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試合の日・約9分

車酔いする子の試合の日の朝ごはん:車に乗る前に何を食べる? 「家で半分・着いてから半分」の分け方と、車内の過ごし方

「試合の日は朝7時に車で出発。しっかり食べさせたいけれど、食べると車で酔ってしまう……」。車出しの多い少年サッカーでは、よくある悩みですよね。

知恵袋には、こんな質問が寄せられています。

  • 朝7時くらいに試合に出かける子に、おすすめの朝食は? 移動は車が多いので、食べるものによっては車酔いするかもしれない。でも、あっさりしすぎても試合でパワーが出ないかもしれない
  • サッカー少年団に、20分くらい車に乗ると吐いてしまう小学3年生がいる。試合の車出しのたびに心配
  • 少年サッカーの試合の引率で車を出すとき、車酔いが激しい子のことでどうしたらいいか悩んでいる

最初の質問についた回答には、「前の晩に作ったシチューを温めて」「うどんやパスタとバナナ」「卵かけごはんや納豆ごはんにみそ汁」という声がありました。どれも、家庭で続けやすい工夫です。

この記事では、乗り物酔いの医学解説(MSDマニュアル家庭版)をもとに、車に乗る前の朝ごはんの選び方、食べる量を「家」と「会場」に分ける段取り、そして車の中での過ごし方を、料理と量で紹介します。

車酔いは、小学生に多い

MSDマニュアル家庭版では、乗り物酔いは2〜12歳の小児でよく起こるとされています。少年サッカーの選手は、ちょうどこの年ごろです。

乗り物酔いは、目で見ている景色と、体が感じる揺れが食いちがうことで起こります。つまり「食べたから酔う」のではなく、食べ方と乗り方を工夫すれば、しっかり食べても酔いにくくできるということです。

酔いやすい子でも、朝ごはんはぬかなくて大丈夫! 選ぶ料理と、食べるタイミングがポイントです。

車に乗る前に選びたい料理

MSDマニュアル家庭版では、乗り物酔いを防ぐ食べ方として、こう書かれています。

解説に書かれていること試合の日の朝に置きかえると
一度に大量に食べない朝ごはんを2回に分けて、家と会場で食べる
脂っこくない、さっぱりしたもの(解説では「脂肪分が少ない」)揚げ物・バターたっぷりのパンより、ごはん・うどん
デンプン質の豊富な食べものおにぎり・うどん・食パン・バナナ
匂いや味の強いものは食べないにおいの強いおかずは、試合のあとのお楽しみに

デンプン質の豊富なものは、まさに試合の燃料になる炭水化物です。つまり、車酔いを防ぐ食べ方と、試合で走るための食べ方は、同じ方向を向いています。

  • ごはん
  • うどん
  • 食パン
  • バナナ
  • 卵

朝ごはんの1品は、どれくらいの燃料になる?

車に乗る前に食べやすい料理の中身をくらべました。

食べ物(量)エネルギー炭水化物たんぱく質
ごはん(100g・小さめのおにぎり1個分)156kcal36.1g2.5g
ごはん(150g・茶わん1杯)234kcal54.2g3.8g
うどん ゆで(200g)190kcal41.4g5.2g
食パン(60g)149kcal26.5g5.3g
バナナ(100g)93kcal21.1g1.1g
卵(1個50g)71kcal0.2g6.1g

(日本食品標準成分表。炭水化物は差引き法による利用可能炭水化物、卵は炭水化物の値)

ごはん・うどん・食パン・バナナは、どれも脂っこくなく、デンプン質や糖質が中心です。卵は、たんぱく質を足す1品として組み合わせます。

うどんは水分が多くてするっと入るので、朝が弱い子にもおすすめ。卵を落とすと、体の材料もそろいますよ。

「家で半分・着いてから半分」の分け方

酔いやすい子には、朝ごはんの量はそのままで、食べる場所を2つに分けるのがおすすめです。一度に大量に食べないという解説の考え方に合わせながら、試合に必要な燃料はしっかりとれます。

パターン家で(出発前)会場に着いてから炭水化物の合計
ごはん派ごはん100g+卵1個バナナ1本(100g)57.4g
うどん派卵とじうどん(ゆでうどん200g+卵1個)おにぎり1個(ごはん100g)77.7g
パン派食パン60gおにぎり1個(ごはん100g)+バナナ1本83.7g
しっかり派ごはん150g+卵1個バナナ1本(100g)75.5g

(日本食品標準成分表で計算)

たとえば「ごはん派」は、家で食べる量はごはん100gと卵だけ。それでも会場でバナナを1本足すと、炭水化物は57.4gになり、茶わん1杯のごはん(54.2g)をこえます。

会場に着いてから食べる分は、試合までの時間に合わせて選びます。アップまで時間があればおにぎり、すぐにアップならバナナのように、消化の早いものにすると安心です。

出発の時刻から逆算する朝の段取り

朝7時に出発する日を例に、朝の流れをまとめました。

時刻やること
前の晩おにぎりを握っておく・うどんと卵を準備・早めに寝る
6:00起きて、顔を洗う
6:15家で朝ごはんの「半分」(ごはん100g+卵、または卵とじうどん)
6:45トイレ、水筒とおにぎり・バナナをバッグに
7:00出発。前の席か、揺れの少ない席に
会場に着いたら朝ごはんの「もう半分」(おにぎり・バナナ)

前の晩におにぎりを握っておけば、朝はラップのまま持っていくだけ。朝は家で食べる分だけ用意すればよいので、段取りも楽になります。朝ごはん全体の組み立て方は、サッカー少年・少女の朝ごはんでも紹介しています。

試合の時刻との関係

試合が9時なら、家で6時15分に食べた分は、試合まで3時間ほどあります。会場で8時ごろに食べるおにぎりやバナナは、試合前の「追加の燃料」になります。試合の何時間前に何を食べるかは、試合当日の食事の記事にくわしくまとめています。

車の中での過ごし方

食べ方と一緒に、乗り方も工夫しましょう。MSDマニュアル家庭版には、こんな方法が書かれています。

解説に書かれていること車出しの日にできること
揺れを感じにくい席を選ぶ(車なら前列)酔いやすい子は前の席に。車出しの保護者同士で声をかけ合う
できるだけ遠くのものを見る窓の外の遠くの景色を見る。前を向いて座る
本などを読まない車の中では、ゲームや動画、本はお休み
窓を開けるなどして新鮮な空気を吸うときどき窓を少し開けて、空気を入れかえる

車出しの当番がある家は、酔いやすい子がいることを前もって知っておくと、席を決めるときにスムーズです。チームでの連絡の工夫は、補食を持たせたのに食べていないの記事も参考になります。

前の席で、遠くの山を見ながら、チームの歌を歌っていこう! 着いたらおにぎりタイムだよ。

会場で食べる「もう半分」の選び方

会場に着いたら、朝ごはんの残り半分を食べます。持ち運びやすく、さっと食べられるものを選びましょう。

  • おにぎり:ごはん100gで炭水化物36.1g。具はさっぱりしたものに
  • バナナ:皮をむくだけ。100gで炭水化物21.1g
  • 食パンのサンド:食パン60gで炭水化物26.5g。具はジャムや薄く塗ったものに

おにぎりの具の選び方は、試合の日は「おにぎりだけ」のチームでくわしく紹介しています。

酔いやすい子の朝ごはん 3つの献立

「家で半分・会場で半分」を、家で作りやすい献立にしました。どれも前の晩の準備で、朝は温めるだけ・盛るだけです。

卵とじうどんの朝

  • 家で:ゆでうどん200gをだしで温め、卵1個を落としてとじる。炭水化物41.6g・たんぱく質11.3g
  • 会場で:おにぎり1個(ごはん100g)。炭水化物36.1g
  • ポイント:うどんは冷凍のものを買い置きしておくと、朝は鍋で温めるだけ。だしのやさしい香りで、においも強くなりません

小さめおにぎりと卵焼きの朝

  • 家で:ごはん100gの小さめおにぎり1個と、卵1個の卵焼き。炭水化物36.3g・たんぱく質8.6g
  • 会場で:バナナ1本(100g)。炭水化物21.1g
  • ポイント:おにぎりを小さめにすると、朝が弱い子もぱくっと食べきれます。会場でバナナを足して、燃料をしっかり

トーストとバナナの朝

  • 家で:食パン60gのトースト。ジャムを薄く塗って。炭水化物26.5g
  • 会場で:おにぎり1個(ごはん100g)とバナナ1本。炭水化物57.2g
  • ポイント:パン派の子は、会場でおにぎりとバナナの2つを食べると、合計83.7gになります

数字は日本食品標準成分表で、それぞれの材料を足したものです。

帰りの車も同じ考え方で

試合が終わったあとも、帰りの車で酔いやすい子がいます。試合のあとは、すぐに燃料を補給したいところですが、車に乗る前に大量に食べるより、おにぎり1個やバナナ1本を食べてから乗り、家に着いたら夕ごはんをしっかりという分け方がおすすめです。

タイミング食べるもの炭水化物
試合が終わってすぐ(会場で)おにぎり1個(ごはん100g)36.1g
家に着いてからごはん150g+主菜+汁物ごはんだけで54.2g

(日本食品標準成分表)

Q&A

Q. 酔うのが心配なので、朝ごはんをぬいて出発してもいい?

A. 朝ごはんはぬかずに、2つに分けて食べましょう。家でごはん100gと卵、会場でバナナ1本を足すと、炭水化物は57.4gになります。試合の燃料をしっかり入れておくことが、後半まで走るための土台です。

Q. 車の中でおにぎりを食べてもいい?

A. 酔いやすい子は、車の中では食べずに、会場に着いてから食べるのがおすすめです。車の中は前を向いて、遠くの景色を見て過ごします。

Q. どんな朝ごはんが向いている?

A. 解説にあるように、脂っこくなく、さっぱりした、デンプン質の豊富なものです。ごはん・うどん・食パン・バナナが向いています。

Q. 揚げ物や、においの強いおかずは?

A. 匂いや味の強いものは、車に乗る前には選ばず、試合のあとや夕ごはんのお楽しみにしましょう。

Q. 遠い会場で、車に1時間以上乗るときは?

A. 家で食べる分を出発の少し前に終わらせて、会場で残りの半分を食べます。途中の休憩で外の空気を吸うのもおすすめです。

子どもへの声かけ

  • 「朝ごはんは半分こ。残りは着いてからね」
  • 「前の席に座って、遠くの山を見ていこう」
  • 「車の中ではゲームはお休み。着いたらおにぎりだよ」
  • 「窓を少し開けようか。風が気持ちいいね」
  • 「着いたね! バナナとおにぎり、どっちから食べる?」
  • 「しっかり食べたから、後半まで走れるよ」

車酔いしやすくても、朝ごはんはしっかり。家で半分、会場で半分で、元気にキックオフ!

まとめ

  • 乗り物酔いは2〜12歳の小児でよく起こる(MSDマニュアル家庭版)
  • 車に乗る前は、脂っこくなくさっぱりした、デンプン質の豊富なものを。一度に大量に食べず、匂いや味の強いものは選ばない
  • 朝ごはんは「家で半分・会場で半分」。ごはん100g+卵+会場でバナナ1本で炭水化物57.4g
  • 車では前の席に座り、遠くを見て、本やゲームはお休み。ときどき窓を開けて空気を入れかえる
  • 帰りも、会場でおにぎり1個、家に着いたら夕ごはんをしっかり

試合の日の朝に作りやすい料理はレシピ一覧から探せます。

出典

  • MSDマニュアル家庭版「乗り物酔い」(Adedamola A. Ogunniyi, MD、Harbor-UCLA Medical Center。2025年3月最終更新)https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/25-外傷と中毒/乗り物酔い/乗り物酔い
  • 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)

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