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夏の食欲不振:暑さで食べられないサッカー少年の食事と補食の工夫

夏になると「食べたくない」「冷たいものしかいらない」…。練習はあるのに食べてくれないと、本当に心配になります。

夏は、暑さで食欲が落ちやすい季節です。それなのに、サッカーの練習や試合は続きます。汗で水分や塩分が失われ、体は大人が思う以上にエネルギーを使っています。

この記事では、夏の食欲不振のときに「食べられる形」で必要なものを届ける工夫を紹介します。

なぜ夏は食欲が落ちるの?

暑い日に食欲が落ちる理由には、いくつかのことが関係していると考えられています。

  • 暑さで体がだるくなり、疲れがたまる
  • 冷たい飲み物をたくさん飲んで、おなかが冷える・いっぱいになる
  • 汗をかいて水分が足りなくなる
  • 夜、暑くて眠りが浅くなる

日本サッカー協会のガイドラインでは、育成年代の睡眠時間は9時間以上が目安とされています。寝不足は食欲にも影響するので、夏こそ眠りの環境を整えることも大切です。

エアコンや扇風機をじょうずに使って、ぐっすり眠れる部屋に。よく眠れると、朝ごはんも食べやすくなります。

食べられないと、なぜ困るの?

暑い時期の練習では、汗でたくさんの水分と塩分が出ていきます。そのうえ食事の量まで落ちると、エネルギー・水分・塩分のすべてが足りなくなり、熱中症のリスクも高まります。

日本スポーツ協会の熱中症予防のための運動指針では、暑さ指数(WBGT)に応じて運動の目安が示されています。

暑さ指数(WBGT)運動の目安
31℃以上運動は原則中止(特に子どもは中止)
28〜31℃厳重警戒:激しい運動は中止。10〜20分おきに休憩をとり水分・塩分を補給
25〜28℃警戒:積極的に休憩
21〜25℃注意:運動の合間に積極的に水分・塩分を補給
21℃未満ほぼ安全:適宜、水分・塩分を補給

(出典:日本スポーツ協会「熱中症予防運動指針」)

また、急に暑くなった時期は、数日間は軽く短い運動から少しずつ体を慣らすことがすすめられています。夏の初めや合宿の初日には事故が多いとされています。体調が悪いときや、ごはんがほとんど食べられていない日は、無理に練習に参加させないことも大切です。

食欲がないときの基本の考え方

食欲がないときは、いつもの食事の形にこだわりすぎず、「食べられるものから、何回かに分けて」とるのが基本です。

  1. 主食(炭水化物)を最優先に:体を動かすエネルギーの中心
  2. 冷たくてのどを通りやすい形にする:冷やしうどん・そうめん・冷やしおにぎり・冷製スープ
  3. たんぱく質は「つるっと」とれるものを:卵・豆腐・ヨーグルト・ツナ
  4. 果物で水分とビタミンを:みかん・オレンジ・キウイ・すいか
  5. 1回で食べきれなければ、回数を増やす:補食を上手に使う

主食・主菜・副菜・牛乳・乳製品・果物の5つをそろえる食事は基本ですが、暑さで食べられない日は「1日の中でそろえばいい」と考えましょう。

のどを通りやすい主食

暑い日でも食べやすい主食の例です。

主食食べやすくする工夫
うどん・そうめん冷やして、卵・ツナ・豆腐・薬味をのせる
おにぎり冷めてもおいしい。梅や塩昆布でさっぱり
冷やし茶漬け冷たいだしやお茶をかけてさらさら食べる
食パントーストして、チーズやジャムを
そばざるそばに、とろろや卵をのせる

(このサイトのまとめです)

  • うどん
  • おにぎり
  • 卵

日本食品標準成分表の値で計算すると、ゆでうどん200gのエネルギーは190kcal、炭水化物は約43gです。おにぎり(塩むすび)100gは170kcal・炭水化物約39gです。

冷やしうどんに温泉卵をのせると、つるっと食べられて、たんぱく質もとれますよ!

つるっととれる、たんぱく質のおかず

肉の脂っこさが気になる日は、口当たりのよいたんぱく質を選ぶと食べやすくなります。

  • 冷ややっこ:しょうがやねぎ、かつお節をのせて
  • 温泉卵・卵豆腐・茶わん蒸し:冷やしてもおいしい
  • あじの南蛮漬け・酢の物:酢のさっぱりした味は暑い日に食べやすい
  • 蒸し鶏・冷しゃぶ:脂の少ない部位を、ごまだれやポン酢で
  • ヨーグルト・チーズ:補食にもなる
  • 木綿豆腐
  • まあじ
  • プロセスチーズ

木綿豆腐100gのたんぱく質は7.0g、まあじ100gは19.7g、プロセスチーズ20gは約4.5gです(日本食品標準成分表で計算)。

果物で水分・ビタミン・エネルギーを

果物は、水分が多くて食べやすく、ビタミンCもとれます。冷やしておくと、暑い日のデザートや補食にぴったりです。

  • みかん
  • オレンジ
  • キウイフルーツ

100gあたりのビタミンCは、みかん(砂じょう)33mg、オレンジ(ネーブル)60mg、キウイフルーツ(緑肉種)71mgです(日本食品標準成分表)。

凍らせたバナナやみかん、ぶどうは、夏のおやつとして子どもに人気です。

食欲がない日の1日の例

暑さで食欲が落ちている日の、1日の食事の例です。

時間食事
朝冷やしおにぎり(梅)・ヨーグルト・キウイ
昼学校の給食
練習前バナナ・ようかん1切れ
練習後飲むヨーグルト・おにぎり
夕冷やしうどん(卵・豆腐・ツナ・ねぎ)・あじの南蛮漬け・トマト・オレンジ
寝る前(食べられれば)牛乳やヨーグルト

(このサイトの献立の例です)

1回の食事量が落ちていても、補食を入れて回数を増やすことで、1日の合計を確保しやすくなります。日本サッカー協会のガイドラインでは、練習前に空腹のときや練習後から夕食まで時間があくときは補食をとるとされ、練習のあとはなるべく早く(2時間以内に)食事をとることがすすめられています。

  • 練りようかん
  • バナナ
  • 飲むヨーグルト

水分・塩分のとり方

夏は、食事と同じくらい水分と塩分の補給が大切です。

  • 練習の前から水分をとっておく
  • 練習中はこまめに飲む。暑い日は塩分と糖分を含むスポーツドリンクも
  • 練習後は体重の減った分より多めに、数時間かけて補給する

日本スポーツ協会の指針では、運動中の飲み物は、食塩相当量で100mlあたり0.1〜0.2gの塩分を含むものがすすめられています。また、共同声明では、運動後は失った水分の125〜150%を補給すること、運動後は塩分を制限しないことが示されています(成人の競技者の目安)。

汁物は、水分と塩分を一緒にとれる料理です。 食欲がない日でも、冷製のみそ汁やスープなら飲めることがあります。

スポーツドリンクの選び方はスポーツドリンクの選び方と飲み方で詳しく紹介しています。

冷たいものの「とりすぎ」に注意

暑いと、冷たい飲み物やアイスばかりほしくなります。冷たいものは気持ちよいですが、とりすぎるとおなかが冷えて、かえって食事が入らなくなることがあります。

  • 食事の直前に冷たい飲み物をたくさん飲まない
  • 食事のときは、温かい汁物やお茶も一緒に
  • アイスやジュースは、補食の時間に量を決めて楽しむ

夏バテを防ぐ栄養

夏に疲れがたまりやすいときは、エネルギーを体の中でうまく使うためのビタミンB1も意識したい栄養素です。ビタミンB1は、豚肉・うなぎ・大豆製品・玄米などに多いことが知られています。

また、豚レバー(100gあたり鉄13.0mg・ビタミンB1 0.34mg、日本食品標準成分表)のように、鉄やビタミンを豊富に含む食材を、ときどき献立に入れるのもよいでしょう。

  • 豚レバー
  • 豆腐
  • 卵

よくある質問

Q. 食べられないなら、ゼリー飲料だけでもいい?

ゼリー飲料は、食べられないときの助けになります。ただ、それだけでは栄養が偏るので、食べられるようになったら少しずつ食事に戻していきましょう。

Q. 食欲がない日が何日も続きます

数日たっても食欲が戻らない、体重が減ってきた、元気がない、などの場合は、医療機関に相談してください。熱中症や体調不良が隠れていることもあります。

Q. 合宿で食べられなくなるのが心配です

合宿の食事については合宿・遠征の食事の記事を、ビュッフェ形式の食事については遠征・合宿のビュッフェの選び方を参考にしてください。

子どもへの声かけ

  • 「全部じゃなくていいよ。食べられそうなのはどれ?」
  • 「冷やしうどんなら食べられる? 卵ものせようか」
  • 「練習のあとは、まずこれだけ飲んでね」
  • 「今日はよく眠れた?」

暑い夏も、食べられる形を見つければ乗りきれる! 少しずつ、何回かに分けて、元気に夏を過ごそう!

まとめ

  • 夏は暑さ・疲れ・寝不足・冷たいもののとりすぎで食欲が落ちやすい
  • 主食を最優先に、のどを通りやすい形で
  • たんぱく質は豆腐・卵・魚など、つるっととれるものを
  • 1回で食べきれないときは、補食で回数を増やす
  • 水分と塩分の補給を忘れずに
  • 食欲が戻らないときは医療機関に相談する

暑い日の準備は汗の量と水分チェックで確認できます。暑い日の食事と水分の記事も読んでみてください。

出典:米国栄養士会・カナダ栄養士会・米国スポーツ医学会「Nutrition and Athletic Performance」(2016)、日本スポーツ協会「熱中症予防のための運動指針」、日本サッカー協会「JFA栄養ガイドライン」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)

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