レバーが嫌いな子も安心!レバー以外で鉄をとる方法

「鉄ならレバー」と聞くけれど、うちの子はひと口でギブアップ…。そんなご家庭は多いですよね。
鉄は、血液の中で酸素を運ぶヘモグロビンの材料になる栄養素です。走り続けるサッカー選手にとって、とても大切な栄養素のひとつです。
たしかにレバーは鉄の多い食品です。でも、鉄は赤身の肉・魚・あさり・納豆・こまつななど、毎日の食卓にのぼる食品からもしっかりとれます。さらにビタミンCと組み合わせれば、植物性の食品の鉄も体に取りこみやすくなります。この記事では、レバーを使わない鉄のとり方を紹介します。
成長期の子どもに必要な鉄の量
日本人の食事摂取基準(2025年版)による、鉄の1日の推奨量です。
| 年齢 | 男子(mg/日) | 女子・月経なし(mg/日) | 女子・月経あり(mg/日) |
|---|---|---|---|
| 8〜9歳 | 7.5 | 8.0 | ― |
| 10〜11歳 | 9.5 | 9.0 | 12.5 |
| 12〜14歳 | 9.0 | 8.0 | 12.5 |
| 15〜17歳 | 9.0 | 6.5 | 11.0 |
(推奨量。出典:日本人の食事摂取基準2025 p345)
成長期は体が大きくなり、血液の量も増えていく時期です。月経が始まった女子は、さらに多くの鉄が必要になります。IOCの声明でも、若い選手の食事では十分な鉄をとることが大切とされています。

鉄は「1品でドカンと」より「毎食少しずつ」積み重ねるのがコツ。朝・昼・夕・補食で集めていきましょう。
鉄の2つのタイプ
食品に含まれる鉄には、大きく分けて2つのタイプがあります。
- 肉・魚に多い鉄(ヘム鉄):体に取りこまれやすい
- 大豆・野菜・海藻に多い鉄(非ヘム鉄):ビタミンCやたんぱく質と一緒にとると、取りこまれやすくなる
つまり、「赤身の肉や魚」と「大豆・青菜+果物」の両方を食卓に並べるのが、レバーを使わない鉄のとり方の基本です。
レバー以外で鉄がとれる食品
日本食品標準成分表の値で計算した、よく使う量あたりの鉄です。
| 食品と量 | 鉄 |
|---|---|
| 牛もも赤身肉(国産)80g | 2.2mg |
| 牛ひき肉 80g | 1.9mg |
| かつお 刺身5切れ(80g) | 1.5mg |
| まぐろ味付け缶 1缶(70g) | 2.8mg |
| あさり水煮缶 大さじ2(約20g) | 6.0mg |
| 納豆 1パック(40g) | 1.3mg |
| 木綿豆腐 1/3丁(100g) | 1.5mg |
| こまつな 1/4束(80g) | 2.2mg |
| ほうれんそう 1/4束(80g) | 1.6mg |
| 卵 1個(50g) | 0.8mg |
| きな粉(青大豆)大さじ2(約12g) | 0.9mg |
| いりごま 大さじ1(約9g) | 0.9mg |
(日本食品標準成分表で計算)
ちなみに豚レバーは100gあたり13.0mg。ひと皿分ほど食べるのはなかなか大変ですが、上の表の食品を2〜3品組み合わせれば、同じくらいの鉄が集まります。
赤身の肉:いちばん頼れる鉄源
牛肉の赤身は、レバー以外で鉄をとりやすい代表選手です。焼肉、牛丼、プルコギ、ハンバーグ、ミートソースなど、子どもが好きな料理がたくさんあります。
牛もも肉
牛ひき肉
かつお
ひき肉は、カレーやそぼろ、ミートソースに使えば、ごはんやパスタがどんどんすすみます。かつおやまぐろなど、赤い身の魚も鉄の多い食品です。
あさり:少しの量でたっぷり
あさりは、鉄がとても多い食品です。水煮缶は100gあたり30mg。クラムチャウダーやボンゴレ、炊き込みごはん、みそ汁に少し入れるだけで、ぐっと鉄が増えます。
あさり缶
まぐろ缶
納豆
大豆と青菜:毎日の積み重ねに
納豆・豆腐・きな粉、こまつな・ほうれんそうは、毎日食べやすい鉄の食品です。こまつなはアクが少ないので、さっとゆでるだけでおひたしやみそ汁、炒め物に使えます。
こまつな
ほうれんそう
木綿豆腐
ひじきは「鉄釜」かどうかで差が大きい
ひじきは鉄の多い食品として有名ですが、成分表では製法で大きく値が変わります。ほしひじき(乾)100gあたり、鉄釜で煮たものは58mg、ステンレス釜で煮たものは6.2mgです(日本食品標準成分表)。いまはステンレス釜のものが多いので、ひじきは「鉄も少しとれる、食物繊維の多い食品」くらいに考えるのがちょうどいいです。
ビタミンCと一緒に食べよう
植物性の食品の鉄は、ビタミンCと一緒にとると体に取りこまれやすくなります。毎食、果物や野菜を1品添えましょう。
| 食品と量 | ビタミンC |
|---|---|
| ブロッコリー 50g | 70mg |
| オレンジ 1/2個(可食部100g) | 60mg |
| キウイフルーツ 1個(可食部80g) | 57mg |
| いちご 5粒(75g) | 47mg |
| こまつな 80g | 31mg |
(日本食品標準成分表で計算)
オレンジ
キウイフルーツ
ブロッコリー
組み合わせの例です。
- 納豆ごはん+こまつなのみそ汁+オレンジ
- 牛肉とブロッコリーの炒め物+いちご
- きな粉ヨーグルト+キウイ
- あさりのクラムチャウダー+果物

「鉄の食品+果物」をセットにするだけ。デザートの果物にも、ちゃんと役目があります!
レバーを使わない1日の献立例
中学1年生の男子(推奨量9.0mg)を想定した、レバーを使わない1日の献立例です。
| 食事 | 献立 | 鉄のめやす |
|---|---|---|
| 朝 | ごはん・納豆1パック・卵焼き(卵1個)・こまつなのみそ汁(こまつな40g)・オレンジ | 約3.3mg |
| 昼 | 学校の給食 | 献立による |
| 補食 | きな粉ヨーグルト(きな粉大さじ2・ヨーグルト100g) | 約0.9mg |
| 夕 | ごはん・牛肉とブロッコリーの炒め物(牛もも80g・ブロッコリー50g)・豆腐のみそ汁(豆腐100g)・いちご | 約4.5mg |
(日本食品標準成分表で、主な食品の値だけをたした目安です)
給食を入れなくても約8.7mgになり、給食の分を加えると推奨量にしっかり届きます。毎食ビタミンCのとれる果物や野菜も入っています。
子どもが喜ぶ「鉄メニュー」
レバーがなくても、子どもが好きな料理の中に鉄がとれるものはたくさんあります。
| 料理 | 鉄がとれる食材 |
|---|---|
| 牛丼・プルコギ | 牛赤身肉 |
| ミートソース・タコライス | 牛ひき肉 |
| クラムチャウダー・ボンゴレ | あさり |
| まぐろの漬け丼・かつおのたたき | まぐろ・かつお |
| 麻婆豆腐・豆腐ハンバーグ | 豆腐・ひき肉 |
| こまつなとじゃこの炒め物 | こまつな |
| 納豆チャーハン | 納豆・卵 |
| きな粉もち・きな粉トースト | きな粉 |
(このサイトのまとめです)
どれも、いつもの献立に入れやすい料理です。週に何回か、こうした料理を回していけば、レバーに頼らなくても鉄はしっかり集まります。
ひじき
ごま
卵
補食でも鉄をプラス
練習の前後の補食でも、鉄をとることができます。きな粉ヨーグルト、きな粉もち、ごまおにぎり、納豆巻きなどは、エネルギーと一緒に鉄もとれる補食です。果物を添えれば、ビタミンCもそろいます。
食べ方のちょっとしたコツ
- 朝ごはんを抜かない:1食抜くと、その分の鉄がまるごと減ってしまいます
- 主菜を毎食入れる:肉・魚・卵・大豆のどれかを必ず1品
- 食後のお茶は少し時間をあけて:緑茶や紅茶の成分は鉄の吸収をさまたげることがあります。食事中は水や牛乳、麦茶がおすすめです
日本サッカー協会のガイドラインでも、毎食「主食・主菜・副菜・牛乳・乳製品・果物」の5つをそろえることが基本とされています。この形をそろえていけば、鉄は自然と集まっていきます。
よくある質問
Q. レバーはまったく食べなくてもいいですか?
食べなくても大丈夫です。赤身の肉・魚・あさり・大豆・青菜で、鉄は十分にとれます。もし細かく刻んだレバーのそぼろなど食べられる形があれば、ときどき楽しむのもいいですね。
Q. 鉄のサプリメントは必要ですか?
毎日の食事で鉄の多い食品をそろえれば、基本は食事でとれます。健康診断などで貧血を指摘された場合は、その指示に合わせましょう。
Q. ほうれんそうとこまつな、どちらがいいですか?
どちらも鉄がとれる青菜です。こまつなはアクがおだやかで下ゆでなしで使えるので、毎日の料理に気軽に入れられます。ほうれんそうは、ゆでてからおひたしやごま和え、バター炒めにするとおいしく食べられます。
Q. 鉄は1食でまとめてとってもいいですか?
1食でたくさんとるより、朝・昼・夕・補食に分けて、毎食どこかに鉄の食品を入れるほうがとりやすく、続けやすいです。朝の納豆、夕の赤身の肉、補食のきな粉、のように役割を決めておくと楽になります。
Q. 女子は特に気をつけたほうがいいですか?
月経が始まると、鉄の推奨量が増えます。赤身の肉や魚、あさり、大豆製品を毎日の食事に意識して入れていきましょう。詳しくは女子選手の食事の記事も参考にしてください。
Q. 鉄が足りているか、どうやってわかりますか?
毎日の食事で、赤身の肉や魚・大豆・青菜が入っているかを見るのが手軽な方法です。疲れやすい、息切れしやすいなど気になる様子があるときは、健康診断や受診のときの血液検査で確認できます。
Q. 鉄を多くとるための調理のコツはありますか?
肉や魚と、こまつなやブロッコリーなどの野菜を一緒に炒める、果物をデザートに添えるなど、「鉄の食品とビタミンCの食品を同じ食事にそろえる」ことがいちばんのコツです。
レバーが食べられなくても、毎日の食卓で鉄はしっかり集められます。大切なのは、赤身の肉や魚、大豆、青菜を毎日どこかに入れることと、果物を添えること。この2つを習慣にすれば、走れる体づくりは十分です。家族みんなで同じ料理を楽しみましょう。
子どもへの声かけ
- 「今日は牛丼!赤い肉は走る力のもとだよ」
- 「納豆とオレンジはいいコンビなんだよ」
- 「こまつなのみそ汁、おかわりする?」

レバーが苦手でも大丈夫!赤身の肉・あさり・納豆・こまつなに果物をそえて、走れる体をつくろう!
まとめ
- 鉄の推奨量は中学生男子で9.0mg、月経のある女子は12.5mg
- 赤身の肉・赤身の魚・あさりは、鉄をとりやすい食品
- 納豆・豆腐・きな粉・こまつなで毎日コツコツ
- 鉄の食品には、ビタミンCのとれる果物や野菜をセットで
- 毎食5つをそろえると、鉄は自然と集まる
鉄について詳しくは鉄の話の記事を参考にしてください。鉄がとれる料理は鉄がとれるレシピで探せます。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、IOC 若年競技者に関する合意声明(2015)、日本サッカー協会「JFA栄養ガイドライン」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(出典の一覧は「出典」のページを参照)
