取基準2025 p103)
UEFAの専門家グループの声明では、強い練習をしている思春期のジュニア選手のたんぱく質は、体重1kgあたり1日1.6gまでで適切で、食事で十分にとれるとされています。体重40kgなら64g、体重50kgなら80gです。
1日3回、毎食に分ける
たんぱく質は、一度にまとめてとるより、朝・昼・夕の毎食に分けてとるのがおすすめです。夕食だけお肉をたくさん食べても、朝ごはんがパンだけでは、体をつくる材料が1日中そろいません。
| 食品と量 | たんぱく質 |
|---|---|
| 鶏むね肉(皮なし)80g | 18.6g |
| 牛もも赤肉 80g | 17.5g |
| しろさけ 1切れ(80g) | 17.8g |
| 卵 1個(50g) | 6.1g |
| 納豆 1パック(40g) | 6.6g |
| 木綿豆腐 1/3丁(100g) | 7.0g |
| 牛乳 コップ1杯(200g) | 6.6g |
| ヨーグルト 1カップ(100g) | 3.6g |
(日本食品標準成分表で計算)
朝は卵と納豆、昼は給食、夕は肉か魚のおかず。これに牛乳を1日2回。これだけで、推奨量にしっかり届きます。
鶏むね肉
牛もも肉
しろさけ
練習のあとは2時間以内に
練習のあとは、なるべく早く、2時間以内に食事や補食をとるのが基本です。おにぎりと牛乳、鮭おにぎりとヨーグルトなど、炭水化物とたんぱく質を一緒にとれる組み合わせがおすすめです。
プロテインやサプリは使わなくていい
「体を大きくするには、プロテインが必要?」とよく聞かれます。答えは、ふだんの食事で十分です。
UEFAの声明では、ジュニア選手のたんぱく質は食事で十分にとれ、サプリメントは不要とされています。IOCの声明でも、運動能力の向上を目的に、若い選手に栄養補助食品をすすめることは適切ではないとされています。
体づくりの主役は、ごはん・おかず・牛乳。毎日の食事に自信を持ちましょう。くわしくはジュニアプロテインやサプリは必要?を見てください。
骨も「当たり負けない体」の一部
競り合いやジャンプの着地、転んだときに体を支えるのは骨です。成長期は、骨が一生のうちでいちばん太く強くなる時期です。
| 年齢 | カルシウム推奨量(男子) | カルシウム推奨量(女子) | ビタミンD目安量 |
|---|---|---|---|
| 10〜11歳 | 700mg | 750mg | 8.0μg |
| 12〜14歳 | 1,000mg | 800mg | 9.0μg |
| 15〜17歳 | 800mg | 650mg | 9.0μg |
(出典:日本人の食事摂取基準2025 カルシウム p283・ビタミンD p182)
12〜14歳の男子は、1日に1,000mgのカルシウムが推奨量です。一生の中でいちばん多い量です。
| 食品と量 | カルシウム |
|---|---|
| 牛乳 コップ1杯(200g) | 220mg |
| ヨーグルト 1カップ(100g) | 120mg |
| 木綿豆腐 1/3丁(100g) | 93mg |
| こまつな 80g | 136mg |
| 納豆 1パック(40g) | 36mg |
(日本食品標準成分表で計算)
牛乳1日2杯で440mg。これにヨーグルト、豆腐、青菜を足せば、推奨量に近づきます。骨のことは骨はカルシウムだけじゃないでもくわしく紹介しています。
牛乳
ヨーグルト
こまつな
眠っている間に、体はつくられる
育成年代は9時間以上
JFA栄養ガイドラインでは、育成年代の睡眠時間を9時間以上としています。眠っている間は、成長を進めるホルモンがたくさん出て、練習で使った筋肉の修復も進みます。
- 朝7時に起きるなら、夜10時までに布団に入る
- 夜練のある日は、帰ったらすぐ夕食とお風呂をすませる
- 寝る前のスマートフォンやゲームは、時間を決める
夜練のあとの夕食の工夫は夜練のあとの遅い夕食、睡眠のことは睡眠と成長の記事を見てください。
寝る前のひと工夫
夕食から寝るまでに時間があいて、おなかがすいてしまう日は、牛乳やヨーグルトを1杯とってから眠るのもよい方法です。たんぱく質とカルシウムを足せて、ぐっすり眠りやすくなります。
当たり負けない体をつくる1日の例
体重40kgの中学1年生の男子を想定した例です。
| 食事 | 献立 | たんぱく質のめやす |
|---|---|---|
| 朝 | ごはん(200g)・卵焼き(卵1個)・納豆1パック・牛乳1杯 | 約24g |
| 昼 | 学校の給食 | 献立による |
| 練習後の補食 | おにぎり1個・ヨーグルト1カップ | 約6g |
| 夕 | ごはん(200g)・牛もも肉と野菜の炒め物(牛肉80g)・豆腐のみそ汁(豆腐50g)・こまつなのおひたし(80g)・牛乳1杯 | 約34g |
(日本食品標準成分表で、主な食品の値だけをたした目安です)
給食を入れなくても約64g。推奨量の60gにも、UEFAの声明の上の目安64gにも届きます。主菜を毎食1品、牛乳を1日2杯。これがいちばん確かな体づくりです。

毎食おかずを1品、牛乳を1日2杯、ごはんはしっかり。これで体は大きくなる!
よくある質問
Q. 体を大きくするには、とにかくたくさん食べればいい?
たくさん食べることは大切ですが、量だけでなく、主食・主菜・副菜・牛乳・乳製品・果物の5つをそろえることがポイントです。材料(たんぱく質・カルシウム)とエネルギーの両方がそろうと、体は大きくなります。
Q. 筋トレをしたほうがいい?
成長期の体づくりは、ふだんのサッカーの練習と、食事と睡眠で十分に進みます。体幹トレーニングなどは、チームの指導者の方針に合わせて取り入れましょう。
Q. 太っている子は、食べる量を減らしたほうがいい?
成長期は、体重が増えていくのがふつうです。食べる量を減らすより、主食・主菜・副菜をそろえて、練習をしっかり続けることを大切にしましょう。身長の伸びと一緒に体重を見ていくと、体の変化がわかりやすくなります。
Q. 好き嫌いが多くて、肉をあまり食べません
魚・卵・大豆製品・乳製品からも、たんぱく質はしっかりとれます。肉以外でたんぱく質をとる方法を参考にしてください。
Q. 食が細くて量が食べられません
1回の量を増やすより、補食を入れて食べる回数を増やすのがおすすめです。食が細い子の食べ方で、具体的な工夫を紹介しています。
子どもへの声かけ
- 「競り合いに強くなるには、毎食のおかずが大事だよ」
- 「今夜は早く寝て、体を大きくしよう」
- 「牛乳は、骨を強くする味方だよ」

当たり負けない体は、毎日のごはんと睡眠の積み重ね。今日もしっかり食べて、しっかり眠ろう!
まとめ
- 当たり負けない体は、エネルギー・たんぱく質・カルシウムと睡眠でつくる
- 成長期のエネルギーは大人並み。主食をしっかり食べることが土台
- たんぱく質は毎食に分けて。ジュニアは体重1kgあたり1.6gまでで適切
- プロテインやサプリは不要。ふだんの食事で十分
- 育成年代の睡眠は9時間以上
体づくりに向くレシピは当たり負けない体づくりのレシピにまとめています。
出典:UEFA エリートサッカーの栄養に関する専門家声明(2021)、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、IOC 若年競技者に関する合意声明(2015)、日本サッカー協会「JFA栄養ガイドライン」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)
