大会で連戦の日の食事 1日目の夜から2日目の朝、試合と試合の間まで

「午前に1試合、午後に1試合。次の日も朝から試合…」。大会の連戦になると、いつ、何を食べさせればいいのか迷いますよね。
連戦の食事でいちばん大事なのは、使った燃料を、次の試合までに戻しておくことです。サッカーは、ダッシュをくり返す競技です。その燃料になる筋肉のグリコーゲンは、試合で減り、食事でしか戻りません。
この記事では、試合と試合の間、1日目の夜、2日目の朝の3つの場面に分けて、食べ方を具体的に紹介します。
連戦の食事は「戻す→ためる→出す」
連戦の日の食事は、3つの役目をくり返します。
| 役目 | いつ | 何をする |
|---|---|---|
| 戻す | 試合のすぐあと | 使った炭水化物と水分を、なるべく早く補充する |
| ためる | 夕食・次の日の朝 | 主食をしっかり食べて、筋肉のグリコーゲンを満タンにする |
| 出す | 次の試合の前 | 胃にやさしい炭水化物で、走るための燃料を届ける |
(このサイトのまとめです)
UEFAの専門家グループの声明では、試合の前日・当日・翌日の炭水化物を、1日に体重1kgあたり6〜8gとしています。さらに、試合が続く過密日程では、試合のあと48〜72時間まで、この量を続けるとされています。大会の2日間は、まるごと「炭水化物をしっかりの日」と考えましょう。
| 体重 | 1日の炭水化物の目安(6〜8g/kg) |
|---|---|
| 30kg | 180〜240g |
| 35kg | 210〜280g |
| 40kg | 240〜320g |
(の体重あたりの値で計算)

大会の2日間は「ごはん多めモード」。主食をしっかり食べるのが、いちばんの作戦です!
場面1:試合と試合の間
次の試合までの時間で考える
試合と試合の間の食事は、次の試合まで何時間あるかで決めます。
| 次の試合まで | 食べ方 |
|---|---|
| 1時間以内 | バナナ、ひと口ゼリー、カステラひと切れなど、すぐ消化できるもの。水分も一緒に |
| 1〜2時間 | おにぎり1個、バナナ、カステラ、干し芋など、炭水化物中心の補食 |
| 2〜3時間 | おにぎり2個、具の軽いうどんなど、軽い食事 |
| 3〜4時間 | ごはん・めん類を中心にした、ふつうの食事(脂の多いおかずは避ける) |
(このサイトのまとめです)
キックオフの3〜4時間前の食事では、体重1kgあたり1〜3gの炭水化物が目安です。体重40kgなら40〜120gです。
回復の時間が短いときは、こまめに
共同声明では、燃料を多く使う運動と運動の間が8時間未満のときは、最初の4時間、1時間ごとに体重1kgあたり1〜1.2gの炭水化物をとることをすすめています。UEFAの声明でも、試合後の4時間は1時間ごとに体重1kgあたり1gが目安です。
体重40kgの子なら、1時間に40〜48gです。一度にたくさん食べるより、こまめに分けて食べるほうが、子どもには合っています。
| 補食の組み合わせ | 炭水化物 |
|---|---|
| おにぎり1個(100g) | 39.3g |
| バナナ1本(100g) | 21.1g |
| カステラ1切れ(50g) | 31.3g |
| 干し芋 2枚(30g) | 19.1g |
| ヨーグルト(ドリンクタイプ)1本(200g) | 23.0g |
| オレンジ 1/2個(100g) | 10.3g |
(日本食品標準成分表で計算。利用可能炭水化物の値)
たとえば、試合が終わってすぐにバナナ1本(21.1g)とドリンクタイプのヨーグルト1本(23.0g)で約44g。1時間後におにぎり1個(39.3g)。これで最初の2時間の目安に届きます。
JFA栄養ガイドラインでは、日本代表で提供している補食として、おにぎり、干し芋、ようかん、カステラ、きなこ入り甘酒、飲むヨーグルト、オレンジジュースなどが紹介されています。どれも、スーパーやコンビニで手に入るものばかりです。
おにぎり
干し芋
カステラ
水分もしっかり戻す
試合でかいた汗の分の水分も、次の試合までに戻します。JFA栄養ガイドラインでは、失った水分の150%を、数時間かけてとることをすすめています。試合の前後に体重を測れば、どのくらい汗をかいたかがわかります。体重が0.5kg減っていたら、750mlが目安です。
次の試合の2〜4時間前には、体重1kgあたり5〜7mlの水分をとるのが目安です。体重40kgなら200〜280ml、コップ1〜1杯半です。
ハーフタイムにもひと口
試合中の炭水化物は、ウォーミングアップのあとと、ハーフタイムにとるのが目安です。連戦の2試合目、3試合目は、ハーフタイムにバナナをひと口、スポーツドリンクをひと口とるだけでも、後半の走りを支えます。
場面2:1日目の夜
1日目の夕食は、2日目の燃料をためるいちばん大事な食事です。
夕食のポイント
- 主食をいつもより多めに:ごはんをおかわり、めん類とごはんの両方を出すなど
- 主菜でたんぱく質:試合で使った筋肉を修復します
- 果物と牛乳・乳製品も:5つの料理をそろえる
- 汁物で水分と塩分:みそ汁やスープで、汗で失った分を補う
1日目の夕食の例(体重40kgの子)
| 料理 | 量 | 炭水化物 |
|---|---|---|
| ごはん | 大盛り200g+おかわり100g | 108.3g |
| 鶏むね肉の照り焼き | 80g | ― |
| 豆腐とわかめのみそ汁 | 豆腐50g | ― |
| 野菜の煮物・おひたし | 小鉢1〜2 | ― |
| オレンジ | 100g | 10.3g |
| 牛乳 | コップ1杯(200g) | 10.6g |
(日本食品標準成分表で、主な食品の値だけをたした目安です)
主な食品だけで約129g。朝・昼・補食と合わせれば、1日の目安の240〜320gに届きます。
ごはん
鶏むね肉
木綿豆腐

1日目の夜は、ごはんのおかわりが2日目の作戦会議!
夜が遅くなる日は
大会のあとに移動や反省会があって、夕食が遅くなる日もあります。そんなときは、帰りの車の中でおにぎりやバナナをひとつ食べておくと、練習後2時間以内に食べるという目安にも合います。家に着いたら、うどんや雑炊、具だくさんの汁物など、すぐ食べられて消化のよい料理が便利です。
早く寝る
JFA栄養ガイドラインでは、育成年代の睡眠時間を9時間以上としています。2日目の朝が早い大会なら、1日目は早めにお風呂を終わらせて、9時間眠れる時間に布団に入りましょう。
場面3:2日目の朝
2日目の朝ごはんは、ためた燃料に、最後の一杯を足す食事です。
朝ごはんのポイント
- キックオフの3〜4時間前に食べ終わる
- ごはん、パン、うどん、もちなど、食べ慣れた主食を中心に
- 脂の多いおかず(揚げ物など)は昼以降に回す
- 牛乳やヨーグルト、果物も一緒に
2日目の朝ごはんの例(体重40kgの子)
| 料理 | 量 | 炭水化物 |
|---|---|---|
| ごはん(または おにぎり2個) | 200g | 72.2g |
| 卵焼き | 卵1個 | ― |
| みそ汁 | 1杯 | ― |
| バナナ | 1本(100g) | 21.1g |
(日本食品標準成分表で、主な食品の値だけをたした目安です)
主食とバナナで約93g。キックオフ3〜4時間前の目安(40kgなら40〜120g)の真ん中くらいです。
朝が早すぎて食べられない子は、起きてすぐにバナナやカステラをひと口、会場に着いてからおにぎり、と2回に分けると食べやすくなります。
バナナ
卵
飲むヨーグルト
連戦の日の食事の安全
連戦の日にお腹をこわすと、もったいないですね。JFA栄養ガイドラインでは、試合の前に、刺身や生卵などの生もの、生焼けの肉、作ってから時間のたった料理を避け、ふだん食べ慣れた食事をとることをすすめています。
- お弁当は保冷剤と保冷バッグで冷やして持っていく
- おにぎりは、具を梅・鮭・昆布など火を通したものや塩気のあるものに
- 暑い日は、作ってから時間がたったお弁当を食べ切ってしまう
お弁当の工夫は大会の日のお弁当でくわしく紹介しています。
よくある質問
Q. 試合と試合の間にお昼ごはんのお弁当を食べてもいい?
次の試合まで2時間以上あれば、お弁当を食べて大丈夫です。1時間くらいしかないときは、おにぎりだけ先に食べて、おかずは試合のあとに回しましょう。
Q. 1試合目でたくさん出て、2試合目はベンチ。食べる量は変える?
2試合目に出るかどうかはその時になるまでわからないことも多いので、同じように補食をとっておきましょう。次の日の試合のためにも、燃料を戻しておくことは役に立ちます。
Q. 疲れて食欲がないときは?
固形のものが入らないときは、ドリンクタイプのヨーグルト、果物、ゼリー、具の軽いうどんなど、のどを通りやすいものから始めましょう。少し時間をおくと、食欲が戻ってくる子も多いです。
Q. スポーツドリンクは何本くらい?
汗の量と天気で変わります。試合の前後に体重を測ると、どれだけ飲めばいいかがわかります。暑い日の水分のとり方は雨・寒い日・暑い日の試合の食事と水分を見てください。
Q. 2日目の夜も、ごはん多めがいい?
はい。過密日程では、試合のあと48〜72時間まで炭水化物をしっかりとるとされています。大会が終わった日の夜と、その次の日の朝もしっかり食べると、疲れが早く抜けます。
当日のタイムスケジュールを作る
試合が何試合もある日は、キックオフの時刻から逆算して、食べる時間を決めておくと安心です。試合の日の準備では、1日に何試合でも入力できます。試合の予定を入れて、食事と補食の時間を家族で共有しておきましょう。
子どもへの声かけ
- 「試合おつかれさま! まずはバナナで燃料チャージ」
- 「明日も走れるように、今日はおかわりしようね」
- 「次の試合まで2時間あるから、おにぎり食べておこう」

連戦は、食べる力も試合のうち。戻して、ためて、2日目も全力で走ろう!
まとめ
- 大会の2日間は、1日に体重1kgあたり6〜8gの炭水化物
- 試合のあとは、すぐに炭水化物と水分。こまめに分けて食べる
- 次の試合までの時間で、補食か食事かを決める
- 1日目の夜は、主食をおかわりして燃料をためる。9時間眠る
- 2日目の朝は、キックオフ3〜4時間前に食べ慣れた主食を
連戦の日に使えるレシピは連戦・大会の2日目のレシピにまとめています。
出典:米国栄養士会・カナダ栄養士会・米国スポーツ医学会「Nutrition and Athletic Performance」(2016)、UEFA エリートサッカーの栄養に関する専門家声明(2021)、日本サッカー協会「JFA栄養ガイドライン」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)
