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運動神経をよくする遊び・練習(コーディネーション)

「運動神経をよくする遊びってある?」「コーディネーショントレーニングって、家でもできるの?」。子どもの動きがぎこちないと、何かしてあげたくなりますね。

この記事では、運動神経をよくする遊び・練習について、研究と国のガイドラインからわかっていることをもとに、家と公園でできる遊びを紹介します。

先に答えを言います。体の使い方は、遊びと練習で上手になります。 大事なのは、いろいろな動きを、楽しく、くり返すこと。特別な道具も、高い教室もいりません。

コーディネーションって何?

コーディネーションは、体をタイミングよく、思いどおりに動かす力のことです。JFAのヘディングのガイドラインでは、コーディネーションの要素として、次のようなものが挙げられています。

要素わかりやすく言うと
空間認知ボールや人との距離・位置をつかむ
動くボールへの体の適応飛んでくるボールに体を合わせる
グレーディング感覚力の入れ具合を調整する
空中や着地のバランスジャンプしても、ふらつかない
走から跳への連続した動き走りながら、スムーズに跳ぶ

(出典:JFA 育成年代でのヘディング習得のためのガイドライン)

文部科学省の幼児期運動指針も、多様な動きを経験すると、タイミングよく動いたり、力の加減をコントロールしたりする能力が高まるとしています。

遊びと練習で、動きは上手になる

基本的な動きは「自然に」は身につかない

子どもの運動の技術を伸ばすプログラムの研究をまとめた論文(Logan ほか 2012)では

  • プログラムを受けた子は、走る・跳ぶなどの移動の技術も、投げる・蹴る・捕るなどのボールを扱う技術も、同じように伸びた
  • 自由に遊ぶだけのグループでは、はっきりした伸びは見られなかった

と報告されています。著者たちは、基本的な動きは成長すれば自然に身につくものではなく、学んで、練習して、身につけるものだとまとめています。

学校や地域のプログラムをまとめた別の論文(Morgan ほか 2013)でも、体全体の運動の技術に大きな改善が見られました。

サッカーのウォーミングアップでも伸びる

7〜12歳のサッカー選手が、ケガ予防のウォーミングアップ「FIFA 11+ Kids」を週2回・10週間続けた研究では、片足のバランスや、すばやく方向を変えて走るテストで、よい変化が見られました(Rössler ほか 2016)。変化の大きさは小さめでしたが、ほとんどの項目でよい方向でした。くわしくはケガを防ぐウォーミングアップ:FIFA 11+ Kidsで紹介しています。

動ける子は、もっと動く

運動の技術が高い子は、体をよく動かし、体力も高い傾向があると、研究のまとめで示されています(Robinson ほか 2015)。上手になると楽しくなり、楽しいからもっと動く。よい流れが生まれます。

いろいろな動きを、楽しくくり返す。それがいちばんのコーディネーショントレーニングです!

3つの「基本的な動き」

文部科学省の幼児期運動指針は、基本的な動きを3つに分けています。

種類動きの例
体のバランスをとる動き立つ・回る・転がる・渡る・ぶら下がる
体を移動する動き走る・跳ぶ・登る・はう・よける・滑る
用具などを操作する動き投げる・捕る・蹴る・転がす・押す・引く

(出典:幼児期運動指針のポイント)

3つの種類から、まんべんなく遊びを選ぶのがコツです。指針では、たとえば鬼ごっこには「歩く・走る・くぐる・よける」などの動きが含まれるとしています。1つの遊びに、たくさんの動きが入っているのです。

家でできる遊び

遊びねらいやり方
風船キャッチ動くものに体を合わせる風船を投げ上げて、落とさずにキャッチ
風船つき力の加減手・足・頭で、落とさないように続けてつく
新聞ボール投げ投げる・捕る新聞紙を丸めたボールで、キャッチボール
片足立ちゲームバランス片足で立って、10数える。目線を変えてみる
ボールタッチボールを扱う足の裏で、ボールを前後左右に転がす
まねっこ体操体を思いどおりに動かす親の動きを、すぐにまねする

(このサイトのまとめです。風船・新聞ボールの遊びはJFAのヘディングのガイドラインの例を参考にしています)

JFAのヘディングのガイドラインでは、幼児期の課題の例として、風船を投げ上げてキャッチする、落ちてくる風船を体のいろいろなところに当てる、新聞ボールを投げてキャッチするといった遊びが紹介されています。家の中でも安全にできて、子どもも夢中になります。

家の中でのボールの練習は家の中でできるリフティング練習でも紹介しています。

公園でできる遊び

遊び入っている動き
鬼ごっこ走る・よける・止まる・方向を変える
ケンケンパ片足で跳ぶ・両足で跳ぶ・リズム
木登り・うんてい登る・ぶら下がる・体を支える
キャッチボール投げる・捕る・距離をつかむ
壁当て蹴る・止める・はね返りに合わせる
なわとび跳ぶ・リズム・手と足を合わせる
すべり台・斜面ダッシュ滑る・バランス・坂を走る

(このサイトのまとめです)

キャッチボールは、サッカー選手にもおすすめ

JFAのヘディングのガイドラインでは、キャッチボールの導入が、幼児期から中学生まですべての年代で、すすめられています。空中のボールの落ちる場所を予測して、体を合わせる力は、サッカーのトラップやヘディングにもつながります。

練習を続けるコツ

コツ理由
毎日、少しずつ1回長くより、毎日のほうが続く
遊びを変えるいろいろな動きを経験できる
できる課題から始める「できた!」がやる気になる
親も一緒にやる子どもは、まねをしながら覚える
記録をつける自己ベストが伸びるのがわかる

(このサイトのまとめです)

文部科学省の幼児期運動指針は、幼児は毎日、合計60分以上体を動かすことを目安にしています。小学生も、外遊びとサッカーの時間を合わせて、たっぷり動きましょう。

リフティングの回数を記録するなら、サカメシ!のリフティング記録が使えます。年長(5〜6歳)以降なら、毎日やれば、だれでもできるようになります。

@lifting: 風船つきができたら、次はボールでリフティング。遊びの延長で、どんどんうまくなります!

動くための元気をつくる食事

たくさん遊んで動く子は、エネルギーもたくさん使います。主食をしっかり食べて、練習や外遊びのあとは補食をとりましょう。睡眠は、厚生労働省の睡眠ガイド2023で、小学生は9〜12時間が目安です。

  • ごはん
  • バナナ
  • ヨーグルト
  • 納豆

年代ごとの遊び選び

年代おすすめの遊びポイント
幼児風船キャッチ・鬼ごっこ・ぶら下がり遊びとして楽しむ。いろいろな動きをまんべんなく
小学1〜2年生ケンケンパ・キャッチボール・ボールタッチ少しむずかしい課題に挑戦
小学3〜4年生なわとび・壁当て・ジャンプして空中でキャッチ動きを組み合わせる
小学5〜6年生片足ジャンプでピタッと止まる・2人でジャンプしてキャッチスピードとバランスを両立

(このサイトのまとめです。JFAのヘディングのガイドラインの年代別の課題の例を参考にしています)

JFAのヘディングのガイドラインでは、小学3〜6年生の課題として、2人で同時にジャンプしたり、空中のボールを手で取り合ったりする運動が挙げられています。公園で親子でやってみると、意外と盛り上がります。

動きを「むずかしく」する3つのコツ

同じ遊びでも、少し変えるだけで、新しい動きの練習になります。

コツ例
左右を変える利き足と反対の足でボールタッチ、反対の手でキャッチ
速さを変えるゆっくり→速く、合図でスタート・ストップ
組み合わせるケンケンしながらキャッチ、走ってきてジャンプ

(このサイトのまとめです)

文部科学省の幼児期運動指針は、動きをくり返すことで、動き方が上手になる「洗練化」が進むとしています。できるようになったら、少しだけむずかしくする。その積み重ねで、体の使い方はどんどん上手になります。

1日5分の「コーディネーション・メニュー」の例

順番メニュー時間
1片足立ち(左右)1分
2ケンケンパ1分
3ボールタッチ(足の裏で前後左右)1分
4風船つき・リフティング1分
5キャッチボール(手で)1分

(このサイトの例です)

3つの基本的な動き(バランス・移動・用具の操作)が、5分の中にそろっています。毎日のメニューを少しずつ入れかえると、飽きずに続けられます。

よくある質問

Q. コーディネーション教室に通わないとだめですか?

通わなくても大丈夫です。研究では、運動の技術はプログラムで伸びることが示されていますが、家や公園でのいろいろな遊びも、たくさんの動きを含んでいます。親子で楽しめる遊びから始めましょう。

Q. サッカーの練習だけでは足りませんか?

サッカーにも、たくさんの動きが入っています。そのうえで、文部科学省の幼児期運動指針は、特定のスポーツだけより、さまざまな遊びのほうが多様な動きを含むとしています。休みの日は、ほかの遊びもまぜてみましょう。

Q. 何歳から始めるといいですか?

今日からです。何歳からでも、遊びと練習で動きは上手になっていきます。年齢のことはゴールデンエイジは本当?を見てください。

Q. 運動が苦手で、遊びたがりません

できる課題から始めるのがコツです。風船は動きがゆっくりなので、ボールが苦手な子にも向いています。「できた!」を一緒に喜びましょう。

Q. 雨の日はどうすれば?

風船キャッチ・片足立ちゲーム・ボールタッチ・まねっこ体操は、家の中でできます。雨の日の過ごし方は天気と試合の記事も見てください。

Q. 1回にどれくらいやればいい?

決まった時間はありません。子どもが楽しめる長さで、毎日続けることが大事です。

Q. スマートフォンやゲームの時間が長いのが心配です

時間を決めて、外遊びの時間もつくりましょう。文部科学省の幼児期運動指針は、外遊びの時間が長い幼児ほど体力が高い傾向にあったという調査を紹介しています。

Q. 兄弟で一緒にできる遊びは?

鬼ごっこ、キャッチボール、風船つきは、年の差があっても一緒に楽しめます。小さい子にはルールをやさしくするなど、工夫してみましょう。

Q. 遊びの最中にケガをしないか心配です

文部科学省の幼児期運動指針は、発達の特性に合った遊びをすることが、ケガの予防にもつながるとしています。年齢に合った遊びを選び、まわりの安全を確かめてから始めましょう。

子どもへの声かけ

  • 「今日は何して遊ぶ?」
  • 「さっきより上手にキャッチできたね!」
  • 「いろんな動きができると、サッカーもうまくなるよ」

遊びは、いちばん楽しいトレーニング。今日もいっぱい動いて、いっぱい笑おう!

まとめ

  • コーディネーションは、体をタイミングよく、思いどおりに動かす力
  • 基本的な動きは、学んで練習すると伸びる(Logan ほか 2012・Morgan ほか 2013)
  • 動きは3種類:バランス・移動・用具の操作(文部科学省 幼児期運動指針)
  • 家では風船・新聞ボール・片足立ち、公園では鬼ごっこ・キャッチボール・なわとび
  • キャッチボールは、JFAのガイドラインですべての年代にすすめられている

遺伝との関係は運動神経は遺伝?、ケガを防ぐ準備運動はFIFA 11+ Kids、練習の記録はリフティング記録で紹介しています。

出典:(出典の一覧は「出典」のページを参照)

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