本文へ移動
← 読み物の一覧
約9分

骨はカルシウムだけでは育たない:ビタミンD・ビタミンK・たんぱく質と一緒にとる

骨のために「牛乳を飲もう」はよく聞きますよね。でも、骨づくりはカルシウムだけのチームプレーではないんです。ほかにも大事なメンバーがいます。

成長期は、骨がぐんぐん伸びて、太く、強くなっていく時期です。走る・跳ぶ・蹴る・ぶつかる、と骨に負荷のかかるサッカーをしている子どもにとって、丈夫な骨はとても大切です。

骨の材料といえばカルシウムですが、カルシウムだけをたくさんとっても、骨は十分には育ちません。この記事では、カルシウムと一緒に働くビタミンD・ビタミンK・たんぱく質について、どんな食べ物からとれるのかを紹介します。カルシウムそのもののとり方は成長期の骨づくりと牛乳が飲めない子のカルシウムの記事を参考にしてください。

骨づくりのチームメンバー

骨づくりにかかわる栄養素を、サッカーのチームにたとえて整理してみましょう。

栄養素骨づくりでの役割たとえると
カルシウム骨のかたさをつくる材料ボール(なくては始まらない)
たんぱく質骨の土台(コラーゲン)の材料グラウンド(土台)
ビタミンD腸からカルシウムを取りこむのを助けるパスを出す選手
ビタミンKカルシウムを骨にとどめる働きを助けるパスを受けて決める選手

(一般的な栄養の知識をもとにした、このサイトのまとめです)

国際オリンピック委員会(IOC)の若い競技者についての合意声明でも、健康と成長を支える食事として、十分なカルシウムとビタミンDが挙げられています。

ボールだけあっても、パスを出す人と受ける人、そしてグラウンドがないと試合にならない。骨づくりも同じなんです。

カルシウム:成長期にいちばん必要

まずはおさらいです。日本人の食事摂取基準(2025年版)で、カルシウムの推奨量は次のとおりです。

年齢男子(mg/日)女子(mg/日)
10〜11歳700750
12〜14歳1000800
15〜17歳800650

(推奨量。出典:日本人の食事摂取基準2025 p283)

牛乳・ヨーグルト・チーズのほか、小魚、豆腐、こまつななどの青菜からもとれます。

  • 牛乳
  • ヨーグルト
  • プロセスチーズ

ビタミンD:魚・きのこ・日光

ビタミンDの働き

ビタミンDは、食べたカルシウムを腸から体に取りこむのを助けます。ビタミンDが足りないと、カルシウムをとっても体にうまく取りこまれません。

どのくらい必要?

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、ビタミンDの1日の目安量は次のとおりです。

年齢男女とも(μg/日)
10〜11歳8.0
12〜14歳9.0

(目安量。出典:日本人の食事摂取基準2025 p182)

どんな食べ物に多い?

ビタミンDは、とれる食べ物の種類がかぎられている栄養素です。中心になるのは魚ときのこです。

食べ物1回の量の例ビタミンD
しろさけ1切れ(80g)約25.6μg
まあじ1尾分の身(80g)約7.1μg
しらす干し(半乾燥品)大さじ2(10g)約1.2μg
卵1個(50g)約1.9μg
えのきたけ1/2袋(50g)約0.5μg
ぶなしめじ1/2パック(50g)約0.3μg

(日本食品標準成分表で計算。量はこのサイトの例です)

  • しろさけ
  • まあじ
  • しらす干し

さけ1切れで、1日の目安量を大きく上回ります。毎日でなくても、週に何回か「魚の日」をつくると、ビタミンDをとりやすくなります。肉が好きな子でも、さけのムニエルやあじフライなど、食べやすい魚料理から始めてみましょう。

  • 卵
  • えのきたけ
  • ぶなしめじ

日光もビタミンDの味方

ビタミンDは、皮ふに日光(紫外線)が当たることで、体の中でもつくられます。外で練習するサッカー選手は、日光を浴びる機会が多い競技です。ただし、冬や、室内での練習が多い時期、日焼け止めをしっかり使っているときは、体でつくられる量が減ることがあります。そういう時期こそ、食事からのビタミンDを意識しましょう。

夏の暑い時期の外での練習は、熱中症に十分注意してください(暑い日の食事と水分)。

外で元気に走る時間も、骨づくりの一部。魚ときのこを食べて、グラウンドでたくさん日光を浴びましょう!

ビタミンK:納豆と緑の野菜

ビタミンKの働き

ビタミンKは、骨にカルシウムがとどまるのを助ける働きがあります。また、けがをしたときに血を固める働きにもかかわっています。

どんな食べ物に多い?

ビタミンKは、納豆と、色の濃い緑の葉もの野菜に多く含まれています。

食べ物1回の量の例ビタミンK
納豆1パック(40g)約240μg
ほうれんそう(生)小鉢1杯分(70g)約189μg
こまつな(生)小鉢1杯分(70g)約147μg
ブロッコリー(生)小房4〜5個(50g)約105μg

(日本食品標準成分表で計算。量はこのサイトの例です)

  • 納豆
  • こまつな
  • ほうれんそう

ビタミンKは油に溶けやすい性質があるので、青菜は炒め物やごまあえにすると食べやすく、体にも取りこまれやすくなります。調理のコツはゆでる・炒める・汁ごと食べるの記事も参考にしてください。

なお、病気の治療で血液を固まりにくくする薬を飲んでいる場合は、納豆などについて医師の指示に従ってください。

たんぱく質:骨の土台をつくる

骨は、かたいカルシウムのかたまりだけでできているわけではありません。骨の中には、コラーゲンというたんぱく質でできた「土台」があり、そこにカルシウムなどがくっついて、かたくて、しなやかな骨になります。

そのため、骨を育てるには、たんぱく質も欠かせません。魚・肉・卵・大豆製品・牛乳など、主菜や乳製品をしっかりとりましょう。

  • 木綿豆腐
  • ブロッコリー
  • ごはん

そして、骨を伸ばし、筋肉を動かすためのエネルギーとして、主食もしっかり食べることが大切です。エネルギーが足りないと、とったたんぱく質がエネルギーとして使われてしまい、体づくりに回りにくくなります。

骨づくりのメンバーがそろう献立

1つの食事で、カルシウム・ビタミンD・ビタミンK・たんぱく質がそろう例です。

料理主な役割
ごはんエネルギー
さけの塩焼きビタミンD・たんぱく質
納豆ビタミンK・たんぱく質
こまつなとしめじのおひたし(しらすのせ)ビタミンK・カルシウム・ビタミンD
豆腐のみそ汁たんぱく質・カルシウム
牛乳またはヨーグルトカルシウム・たんぱく質

(このサイトの例です)

主食・主菜・副菜・牛乳・乳製品・果物の5つをそろえる基本の形に、魚・納豆・青菜・きのこを意識して入れていくと、骨づくりのメンバーが自然にそろいます。

  • しいたけ

骨づくりは食事だけではない

  • 運動:骨は、体を動かして負荷がかかることで強くなります。サッカーの練習そのものが、骨づくりの助けです
  • 睡眠:成長にかかわるホルモンは、寝ている間に多く出ます。日本サッカー協会のガイドラインでは、育成年代の睡眠時間は9時間以上が目安とされています
  • エネルギー:食べる量が足りない状態が続くと、骨の成長にも影響します。とくに女の子は女子選手の食事も参考にしてください

よく食べて、よく動いて、よく寝る。骨づくりも、この3つのセットが基本です。

よくある質問

Q. 魚が苦手で、ビタミンDがとれません

ツナやさけフレーク、しらすをごはんや卵焼きに混ぜると、食べやすくなります。卵やきのこからもとれます。外で練習する時間も、ビタミンDを体でつくる助けになります。

Q. 納豆が苦手です

ビタミンKは、こまつな・ほうれんそう・ブロッコリーなど、緑の野菜からもとれます。卵と炒める、ごまあえにする、みそ汁に入れるなど、食べやすい形で試してみましょう。

Q. 骨のためのサプリを使ったほうがいいですか?

まずは食事からとることが基本です。とりすぎになる心配もあるので、使う場合は医師や管理栄養士に相談しましょう。広告の読み方はスポーツ食品・サプリの広告の読み方を参考にしてください。

子どもへの声かけ

  • 「牛乳だけじゃなくて、魚と納豆も骨の味方だよ」
  • 「今日はさけの日。骨が強くなるビタミンDがたっぷり」
  • 「青菜も食べると、カルシウムが骨にくっつきやすくなるんだって」
  • 「外で練習するのも、骨づくりになってるよ」

まとめ

  • 骨づくりはカルシウムだけでなく、ビタミンD・ビタミンK・たんぱく質のチームプレー
  • カルシウムは12〜14歳の男子で1日1000mgと、成長期にいちばん多く必要
  • ビタミンDは魚・きのこ・卵から、そして日光からも(目安量は12〜14歳で9.0μg)
  • ビタミンKは納豆と緑の葉もの野菜から
  • たんぱく質とエネルギーも、骨の土台づくりに欠かせない
  • 運動と睡眠も合わせて、骨を育てる

カルシウムがとれるレシピはカルシウムがとれるレシピで探せます。

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、IOC 若年競技者に関する合意声明(2015)、日本サッカー協会「JFA栄養ガイドライン」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)

この記事の間違いを知らせる