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家庭の段取り・約9分

海外遠征・サッカー留学の食事:日本から持たせる食べ物、現地の水と食べ物の選び方、夕食が遅い国での補食

春休みに、チームでスペインへ遠征! うれしいけど、ごはんは大丈夫かな? 日本から何を持たせればいいの?

知恵袋には、「中学1年の息子が、春休みにサッカー遠征でスペインへ行きます。海外は初めてで、何に気をつければいいですか」という保護者の質問があります。回答には、「食事の時間が20時以降と遅く、油っこいものが多い」という声がついていました。ほかにも、「小学6年の息子が10日間ほどスペインへサッカー留学に行きます」という質問も見つかります。

結論から言うと、海外遠征の食事のポイントは3つ。「水と食べ物は火が通ったもの・ふたの閉まったものを選ぶ」「日本から、食べ慣れた主食とひと口のおかずを持たせる」「夕食が遅い日は、夕方に補食を1回入れる」。この3つを押さえれば、海外でもしっかり食べて、元気にボールを追いかけられます。

国のスポーツ栄養の専門家も「海外遠征の食事」を学ぶ

日本スポーツ振興センターがまとめたアスリート向けの栄養の講習(HPSCパッケージ)には、「海外遠征時の食事」というテーマがあります。その中身は、次の項目です。

「海外遠征時の食事」で学ぶこと家庭で準備すること
空港と機内での過ごし方移動の日の食べ物と飲み物
海外の衛生状況・海外の水の特徴水と食べ物の選び方を子どもと確認
海外と日本の食材や料理の違い現地の主食を知っておく
食事様式別の食事のとり方ビュッフェ・レストランでのお皿の組み立て
日本から持参すると便利な食品と調理機器持たせる食べ物のリスト
想定外のことと対策食事が足りない日の補食

トップアスリートも、海外へ行く前にこれだけのことを準備しています。子どもの遠征でも、同じ順番で準備するとわかりやすくなります。

日本サッカー協会の記事では、JFAアカデミー福島女子(高校生の選手)が、国立スポーツ科学センターの講師から海外遠征の食事を学んだ様子が紹介されています。講義では、海外の食環境にどんな状況でも対応できるよう事前に準備できるものや、海外で自炊するときに日本から持っていくとよいものが取り上げられました。

海外遠征は、出発前の準備で半分決まるよ。荷物を詰めるときに、食べ物の準備もいっしょにしよう!

水と食べ物の選び方:農林水産省の6つのポイント

農林水産省は、海外旅行で病気にならないための注意を「生水と生ものに注意!」としてまとめています。出発前に、子どもといっしょに読んでおきましょう。

場面農林水産省のポイント
出発前現地の衛生状態や、飲料水・食品の注意を事前に確認する
水生水は飲まない。飲むなら3〜5分間沸騰させる
飲み物缶・びん・ペットボトル入りで、信頼できるメーカーのものを飲む
氷信頼できる飲食店以外では、氷入りのジュースやかき氷を避ける
肉・魚・野菜十分に火の通ったものを食べる。生卵や、火の通っていない乳・卵製品、自家製アイスを避ける
果物清潔な飲料水で洗うか、汚れをとってから皮をむき、すぐ食べる。信頼できる飲食店以外ではカットフルーツを避ける

子どもに伝えるときは、短い合言葉にすると覚えやすくなります。

  • 「水はふたの閉まったボトル」:水筒に入れる水も、ボトルの水を使う
  • 「肉と魚は、湯気の出ているもの」:よく焼いた肉、温かい煮込み、パスタ、スープがおすすめ
  • 「果物は、自分で皮をむくもの」:バナナやオレンジは、皮をむいてすぐ食べられる、遠征の強い味方

JFAアカデミー福島女子のセミナーに参加した選手は、日本のペットボトルの水はほとんどが軟水だけれど、国によっては硬水の国もあるので、事前に軟水かどうかを確認したい、と感想を書いています。現地のスーパーでボトルの水を選ぶときに、ラベルを見る習慣をつけておくとよいですね。

水分と塩分のとり方はスポーツドリンクの記事でも紹介しています。

  • バナナ
  • オレンジ
  • ヨーグルト
  • 卵

現地の主食を知っておく:ごはん・パン・パスタの量

海外の食事は、日本のようにごはんが毎食出るとは決まっていません。ヨーロッパなら、パンやパスタが主食になる日が多くなります。日本食品標準成分表で、主食の量を比べてみましょう。

主食エネルギー炭水化物
ごはん 茶わん1杯(150g)約234kcal約55.7g
ごはん 大盛り(200g)約312kcal約74.2g
フランスパン 60g約173kcal約34.5g
フランスパン 100g約289kcal約57.5g
スパゲッティ ゆで 200g約300kcal約64.4g
スパゲッティ ゆで 250g約375kcal約80.5g

(日本食品標準成分表の100gあたりの値から計算)

ごはん大盛り1杯の炭水化物(約74.2g)は、フランスパンなら約130g、スパゲッティならゆでて約230gで、だいたい同じくらいになります。パンやパスタの日は、「いつものごはんと同じくらい」を目安に、パンはおかわり、パスタはたっぷりと。ビュッフェでのお皿の組み立て方はビュッフェの選び方の記事でくわしく紹介しています。

  • ごはん
  • フランスパン
  • スパゲッティ
  • 牛乳

日本から持たせる食べ物

JFAアカデミーのセミナーでも取り上げられた「日本から持っていくとよいもの」。子どもの遠征なら、食べ慣れた主食と、ごはんに足せるひと口のおかずを中心にすると、荷物も軽くまとまります。

持たせる食べ物どんなときに中身のめやす(成分表から)
焼きのりパンや現地のごはんに巻いて3gでたんぱく質約1.2g
かつお節の小袋ごはん・パスタ・スープにかけて3gでたんぱく質約2.3g
オートミールお湯や牛乳でふやかして朝ごはんに30gで炭水化物約20.7g
電子レンジや湯せんで温めるごはん食事が口に合わない日の主食にごはん200gで炭水化物約74.2g
ふりかけ・小袋のみそ汁食欲がない日のひと口目に食べ慣れた味で食欲のスイッチを入れる

かつお節や焼きのりは、とても軽いのに、ごはんがすすむ心強い1品です。持ちものの量は、遠征の日数とチームの食事の予定に合わせて決めましょう。食事がすべてついている遠征なら、「食欲がない日のための1〜2回分」でじゅうぶんです。

食品を海外へ持っていくときは、国ごとの持ちこみのルールを、チームの引率の方に事前に確かめておきましょう。

  • 焼きのり
  • かつお節
  • オートミール

夕食が遅い国では、夕方に補食を1回

知恵袋の回答にあったように、スペインなどでは夕食の時間が20時以降になることがあります。日本で18〜19時に夕食を食べている子にとっては、昼ごはんから夕食までがとても長くなります。

こんな日は、夕方に補食を1回入れて、夕食はいつもどおりしっかり食べるのがコツです。

時間食べるもの
12〜13時昼ごはん(主食をたっぷり)
練習・試合のあとバナナ、パン、ヨーグルトなどの補食
17〜18時もう1回、パンやおにぎり、果物の補食
20時以降夕食。主食・肉や魚・野菜をそろえて

バナナ1本(可食部100g)は約93kcal、炭水化物約22.5g。オレンジ100gにはビタミンCが約60mg入っています。皮をむいてすぐ食べられる果物は、農林水産省のポイントにも合っていて、海外の補食にぴったりです。補食の考え方は補食の記事でも紹介しています。

移動の日:空港と機内

HPSCパッケージで最初の項目になっているのが「空港と機内での過ごし方」です。飛行機に乗る日は、長い時間すわったままになり、食事の時間もいつもとずれます。

  • 出発前に、空港でしっかり1食:ごはんやパンなど、主食のある食事を
  • 機内では、出された食事の主食を残さずに:パンやごはんは、移動の日のエネルギー源
  • 飲み物はこまめに:機内でもらえる水やお茶を、少しずつ
  • かばんに、ひと口の補食を:おにぎりやパン、ビスケットなど、乗りかえの待ち時間にも食べられるもの

現地に着いた日の夕食は、スープやパン、果物など、食べやすいものから始めると、食事のリズムに乗りやすくなります。国内の合宿・遠征の準備は合宿・遠征の食事の記事でもチェックリストにしています。

よくある質問

Q. 現地の水道の水で歯みがきしてもいい?

A. 農林水産省のポイントでは、生水は飲まないこととされています。うがいや歯みがきのときも、口に入る水はボトルの水を使うと安心です。

Q. 現地のサラダは食べてもいい?

A. 農林水産省は、魚介類・肉・野菜は十分に火の通ったものを食べるよう勧めています。野菜は、スープや煮込み、焼き野菜などの温かい料理でたっぷりとりましょう。

Q. 海外の料理が口に合わず、食べられなかったら?

A. 持たせた焼きのりやかつお節、温めるごはんの出番です。現地のパンにのりを巻いたり、パスタにかつお節をかけたりするだけで、食べ慣れた味に近づきます。

Q. アイスクリームは食べてもいい?

A. 農林水産省は、自家製アイスを避けるよう書いています。食べるなら、お店で売っている、包装されたものを選びましょう。

Q. 帰国したあと、何を食べればいい?

A. いつもの家のごはんに戻せば大丈夫です。おなかの調子をくずしたときは、胃腸炎のあとの食事の記事を参考にしてください。

子どもへの声かけ

  • 「水はふたの閉まったボトル。合言葉だよ」
  • 「肉と魚は、湯気の出ているものを選ぼうね」
  • 「バナナとオレンジは、自分で皮をむいて食べられるよ」
  • 「夕ごはんが遅い日は、夕方にパンをひとつ食べておこう」
  • 「のりとかつお節、かばんに入れたよ。困ったら使ってね」
  • 「海外のパスタ、どんな味だった? 帰ってきたら教えてね!」

海外のグラウンドでも、しっかり食べれば元気いっぱい! 準備をととのえて、思いっきりサッカーを楽しんできてね!

まとめ

  • 海外遠征の食事は「火が通ったもの・ふたの閉まったもの」「日本から食べ慣れた主食とひと口のおかず」「夕食が遅い日は夕方に補食」の3つ
  • 農林水産省のポイント:生水は飲まない、飲み物は缶・びん・ペットボトル、肉・魚・野菜は十分に火の通ったもの、果物は皮をむいてすぐ食べる、カットフルーツや氷入りの飲み物は信頼できる店以外では避ける
  • 国によっては硬水の国もあるので、ボトルの水は軟水かどうかをラベルで確認
  • ごはん大盛り200gの炭水化物(約74.2g)は、フランスパン約130g、スパゲッティ(ゆで)約230gと同じくらい
  • 焼きのり3gでたんぱく質約1.2g、かつお節3gで約2.3g。軽くて、ごはんがすすむ持ちもの
  • バナナ1本で炭水化物約22.5g、オレンジ100gでビタミンC約60mg。皮をむく果物は海外の補食にぴったり

試合の日の食べる時間は試合当日の食事の記事、連戦の日の食べ方は大会で連戦の日の食事の記事でも紹介しています。

出典

  • 農林水産省「海外旅行では生水と生ものに注意!」 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/abroad.html
  • 日本サッカー協会「JFAアカデミー福島女子 栄養セミナー」(2018年12月、国立スポーツ科学センターの講師による高校生の選手向けの講義) https://jfa.jp/women/news/00019970/
  • 日本スポーツ振興センター「HPSCパッケージ 栄養分野の概要」2023年10月版 https://hpsc-network.jpnsport.go.jp/file/357
  • 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」 ごはん 01088・フランスパン 01031・マカロニ・スパゲッティ ゆで 01064・バナナ 07107・オレンジ ネーブル 07040・焼きのり 09004・かつお節 10091・ヨーグルト 全脂無糖 13025・鶏卵 12004・普通牛乳 13003・オートミール 01004

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)

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