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家庭の段取り・約9分

補食を持たせたのに食べていない:チームとの連携と差し入れ

朝にぎって持たせたおにぎりが、夜、そのままバッグから出てきた。「なんで食べなかったの?」と言う前に、「いつ食べられそうだった?」と聞いてみよう。

補食が手つかずで帰ってくる理由は、たいてい食べる時間と場所がなかったことです。子どもがわがままを言っているのではなく、練習の流れの中に「食べるすき間」がないのです。この記事では、チームとどう話せば補食が子どもの口に届くか、差し入れをするときに何をそろえればよいかを紹介します。

英国のサッカーアカデミーで選手・保護者・スタッフに聞いた研究でも、学校や練習の予定と食事を両立させる難しさが語られていました(Carneyほか 2024)。家庭とチームの予定をつなぐことが、いちばんの近道です。

まず、本人に理由を聞く

子どもの答え次に試すこと
食べる時間がなかったチームに、補食を食べてよい休憩があるか聞く
食べる場所がわからなかった会場で食べてよい場所を、子どもと一緒に確かめる
練習のすぐ前だった集合の前、移動中に食べられるものにする
包みが開けにくかったラップおにぎりや、手でむけるバナナに
みんな食べていなかったチームで「補食の時間」を作れるか相談する
忘れていたバッグのいちばん上、水筒の横に入れる

責めずに、「次はどこなら食べられそう?」まで一緒に考えます。

親子とチーム担当者が予定メモを見ながら相談する
親子とチーム担当者が予定メモを見ながら相談する

チームに聞くことは、具体的に

「補食を食べさせてください」より、家で用意することと、会場で確かめたいことを分けて伝えると、話がすぐ進みます。

家で困っていることチームに確かめること
学校から練習まで、食べる場所がない集合前に、会場で食べてよい場所と時間
練習中に食べる機会がない給水休憩のときに、補食を食べてもよいか
夏は持ち歩くと傷みそう保冷バッグを置ける日陰の場所
水筒が空になる飲み水を補充できる場所と時間
終わる時間がのびる終了時間の変更を知らせる方法

米国の地域のスポーツ施設28か所で行われた研究では、給水設備を整え、水筒を配り、飲むことを伝えた施設で、子どもたちが水を飲む量が増えました(Lawmanほか 2020)。補食も同じで、「食べよう」と言うだけでなく、食べられる場所と時間を用意すると、実際に食べられるようになります。

練習のあとは2時間以内に

練習のあとは、なるべく早く、2時間以内に食べるのが目安です。帰り道が長いチームなら、解散のあとすぐ食べられるように、おにぎりやバナナを持たせておきます。

会場で食べやすい補食

補食量の例炭水化物会場で食べやすいところ
ラップおにぎり1個(100g)39.4gラップをむくだけ。手が汚れない
バナナ1本(可食部100g)22.5g皮が包み紙がわり
カステラ1切れ(50g)30.9g個包装で配りやすい
飲むヨーグルト1本(200g)24.4g保冷バッグで。練習後に
ふかしいも100g(皮なし)31.9gラップに包んで
オレンジくし形2切れ(60g)7.1g水分もとれる。休憩のひと口に

(日本食品標準成分表で計算)

  • おにぎり
  • バナナ
  • カステラ
  • 飲むヨーグルト
  • さつまいも
  • オレンジ

日本代表で提供している補食の例にも、おにぎり、干し芋、羊羹、カステラが挙がっています。サッカーの現場で、手軽に食べられるものばかりです。

差し入れをするときの3つの確認

試合の日にチームへ差し入れをするなら、買う前に担当者と予定を合わせます。

表示のある外袋を残し、食品と保冷バッグを担当者へ渡す
表示のある外袋を残し、食品と保冷バッグを担当者へ渡す
買う前に確かめること聞き方の例
すでに用意があるか「補食はチームで手配していますか?」
食べる時間「試合の合間ですか、終わってからですか?」
アレルギー「アレルギーのある子の確認は、どなたとすればいいですか?」

外袋ごと渡す

詰め合わせのお菓子は、外袋にアレルギーの表示があっても、中の小袋には書かれていないことがあります(消費者庁 食物アレルギー表示ハンドブック)。小袋だけをかごに移さず、表示のある外袋ごと担当者に渡しましょう。日本サッカー協会も、食物アレルギーの情報を前もって集め、保護者と連携することを示しています。表示の読み方はアレルギー表示の見方で紹介しています。

冷やすものは保冷バッグで

ヨーグルトやゼリー飲料など冷やす食品は、保冷剤と保冷バッグで運び、渡したあとも日陰の涼しい場所に置きます。手作りのおにぎりを配るときは、清潔な手で作り、早めに食べてもらいます(農林水産省「お弁当づくりによる食中毒を予防するために」)。

家庭の様子も、短く返す

JFAアカデミー堺では、選手の食事の記録に加えて、保護者からのコメントを受け取り、家に帰っている間の様子をつかむのに役立てています。家庭からも、できたことと困ったことを、ひとこと返してみましょう。

  • 「集合前に食べる場所がわかって、自分でおにぎりを食べられました」
  • 「学校から直行する日は、家に寄る時間がありません」
  • 「保冷バッグは用意できます。置き場所を教えてください」

米国の指導者・保護者・選手に聞いた研究では、会場の食べ物や飲み物への考え方がそれぞれ違っていました(Marx・Musher-Eizenman 2022)。同じ「補食」という言葉でも、練習前のエネルギーなのか、夕食までのつなぎなのか、具体的に話すと伝わります。

夏と冬で変える補食

季節補食の工夫
夏凍らせたゼリー飲料を保冷剤がわりに。おにぎりは保冷バッグで、早めに食べる
冬温かいお茶やスープを水筒に。肉まんや焼きいもは、帰り道の補食に
雨の日補食はジッパー付きの袋に入れて、ぬれない場所へ

(このサイトの例です)

天気に合わせた準備は雨・寒い日・暑い日の試合でも紹介しています。

もっと相談したいときのメモ

チームの栄養担当者や、地域の管理栄養士(日本栄養士会の「栄養ケア・ステーション」など)に相談するときは、1枚のメモにまとめると話が早く進みます。

項目書くことの例
いちばん困っていること練習前に食べる時間がなく、帰るとお腹ぺこぺこ
1日の予定下校・移動・練習の開始と終了・帰宅の時刻
食べている場所朝食・給食・補食・夕食をどこで食べているか
使えるもの冷蔵庫・保冷バッグ・近くの店・食べる場所
本人の声食べやすいもの、食べにくいもの

相談の帰りには、「次の練習日に、どこで何を食べるか」まで決めておきましょう。

学校から直行する日の補食リレー

学校から練習へ直行する日は、補食がいちばん届きにくい日です。家を出る朝に、1日の流れを決めておきます。

時間食べるものどこに入れる
朝ごはん・卵・みそ汁・牛乳家で
昼給食学校で
下校〜練習の前ラップおにぎり1個かバナナランドセルやバッグの取り出しやすい場所
練習の休憩水分、オレンジやゼリー飲料のひと口水筒の横
練習のあとおにぎりか飲むヨーグルト(保冷バッグ)帰り道ですぐ
夜夕食家で

(このサイトの例です)

学校に補食を持っていけないときは、迎えの車の中や、会場に着いてすぐ食べられるよう、保護者が持って行く方法もあります。チームの集合場所で食べてよいかは、前もってコーチに聞いておきましょう。

チームで「補食の時間」を作る例

チームの練習の流れに、補食の時間を入れると、全員が食べやすくなります。保護者会やコーチとの話し合いで、次のような例を出してみましょう。

練習の流れ補食のタイミング
集合・着がえ着がえのあと、5分で食べられるおにぎりやバナナ
ウォーミングアップ〜前半の練習給水休憩で水分
長い練習の真ん中給水のときに、オレンジやゼリー飲料をひと口
練習のあと・解散前保冷バッグのおにぎりや飲むヨーグルトを、その場で

(このサイトの例です)

「解散前に補食の時間を5分とる」と決めるだけで、帰り道で何も食べずに夕食まで待つ子がぐっとへります。チームで配る補食の選び方は市販の補食も参考にしてください。

チームで差し入れをするときの量の例

保護者の当番で差し入れを用意するときは、1人分を決めてから人数分を買うと、足りない・余るがなくなります。

1人分の例量炭水化物(成分表で計算)
小さめのおにぎり1個(70g)27.6g
バナナ1本(可食部100g)22.5g
みかん1個(可食部80g)9.6g
カステラ1切れ(50g)30.9g
飲むヨーグルト1本(200g)24.4g

(このサイトのまとめです)

練習のあとの差し入れなら、おにぎり1個とバナナ1本で炭水化物50.1g。ここに飲むヨーグルトを足すと、たんぱく質とカルシウムも入ります。暑い季節は、おにぎりと飲むヨーグルトを保冷バッグに入れて、配る直前に出します。

みかんやバナナは皮をむくだけで食べられ、手が汚れにくいので、会場でも配りやすい補食です。個包装のカステラは、外袋ごと渡せばアレルギー表示も確かめられます。

  • おにぎり
  • バナナ
  • みかん
  • カステラ

よくある質問

Q. チームに言うと、うるさい親と思われそう

「補食を食べられる場所を知りたい」は、どの家庭にも役立つ質問です。困りごとと、家でできることをセットで伝えると、前向きな相談になります。

Q. 差し入れは手作りでもいい?

チームの決まりを先に確かめます。手作りのおにぎりを受け付けるチームなら、清潔に作り、冷やして運び、早めに食べてもらいましょう。

Q. 食べなかった補食、夜に食べさせてもいい?

保冷して持ち歩いたかどうかで決めます。暑い日に常温で長く持ち歩いたおにぎりやヨーグルトは、食べずに処分します。バナナやカステラなど常温で持てるものなら、夕食までのつなぎに食べてOKです。

Q. 補食を持たせると、友だちと分けてしまいます

仲よく分けるのはすてきなことですが、アレルギーのある子もいるので、チームの決まりを先に確かめます。自分の分は自分で食べることを、親子で話しておきましょう。

Q. 練習が長い日は、補食を何回持たせればいい?

練習の前と、練習のあとの2回が基本です。3時間をこえる長い練習や、1日の練習の日は、真ん中の休憩にも、バナナやゼリー飲料などすぐ食べられるものを入れておきます。

Q. 差し入れは、何人分を用意すればいい?

選手の人数に、コーチと当日来るきょうだいの分を数人足して用意します。バナナやみかんのように1つずつ分けられるものなら、数が合わなくても調整しやすく、配る人も楽です。夏はバナナとみかんを箱ごと保冷バッグの横に置き、選手が自分で1つずつ取る形にすると、練習が終わってすぐに配り終わります。冬は、おにぎりとカステラを1人分ずつ袋に分けておくと手早く渡せます。

子どもへの声かけ

  • 「いつなら食べられそうだった?」
  • 「集合の前に、ここで食べようか」
  • 「食べられたね。後半の走り、よかったよ」

食べ物と一緒に、「食べる場所と時間」も準備できたら完ぺき。本人のひと言が、チームの段取りを変えるヒントになるよ!

まとめ

  • 補食が残る理由は、たいてい食べる時間と場所がないこと。本人に理由を聞く
  • チームには、家で用意することと、会場で確かめたいことを分けて伝える
  • 会場で食べやすいのは、ラップおにぎり・バナナ・カステラ・飲むヨーグルト
  • 差し入れは、予定・時間・アレルギーを確かめて、外袋ごと渡す
  • 家庭の様子をひとこと返すと、家とチームの段取りがつながる

補食の選び方は補食の基本、学校から直行する日は練習前の補食で紹介しています。

出典:日本サッカー協会「JFA栄養ガイドライン」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)

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