家族で同じ献立、盛る量だけ変える:サッカーする子・きょうだい・大人の取り分け方

「サッカーをしている長男は、いくら作っても足りない。下の子は小さいし、わたしたち大人もいる。毎日、別々に作るなんて無理…」
サッカーをしている子がいる家の夕食は、ちょっとしたパズルです。練習から帰ってきた子はおなかがぺこぺこ。きょうだいは年齢も食べる量もちがう。大人は大人で、仕事のあとに食卓を回しています。
先に答えを言います。献立は家族でひとつ。変えるのは「盛る量」と「足す1品」だけ。料理を作り分ける必要はありません。この記事では、家族それぞれのエネルギーの目安、同じ献立から盛り分ける量の例、サッカーする子だけに足す1品、作り置きと盛り付けの段取りを、具体的な料理と量で紹介します。
中学生のサッカー部員は、お父さんより多い
まず、家族それぞれが1日に必要なエネルギーをくらべてみましょう。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の推定エネルギー必要量です。
| 家族 | 身体活動レベル | 1日のエネルギーの目安 |
|---|---|---|
| 10〜11歳の男の子(サッカーをしている) | 高い | 2,500kcal |
| 12〜14歳の男の子(サッカー部) | 高い | 2,900kcal |
| 12〜14歳の女の子(サッカー部) | 高い | 2,700kcal |
| 15〜17歳の男の子(サッカー部) | 高い | 3,150kcal |
| 30〜49歳の男性 | ふつう | 2,750kcal |
| 30〜49歳の女性 | ふつう | 2,050kcal |
(出典:日本人の食事摂取基準(2025年版)、堺市のページに掲載。サッカーを続けている子は「高い」で表示)
中学生のサッカー部の男の子は2,900kcal。30〜49歳でふつうに体を動かしている男性の2,750kcalより多く、お母さんの2,050kcalとくらべると、1.4倍ほどです。小学校高学年でも2,500kcalで、すでにお母さんより多い量が必要です。
つまり、家族の中でいちばんたくさん盛るのは、サッカーをしている子。お皿の大きさも、お茶碗の大きさも、大人と同じか、大人より大きいものを用意しましょう。学年別・練習量別の目安は小学生・中学生サッカー選手の食事の量は?で詳しく紹介しています。

体は小さくても、走る分と育つ分が上乗せ。サッカーする子のお茶碗は、家族でいちばん大きくてOKです!
献立はひとつでいい理由
小さい子どもの食事でも、子ども用の特別な料理を作らず、大人と同じ食事を基本にする考え方が紹介されています(All About、管理栄養士の解説)。サッカーする子も同じです。
- 同じ料理を家族で食べると、作る手間は1回分。片付けもまとめてできる
- 量は盛り付けで変えられる。ごはんの量、肉の枚数、汁物のおわんの大きさで調整
- 足りない子には1品足す。卵・牛乳・おにぎり・果物なら、火を使わないか、すぐできる
「作り分ける」のではなく「盛り分ける」。これだけで、毎日の夕食がぐっと回りやすくなります。
同じ献立から盛り分ける例
たとえば、豚肉のしょうが焼き・せんキャベツ・豆腐のみそ汁・ごはんの夕食。同じ鍋とフライパンで作って、盛る量だけ変えます。
| 料理 | 中学生のサッカー部員 | 小学校低学年のきょうだい | お母さん |
|---|---|---|---|
| ごはん | 300g(茶碗2杯) | 150g(茶碗1杯) | 150g(茶碗1杯) |
| 豚もも肉のしょうが焼き | 100g | 60g | 80g |
| せんキャベツ | 50g | 30g | 50g |
| 豆腐のみそ汁の豆腐 | 50g | 30g | 50g |
| 牛乳 | コップ1杯(200g) | コップ1杯(200g) | — |
| エネルギー | 810kcal | 488kcal | 420kcal |
| たんぱく質 | 38.7g | 25.2g | 24.3g |
(日本食品標準成分表で計算。たれ・みそ・油は含みません)
同じ料理でも、サッカー部員のお皿はお母さんの2倍近いエネルギーになります。ポイントはごはんと肉の量。ここを大きく変えれば、ほかの料理は同じくらいの量でも大丈夫です。
ごはん
豚もも肉
キャベツ
豆腐
肉は「人数分+サッカーする子の1人分」を焼く
肉や魚を買うときは、「家族の人数分+サッカーする子のもう1人分」で考えると、量の見当がつけやすくなります。4人家族なら、5人分。しょうが焼きなら、ひと切れずつ焼いて、サッカーする子のお皿には多めに並べます。
ごはんは「大きいお茶碗」か「どんぶり」で
ごはんのおかわりは、食卓を立つのが面倒で、つい1杯で終わりがちです。サッカーする子には最初から大きいお茶碗やどんぶりで盛ると、自然と量がとれます。ごはんの重さは、一度キッチンスケールで量ってみると、ふだんの1杯が何gかわかります。
サッカーする子だけに「足す1品」
練習が長かった日や、試合の前の日は、盛り分けに加えて1品足します。火を使わないか、すぐできるものを選ぶと、帰ってからでも間に合います。
| 足す1品 | 量 | エネルギー | たんぱく質 |
|---|---|---|---|
| ゆで卵・目玉焼き | 卵1個(50g) | 71kcal | 6.1g |
| 牛乳 | コップ1杯(200g) | 122kcal | 6.6g |
| 焼き鮭 | 1切れ(80g) | 99kcal | 17.8g |
| ごはんのおかわり | 茶碗1杯(150g) | 234kcal | 3.8g |
| バナナ | 1本(100g) | 93kcal | 1.1g |
(日本食品標準成分表で計算)
たとえば、上のしょうが焼きの夕食に、おかわり1杯とゆで卵を足せば、中学生のサッカー部員は1,115kcal。練習の日の夕食として、しっかりした量になります。ゆで卵は週末にまとめて作って冷蔵庫に置いておくと、「あと1品」がすぐ出せます。
卵
牛乳
鮭
バナナ

卵・牛乳・おかわり・バナナ。「あと1品」は、すぐ出せるものでいいんです!
盛り分けやすい献立
家族で食べる料理の中にも、量を変えやすいものと、変えにくいものがあります。夕食の定番に、盛り分けやすい料理を入れておくと楽になります。
| 料理 | 盛り分けのしやすさ | サッカーする子への足し方 |
|---|---|---|
| カレー・シチュー・肉じゃが | とてもしやすい | ごはんを多く、具を大きめに |
| どんぶり(親子丼・牛丼) | とてもしやすい | どんぶりを大きく、卵を1個足す |
| 鍋 | とてもしやすい | 最後のうどん・雑炊でおかわり |
| 焼き魚・ハンバーグ | ふつう | 1切れ(1個)足すか、卵を添える |
| 大皿の炒め物 | しやすい | 先にサッカーする子の分を取り分けておく |
(このサイトのまとめです)
肉じゃがの例(サッカー部員1人分)
| 材料と量 | エネルギー | たんぱく質 |
|---|---|---|
| じゃがいも(150g) | 89kcal | 2.7g |
| 豚もも肉(80g) | 137kcal | 16.4g |
| たまねぎ(50g) | 17kcal | 0.5g |
| にんじん(30g) | 11kcal | 0.2g |
| ごはん(300g) | 468kcal | 7.5g |
| 合計 | 722kcal | 27.3g |
(日本食品標準成分表で計算。調味料・油は含みません)
肉じゃがは、鍋から盛るときにサッカーする子のお皿へ肉を多めによそうだけで調整できます。きょうだいには、じゃがいもとにんじんを小さめに切ったものを。同じ鍋から、それぞれに合ったお皿ができます。
じゃがいも
たまねぎ
にんじん
ブロッコリー
1週間の夕食を「盛り分けやすい料理」で回す
毎日の献立を考えるのは大変です。曜日ごとに「盛り分けやすい料理」の型を決めておくと、買い物も段取りも楽になります。
| 曜日 | 夕食の型 | 料理の例 | サッカーする子への足し方 |
|---|---|---|---|
| 月 | 炒め物 | 豚肉のしょうが焼き・野菜炒め | 肉を多めに取り分け、おかわり1杯 |
| 火(練習の日) | どんぶり | 親子丼・牛丼 | 大きいどんぶりに卵を1個足す |
| 水 | 煮物 | 肉じゃが・筑前煮 | ごはん300g、肉を多めによそう |
| 木(練習の日) | カレー・シチュー | チキンカレー・クリームシチュー | ごはんを多く、牛乳を1杯 |
| 金 | 魚 | 焼き鮭・さばのみそ煮 | 1切れ足すか、ゆで卵を添える |
| 土(試合の日) | 鍋 | 寄せ鍋・豆乳鍋 | しめのうどん・雑炊でおかわり |
| 日 | 家族の好きなもの | ハンバーグ・ぎょうざ | 1個足して、ごはんを大盛りに |
(このサイトのまとめです)
練習のある曜日に、どんぶりやカレーのような「ごはんを多く盛りやすい料理」を当てると、サッカーする子の量が自然と増えます。カレーやシチューは多めに作って、翌日の朝ごはんや、帰りが遅い日の夕食にも回せます。
帰る時刻がちがう家の段取り
サッカーする子だけ帰りが遅い日は、家族の夕食の時刻とずれます。そんな日は、次の流れにすると、温め直すだけで出せます。
- 夕食を作ったら、サッカーする子の分を先に取り分ける:肉や魚を多めにお皿へ。大皿から取ると、先に食べた家族で減ってしまうため
- ラップをして冷蔵庫へ:ごはんはお茶碗ごと、またはどんぶりに盛っておく
- 帰ったら電子レンジで温める:汁物は小鍋で温め直す
- 足す1品を冷蔵庫の手前に:ゆで卵・牛乳・バナナを見える場所に置いておくと、自分で出せる
夜の練習の日の食べ方は夜遅い練習の日の夕食、買い置きの考え方は忙しい週も回るサッカーごはんでも紹介しています。

先に取り分けて、ラップして冷蔵庫へ。帰ってきたら、チンするだけです!
よくある質問
Q. きょうだいが「お兄ちゃんばっかりずるい」と言う
「走った分と、育つ分をたくさん食べるんだよ」と、理由を話してあげましょう。きょうだいにも、体を動かした日はおかわりを用意します。量は、その子が食べられるだけ。食べる量の目安は年齢と体の大きさで変わるので、くらべるより「それぞれのお茶碗」を決めると、取り合いになりにくくなります。
Q. 大人の量に合わせて作ると、いつも足りなくなる
材料を買うときに「家族の人数分+サッカーする子のもう1人分」で考えると、足りなくなりにくくなります。ごはんは1回に炊く量を多めにして、余ったらおにぎりにして冷凍しておけば、翌日の補食になります。
Q. 大人も同じものを食べて大丈夫?
大丈夫です。献立は同じで、大人は大人のお茶碗とお皿の量にするだけです。家族で同じ料理を囲むと、子どもも食卓が楽しくなります。
Q. 下の子がまだ小さいときは?
同じ料理を、小さく切る・やわらかく煮るなど、食べやすい形にして取り分けます。味つけの前に下の子の分を取り出しておくと、大人とサッカーする子の分はしっかりした味に仕上げられます。肉じゃがやシチュー、鍋は、下の子にも取り分けやすい料理です。
Q. 練習がない日も、量は多いまま?
練習がない日も、成長期の子どもは体をつくるためにエネルギーが必要です。いつものお茶碗で、いつもどおり食べましょう。練習がない日の食事は練習がない日のごはんで紹介しています。
子どもへの声かけ
- 「今日はしょうが焼き。サッカー組は、お肉もう1枚ね」
- 「お茶碗は、いつものどんぶりでいこう」
- 「先に取ってあるよ。チンして食べてね。卵も冷蔵庫にあるよ」
- 「みんなで同じごはん。量は、それぞれのがんばった分だよ」

献立はひとつ、量はそれぞれ。家族みんなで同じごはんを囲みましょう!
まとめ
- 中学生のサッカー部の男の子は1日2,900kcal、30〜49歳の男性(ふつう)の2,750kcalより多い(日本人の食事摂取基準 2025年版)
- 献立は家族でひとつ。変えるのは「盛る量」と「足す1品」
- 大きく変えるのはごはんと肉の量。しょうが焼きの例で、サッカー部員810kcal・お母さん420kcal
- 足す1品は、卵・牛乳・焼き鮭・おかわり・バナナなど、すぐ出せるもの
- 肉や魚は「人数分+サッカーする子のもう1人分」で買う
- 帰りが遅い日は、先に取り分けてラップして冷蔵庫へ
家族で囲める主菜やどんぶりのレシピはレシピ一覧から探せます。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)
